コンテストは一週間後
コンテストは一週間後--------------
「メイド長は何処かな?お昼の配膳の指示ですね、忙しいかな?」
手が空いた所を見計らって。
「メイド長様。お願いがございます。」
『あら、どうしたの?』
「はい、お部屋を一つ、スプーン回しコンテストの予選会場に使いたいのです」
ザワリと空気が動きます。
乙女の力すごいですね。メイド長も気が付いた様です。
ピクリとまゆが動きます。
「奥様の許可は頂いております。」
『それじゃあ仕方がないわね。スプーン回しって?』
「はい、〔ムービング〕でスプーンを回します。このように」
スプーンを手の上30cmで回して見せます。
みんな目を丸くして、口を押さえています。
『おや、綺麗ね。それでは近い方が良いでしょうから、
階段上がって右二つ目の部屋で良いわね。日にちと時間は?』
「予定は一週間後の午後2時から3時の間を予定しております。」
『わかったわ。』
(AIマスター、ポスター作って。模範演技と予選、本選。
場所と時間ね。賞品のせて名と絵も入れて。)
《承知致しました。》
おっ。出来たみたいですね。ポシェットから取り出して。
A4位のポスターですね。なかなか良い出来です。
食堂に貼らせてもらおぅっと。
「料理長いるー。」『なんだ~。』
「ポスター張らせて。奥様公認だから良いよね。」
『奥様が良いと言うなら、何も言う事は無いが、何だ?』
『スプーン回しかぁ。この前の敵討ちか?』
「器量の狭いおっちゃんやなぁ~」
『ちげぇ~。お前があいつらに敵討ちと思っただけだ。』
「やっぱり器量の狭いおっちゃんやなぁ~」
「私がいちいちそんなんことで怒る訳ないじゃん」
「あの件はステーキで帳消し。」
「おっちゃん出来んの?」『何を』
「判って聞いているでしょ。匙回しよ!
『皿回しなんか出来ねぇ』
「やっぱり」判って聞いてるね。匙回しって言ったのよ」ま、いいわ。
ここに居る子で、出来ない娘いる?
二人手を上げました。
「こっちおいでー、出来る様に成るかもしれないよ。」
「いいかい私が二人の手を掴むよ、
空いてる手の上にスプーンを乗せて、
スプーンが浮くと言うイメージを強く持って、ムービングって言うの」
「1.2.3の一緒に言うよ。1・2の3」〔ムービング〕
一人は出来たけれどももう一人は出来ませんでした。
出来た子に「もう一度、自分だけでやってみて。」
『〔ムービング〕』少し持ち上がりました。
「出来るね。あとは練習だよ。」
出来ない子に向って、
「さて君は詠唱からやってみよう」驚いています。
出来ない子は要らないとでも言われると思ったのでしょうか。
目に涙溜めてます。なぜか罪悪感が、、、。
椅子を動かし向かい合って座り、
スプーンを膝の上に置いて上げます。両手を持って、
「いいかい見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕と言うんだよ。
魔法はイメージが大切、スプーンを浮かせると強く思って」
『「1・2の3見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕」』
スプーンがふわりと浮きます。目を丸くして、口を手でふさぎます。
スプーンが落ちますが途中からふわりと浮いて、膝の上に戻ります。
「さぁ、今度は一人でやってみよう。
『見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕』
スプーンが少し浮いて床に落ちます。
スプーンを拾って手に持たせます。「後は沢山練習すればいいんだよ」
「下手な子は沢山練習すれば上手な子に追いつけるのだからね。」
スプーンを握りしめ、お目目にいっぱい涙をためて、
『はい、有難うございます。』
料理長がニタニタしてみています。
ちらりと使用人の食堂から、ダイニングルームを見ると
ご主人様たちが食事を取っています。
食事中に動き回るのは控えて、マニの所に行きます。〔テレポート〕
卵がぽわ~ン、ぽわ~んと光ってます。寝ているのでしょうか。
リズムに合わせて、魔力を送ります。ほわ~ン、ほわ~ン。
ほわ~ン、ほわ~ン。ほわ~ン、ほわ~ン。おや、起きた様です。
もっと頂戴と言っている様です。
ぽわわ~ンぽわわ~ん。ぽわわ~ンぽわわ~ん。ぽわわ~ンぽわわ~ん。
ぽっぽわわ~ン、ぽっぽわわ~ン。起きちゃったかな、喜んでいるのが判ります。
ぽわん、ぽわん。ぽぽわん、ぽぽわわん、ぽぽわわん。
ぽぽっわわん、ぽぽっわわん、ぽぽわわん、ぽぽわん、ぽわん、ぽわん。
しばらくやっていると、ねむくなった様です。
ゆぅ~~~くりゆぅ~~~くり魔力を流して。寝てしまいました。また後でね。
次話:古着屋開店準備




