名付け
名付け-------------------
最初に思ったのが、綺麗な人だな。狐耳もかわぇ~~~。
しかし、しっぽが三つ有る様に見えるが・・・・。
その巫女さんが私の前で膝を付き
『ご主人様、やっとお会いする事が出来ました。』
それだけ言うとはらはらと涙を流し、うつむいてしまった。
取りあえず、椅子に座らせ、事情を聴く事にしましたが、その前に、
機能停止中のドクターアンドロイドを再起動してメイドを呼びに行かせた。
やはり、自室で聞いた方が良いので、メイドにお茶の用意でもさせる事にした。
彼女に声をかける。「歩けるか?」『はい』と言って立ち上がったので、
付いてくるように言って、先にゆっくり歩いて自室に向かった。
部屋に入って、ソファーに座らせ、お茶を進めながら話を聞く事にした
「順を追って話したいが、私が知っている範囲であなたとの関係を話していくね」
『はい、私はギンとお呼び下さい』
「わかった、昔、私が車に引かれた子を保護したけど。それがギンだね」『はい』
「それからず~~と見守ってくれていたんだね。」『はい』
「私が都会に出た時はどうしていたの」
『ご主人様のお住まいの近くのお稲荷様にご厄介に成って居ました』
「ああ、あそこかぁ。一回だけ油揚げ上げたけど・・・」
『はい、ご主人様から貢物を頂きましたので、
豊穣神様に褒められました。嬉しかったです。』
「そうか、そんな事なら。もっと上げればよかったなぁ」
『いえ、無償の信心だからこそ有難かったのです。』
「アメリカに行く時もずいぶん動いてくれた様だったけど」
『向こうのワシントン州と言う所にお稲荷様がいらっしゃいましたので、
眷属の方にお願い致しました。けれども、結局私は役にたちませんでした。』
はらはらと泣き出しました。
「あれは無理です。空の上でしかも下は海ですから、
貴方の力の及ぶところでは有りませんょ。」『それでも悔しかったのです。』
ああ、こりゃ駄目だ、話変えよう。
「ところで、私の妻と娘はその後どうなりました?。」
『私はご主人様が此方に旅立たれた後、
上役様にお願いしてお嬢様の見守り役にさせて頂きました。』
『奥様とお嬢様はしばらく家にこもっておりましたが、49日を過ぎますと、
お嬢様は保育園に奥様はお仕事に出られている様子でした』
『月日が経つとは恐ろしい物でございますね。奥様もお嬢様も徐々に日常を
取り戻されている様でした。私は、私は・・・。』ありゃ、また泣き出した。
「私は此処にいるよ、これからはギンと一緒だよ」
と言うとハッとした様に顔お上げ、今度は違う表情で泣き出してしまった。
しょうがないので、泣くのは無視!
「こっち世界で私が死んだことがどうして分かったの?」
『私が里に一時帰郷した時に、
一緒にも主人さまを見守っておりました白蛇様に聞きました。』
『私は取り乱してしまい。白蛇様に抑えられ、やっと落ち着きました。
その後、二人でご主人様をお助けする方法をお聞きしようと、こっそりと、
転生を司る大神様の所に行ったのです』
『そこで、大神様に、次元神をここに呼び出すから、
その隙に次元の扉を通ってご主人様の世界に行くように、
そこでご主人様を守る様に言われたのです。』
うわぁ!あの爺さんかなりの食わせ物、だぁ!!。
「そこで神格が抜けて此方で魔物に転生していたという分けか。」
『少し、複雑に成りますが、転移したのは母です。
今、私の中に三つの魔石が有ります。母が一番格が高く、一番下が私です。
二番目が兄で母が滅した後、母をつぐ予定でした』
「う~ん、それは、後から融合する様に二つの魔石を体の中に入れたけど、
そのせいで三つの魔石が一つの体に宿る事に成ったのかな?」
『はい、ご主人様のお蔭で、一つに成る事が出来ました。』
『私と母は共にご主人様に救われた事でご主人様をお守りすると言う
強い共通認識が有り、記憶の融合が進んだ部分が有ります。』
『しかしながら、個としての自我意識は別で有ります。』
