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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
214/968

レミ

レミ------------


(AIマスター、このヌイグルミの熊に何かした?これアンドロイドなの?)

《私も驚いております。

 これはルビ様が持つ能力の一端かと思われます。》


(「この熊のヌイグルミはルビ様の眷属に

 成ったと言う事で間違いないのね。?」)

《それは間違いないかと思います。》


「しかし、生き物を眷属にするならいざ知らず、

 無生物に命を吹き込むなど、神にも等しい行為では無いですか。」


「これは死者の蘇生も・・・この先は言ってはいけません、

 思ってもいけない事です。この先は何と言ったらよいのか。」


「ご主人様には、私と言う、魔道人形と行動を共にした事で、

 ルビ様の力の一部が目覚めたと言うしかないですね。」

ルビ様は大喜び、妹が出来たとはしゃいでおります。


「ルビ様、レミの存在はとんでも無い事です。

 とのかくご主人様に報告しなければ成りません。」

ルビ様がすごく不安そうな顔をします。


「大丈夫です。ルビ様からレミを取り上げる事はないでしょう、

 でも、何処でも一緒と言う訳にはいかないかもしれません。」


「ちょっと待っていてください。」

「ルルお願い」

『は~い。』


部屋に来た途端、毛を逆立て、レミを威嚇します。

『ララ、どこの子?、何で動いてるの?。』

「ルビちゃんが名づけをしたらこうなったの。」


『じゃあ、私たちと同じ眷属ね。安心したわ。』

そこ、安心する所ですか?

