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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
228/970

ムービング

ムービング--------------


食事の後はいつも通りお召列車。

運転手は君だ♪車掌は僕だ♪あ~との四人は電車のお客~~♪

とね。


お茶を頂きながら、奥様が、

『さっきの黒い球はなぁに?』

優しく聞いてくださいます。おお~~怖!


「あれはシールドと申しまして、強度は有りませんが、

 外界と遮断する効果が有ります。他の視線を気にせず、

 話し合いが可能と成ります。」


『で、何を話していたの』

ほんと、この人遠慮ないわぁ。頭は良いし、話術は巧みで、

不安感、威圧は与えないし、天性の尋問官ですね。


「不審な事がいっぱいありましたので、聞いておりました。」

『で?』だめだ、この人の前では裸にされてしまうわ。


「私が出した縫い包みに突然意識が宿るなんて、どう考えても変です。」

「それで、問いただした所、


 お屋敷の周辺でフワフワしていた小さな小さな風の妖精、

 蛍玉がルビ様の魔力により集められて、

 意識を持った。と言う事らしいです。」


「シルフの妖精なんて遊び好きで小さな子供とおんなじです。

 言う事聞かないと消しちゃうぞ、

 と、少し脅したら大人しくなりました。」


「アトラさん、あの熊、調子よく、ご主人様をだまして、

ルビ様の守護騎士なんて、とんでもない物に任ぜられてしまいましたので、

鍛えなければ成りません。」


「とにかく、〔ムービング〕が使えないと剣も持てません。」

「さぼっていたら、ひっぱたいてもいいですから、訓練させてください。」

「駄目なら、私に連絡してください。腕一本切り落とします。」


「大丈夫ですよ、私の言う事を聞く物に交換しますから。」

それを聞いた熊五郎が、慌てて走って、滑って転んで、

転がってスプーンの前に到着しました。「訓練開始!」


「アトラさんもやってみます。?剣士がこれを使えたら無敵ですよ。

 最強のズボラ魔法です。」


『私、魔法の素質ないよ。』

と言いながら乗気です。テーブルにスプーンを置いてます。


「私と一緒に(見えなき手よ我が意のままに動けムービング!)と

スプーンが持ち上がるイメージで唱えます。」アトラの手を持ち。


「1・2の3」

『「見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕!」』


スプーンが持ち上がって落ちました。

「この感じですよ、今度は一人でやってください。」


『見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕!』

少し持ち上がって落ちました。

「出来ましたね、後は練習あるのみです。」


奥様が真剣に見ています。私をチラ見します。

はいはい、判りましたよ。

「奥様もやってみましょう。」


「1・2の3」

『「見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕!」』

「ん?」アトラの時より滞空時間が長いです。


「では、おひとりで」

『見えなき手よ我が意のままに動け〔ムービング〕!』


アトラの時より高く持ち上がります。

「奥様、魔力が高いですね」。


「これが出来る様に成りましたら、離れた所に有る物を引き寄せる。

そして、手の様に物を握って動かす。

最後に剣を振る。と成ります。


そこまでいかなくても、手元に物を引き寄せるのは便利ですよ。」

〔ムービング〕がヴラド家のメイド達の間で、ブームに成り、

ちょっとした戦力に成るのはもう少し先。


「ノックです。」アトラ夢中で気が付きません私が出ます。

『お風呂のご用意が出来ました。』

部屋を覗いたメイドが目を丸くしています。


びっくりしますよね。スプーンが一杯飛んでいるのですから。


次話:マニ

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