「んん?。と言う事は、
お前の中に三人の意識が共存していると言う事か、主人格は誰だい?」
『それは体を持つ娘の私です。』
「三人別々に顕現する事は出来るのか?」
『出来ますが、三つに分かれた分、力も弱くなります。』
「そりゃそうだね。ちょっと三人同時に顕現してみて。」
『畏まりました。』
お!!。ぽぅ、と淡い光に包まれたと思ったら、しっぽが二本取れて、
ふわっと大きく成ったと思ったら、それぞれ、人型に成った。
細マッチョのお兄さんは西洋の神様風に白いローブを着ているょ。
後で装備を用意した方がいいな。
お母さんは、大人の女性だね。何か妖艶な雰囲気もありますね。
巫女衣装では無いですが、白い和装に赤い縁取りが有り、力強い感じがします。
三人が私の前でひざまづいています。これ三人同じ名前じゃまずいでしょ。
名前の付け直しですか。
母さんは銀、娘は銀娘兄さんは銀治これで行きましょう。
「えーと、三人同じ名前じゃ混乱するので、別々に名前を付けようか。」
三人同時に私を見て、嬉しそうな顔をする。
親子だね、そうゆう顔は良く似ている。
まず、ギンの名前を解消してからの名づけをする?
そうすると名前を付ける前の状態になり、力が弱まり、
三人顕現出来ない可能性が有るかぁ。
同時と言う事は、変更でいいか。三人の前に手をかざし、
「我が名はルビ・ヴラド、名を変更し親愛の証として
新しい名をそれぞれに授ける。
母の名はギン(銀)。兄の名はギンジ(銀治)。娘の名はギンコ(銀娘)。
今後それぞれの名を名乗るが良い」
うっ!魔力ごっそり持っていかれた。
三匹が淡く光り、少し大きくなった?。
光が落ち着くと少し前に出て頭を下げ、手を胸に当てた。
顔を上げ、母が『我が名は銀』。兄が『銀治』。娘が『銀娘』。
それぞれに名を告げ、声をそろえて『『『私たちは授けられた名を使い、
ご主人様の親愛の情を裏切らない事を誓います。』』』
何か感動する。
「さて、その衣装だが、新しい装備をそろえようと思う。だけど、
三人が一体に成った時、三人に顕現するとき、揃えた衣装はどうなる?」
「その場に落とす?今の衣装で顕現する?」
『大丈夫です。自分の装備と認識した時点で、
一体に成る時も、顕現する時も。その装備にて出来ます。』
三人に成っている時はお母さんが主に成るな。そりゃそうか。
「三人で居ると魔力の消費はどうだい、エンスト起こさない?」
『エンストがどの様な状態か判りませんが、消費魔量も落ちますので、
戦闘でもない限り問題ありません。』
戦闘でエンスト起こすのは問題だと思うけど・・・。
「戦闘訓練とか三人、二人の共闘とか、一人の時とか、いろいろと学び、
試してみないと成らないと思うので、どの様に進めるかはAIと相談して。」
「お~い、AIマスター!」
《マスター、お呼びでしょうか》
振り向くと胸に手を当て、お辞儀をしているAIマスターが居りました。
「お!びっくりした、どっから出てくるんだ?」
「ま、いいゃ。三人の衣装、装備を三人と相談して揃えて。
それから、戦闘訓練なんかも相談してくださいな。
私が人間に混じる時までにある程度のレベルに成ってほしい。」
次話:眷属
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., あとがき ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
「」の形により、誰が発した言葉なのかをある程度特定出来る様にしました。
下記をご参考にしてください。
-------------------記------------------------
「」 :ルビ・ヴラド(ララ)
《》 :AIマスター
『』 :眷属/身内/アンドロイド
<> :人
() :心の声/念話・
〖〗 :人外/妖精/神
【】 :魔物/悪魔
〔〕 :魔法発動呪文