と突っ込みたくなるのをが何して。


「とにかく、ご主人様に報告しなければ成らないから。

 ここ見ていて。」

『分ったわ』


執務室のドアをノックします。

「ララです」ドアが開き、ハンスが顔を出します。

「ご主人様に重大なご報告をしなければ成りません。」


『入りなさい』

「失礼いたします。」

『何が有ったのかな?』


「ルビ様の事で」と言って、ちらりと執事長を見ます。

『かまわないよ。』


「判りました。先ほどルビ様が、

 今日の昼に私が差し上げた熊の人形に

 名づけをした所、人形が動き出しました。」


ご主人様が崩れ落ちそうになります。

『その人形は、最初から魔道人形だったのかな』


そう在って欲しいと言う願望が込められた目で見られます。

でも、ここで嘘を行っては後々大変な事に成ります。


「いいえ、私の差し上げたのはただの人形でした。

 ルビ様の名づけにより魔道人形に成ったのかと思われます」


「これはご先祖様のおっしゃった

 ルビ様の能力の一部では無いでしょうか。」


『強く望めば、物が動き出す。神にも等しい、

 とんでもない能力だな。』


「はい、しかし、その能力を否定、封印するのではなく、

 人の世の為に使わなければ成りません。

 その為には教育が、時間が必要です。」


「私とリリで、その力の事、使い方、教えます。

 ルビ様は優しい子です。ですから、どうか、どうか・・・・」

涙で声がでません。


『分って居る。ララの心配している様な事には成らないよ。

 しかし、屋敷の中に居る者たちには隠し通す事は出来ないので、

 ララ、お前が出した魔道人形と言う事にしておくれ。』


「判りました。それでは、会って頂けますか。」

『分った、行こう。君たちも一緒に確認しに行こう。

 現状把握も必要だ。分かって居ると思うが。。。』


『『承知致しております。』』

ルビ様の部屋に向います。

『ナナは知っているのかな。』


「いえ、奥様にはまだご報告しておりません。」

『わかった。後からでいいだろう』

 ノックして「ララです、入ります。」


部屋に入ると、ルビ様はベットに腰掛けており、毛

布の膨らみが非自然です。思わず苦笑いしてしまいました。


ルビ様を見ると

『何も居ないよ、私一人だよ。』

自白しました。


「ルビ様、レミ呼んでください。」

目に涙をためて首を振ります。ご主人様が

『ルビ、レミを取り上げたりしないよ。お話したいんだ。』


『ほんとぅ。レミと一緒に居てもいいの?』

『私は嘘は言わないよ。』

『うん。レミ、おいで。』


毛布がもそもそ動いて、クマのぬいぐるみが出て来ます。

膝を付き、何処から見つけて来たのか、

木の棒をご主人様に差し出します。


ご主人様も判った様です。気の棒を受け取り。

セバスチャンに目配せします。


セバスチャンはご主人様の斜め後ろに跪きます。

胸のスカーフを手に取り胸から出した短剣を乗せます。


『汝レミ、ルビを守る守護騎士を任じる。

 その命と聞き替えにしてもルビを守る事を命じる。

 守護騎士レミ面を上げい。』


『守護騎士の証として、この剣を授ける。』

なぜか熊の目がウルウルに成っている様に見えます。


ご主人様の差し出した短剣を両手ではさみ持ち、

深く礼をして、ルビ様の足元に跪きます。


『ララ、後から、その剣を持てる様に、

 体に隠せるようにして上げなさい。』

「畏まりました」


『ルビ、お前の力、まだ、人前に出せない事は判るかな?』

よくわかってない様子


『後からララとリリによく教わっておきなさい。

 それから、レミはララがルビにプレゼントしたと言う事にするからね。

 ここは分ってほしい。』


『はい、お父様。』

『ナナの所へ行くか。教えておかねばなるまい。』

「ルビ様、行きましょう。」

『うん』 


奥様の部屋のドアをノックします、

「ララです。ご主人様も、ルビ様も一緒です。」

ドアが開いてリリが出ます


≪どうしたのですか≫

『どうしてもナナに話しておかねばならない事が有る。

 入れてくれ。』


奥様が、『お入りください』ルビ様がレミを抱いて部屋に入ります。

『ララ、お前から説明しなさい。』


「はい、今日、入浴後、ルビ様のお部屋に帰り、

 ルビ様が熊の縫いぐるみに名づけを行ったところ、

 クマが動き出し、魔道人形に成ってしまいました。」


「ルビ様が行った事は外に出せない為、

 私が魔道人形を差し上げた事にしました。」


「ルビ様には、私とリリから、良くお話をし、

 今後の対応を考えていきたいと思います。」


レミが前にでて、膝をつき、右手を胸に当てて頭を下げ、

最高の礼を行います。奥様は額に手を当て、


『これはララではなく、ルビがやったのね。』

「はい、」


「館の物にはいずれ周知の事と成ります、

 ならば、私がルビ様に魔道人形を渡したことにして、

 明日、皆に紹介したいと思います。」


『ララ、貴方が恐れていたことは、この事なの?』

「いいえ違います。」


「しかし、この事が連鎖した結果かもしれません。どちらにしても、

 今、ルビ様がこの能力を使うのは早すぎると思います。」


「魔力を抑えるか吸収する魔道具も考えております。

 とにかく、おまかせください。

 ルビ様に負担のかからない最善の方法を取らせて頂きます。」


『ララ、この事は、お前に任せるしかない様だ。頼むよ。』

「持ったいないお言葉でございます。」

『私はナナと少し話があるから、お前たちは戻っていいよ』


「ルビ様、御いとま致しましょう。」

『うん』

「では、失礼いたします。」礼をして退出致します。


「ルビ様、レミ抱いてください。」

『あっ、そうか』

(AIマスター、レミの改造は可能?)


《ララ様、レミは、アンドロイドに布を被せた訳では有りません。

 全体が一つの有機体の様に活動しております。

 傷をつける事はレミを苦しめるかと思います。》


「わかった。もう一つ、ルビ様がレミに名づけを行う時、

 特殊な魔力の波動を感じましたか?」


《ルビ様から魔力が出たのは感じましたが、

 特別大きくも、特殊でもありませんでした。》


わかった、ルビ様と、レミにもう少し、聞いてみるよ。

でも今日はもう遅いな。


部屋に入ると、落ち着いたのか、ルビ様が眠そうです。

全ては明日でいいゃ。


「ルビ様、今日はもう、寝ましょう。

 レミ、一緒に寝てあげて。頼むよ。」

「レミ、念話出来る。」駄目な様です。「お休み」


「忘れてた、今夜はイベントが有るはず」

「リリ姉、ネズミ達頼む。」


次話:強盗

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