子狐
子狐---------------------
子狐の居るICUに向かう。
ドクターアンドロイドに状態を確認する。
『状態はとても良いです。魔石も融合が進み、角が取れております。
もう起きても、多少激しい運動でも大丈夫です。』
「よし、名を付ける、起こして頂戴」
ドクターアンドロイドが子狐を保育器から診察台に移し、
魔力を注ぐと、ゆっくりと目を開ける。振り払うように頭を振り、私を見て、
焦点を合わせる様にすると・・・満面の笑みを浮かべ私に飛び込んできた。
しっぽぶんぶん、顔ぺろぺろ。もうめちゃくちゃ。
自分でどうして良いかわからないみたいです。
ぎゅっと抱いて、頭をなでて、お腹もふもふ。顔もふもふ。少し落ち着きました。
さて、「これからお前に名前を付けます。良いですか?」
嬉しそうに舌を出してハアハアしてます。まるで犬です。
台からおろして。額に指を当て。
「我が名はルビ・ヴラド、親愛の証として名を授ける、汝の名はギン。
今後ギンと名乗るが良い」あっ!魔力持ってかれた。
子狐が光り出し、一回り程大きくなった。
光が落ち着くと少し前に出て頭を下げ、私の手を舐めた。
少し下がり私の顔を見「オン」と鳴き、しっぽを振って、甘えてくる。
「あれ?こう言う儀式なの?ちょっとふざけ半分だったのだけど」
『マスター、それは正式な名づけ、魔物にとっては従属契約に成ります。』
「やっちゃったかな?でもいいよな。ギン!!」
「でかくなったけどこれも何かあるの?」
『魔物に名を付けると主人の魔力を、もらう事で体力魔力、全てが上昇します、
中には進化する物も居ます。』
「お~。お前何か違う種に成った?そんなわけないか。」
「そうだ、忘れてた。ギン!これ取り込めるか?」
赤い神核を見せると、嬉しそうに私の目を見て、仰向けに寝転んで、腹を見せた。
「ん?胸に当てるのか、」首を振ったように感じたので、
胸に当てると吸い込まれる様に中に入った。
瞬間、ギンが光った。神々しい、レーザー光の様な銀色の光がぐるぐる回る。
赤い光も混じり、光の乱舞の様になった。
ドクターアンドロイドアンドロイドは機能停止です。
ギンの形が崩れ、人の様な形が立ち上がった。光がすぅ~とその人型に
吸い込まれると、そこには白と赤の巫女衣装を着た女性が立っていた。
次話:名付け
 




