ベリア
ベリア---------------------
さて、何が原因でしょう。
(「カラス!」)
(『カポネです。森から林に熊の親子が入った様です。』)
(「ボス!」)
(『はっ!親が一匹、ケガしてます。子が三匹、
体に少し傷が有りますが、問題無い様です。』)
(「わかった、私が対応します。狼、カラス、ルビ様を守りなさい。」)
「ルビ様、ちょっと問題が起きた様です。
私が対応してきますので。ここで狼達と。子犬を守ってください。」
『わかったわ。気を付けて言って来て。』「有難うございます、では」
上空へ〔テレポート〕魔力探査〔ピチョーン〕林の端ですね、
ずいぶん弱っている様です。〔テレポート〕〔魔眼〕
母熊の正面に出ます。母熊はびっくりした様子でしたが、
すぐに下を向き、諦めた様に、
(強きお方、私の命と体を差し上げます。
どうか、子供たちを助けて下さい。)
どこかで聞いた様なセリフだなぁ。
(「あなたの命も、体もいらない。子供も助ける。」)
〔ハイヒール〕熊たちの体が光に包まれ、傷が、魔力がどんどん回復します。
この熊さん魔力高い、絶対、眷属にほしい。
(あなたは神ですか、魔王ですか?どちらでも構いません。
回復して頂いた代償に何をすればよいですか。)
(どんなことでも致します。魔物にも、ゾンビにも成ります。
ただ子供たちは普通の熊として野に放ってください。)
(「私は神でも悪魔でもましてや魔王でも在りません。
小さな子供を野に放てば生きていけないのでは?」)
(いいえ、先ほどは子供たちもケガをして動けない状態でした、
それが回復したのです。これで死んでも運命でしょう。)
(私は貴方様の恩義に報いなければ成りません。
どうか私の願いをお聞きくださるようお願い致します)
(「私の願いは貴方達親子を私の眷属とする事です。
未来永劫私を助けてくださいますか?」)
(この上、私たちを強き御方の眷属にして頂けると、
やはりあなた様は神なのですね。いいえ、否定されても結構です。)
(私たちにとっては間違いなく神なのです。
眷属の件、有難くお受け致します。)
(AIマスター熊用のマジックバックと魔力タンクの付いた鎧一つおくって。
《承知いたしました》)
(「それでは名づけと使い魔の契約をするけど小熊は、
おにいちゃん、弟、妹でいいね。」)
小熊の頭を触りながら確認します。((((はい。))))
こいつら魔力高いから、
ポーション飲んでおかないと大変な事に成りそうです。
魔力ポーションの一番高い奴を飲んでおきます。
(「我が名はルビ・ヴラド、親愛の証としてそれぞれに名を授ける、
母の名はべリア。兄の名はタロン。弟の名はジロン。
娘の名はハンナ。今後それぞれの名を名乗るが良い」)
(「生涯、お前と共に生き、お前にとって不利益な命令はしない。
友として一緒に歩んで欲しい。」)
うっ!魔力ごっそり持っていかれた。
四匹が淡く光り、体が少し大きく、毛色も少し白く成った様な気がした。
目にも光が宿り、知性を持った様だ。
光が落ち着くと少し前に出て一度頭を下げてから顔を上げ、
母が『我が名はべリア』。兄が『タロン』。弟が『ジロン』。娘が『ハンナ』
それぞれに名を告げ、声をそろえて
(『私たちは授けられた名を使い、
ご主人様の親愛の情を裏切らない事を誓います。』)
(「さて、お前たちの基本能力だけど、私と同じ、
不老、超再生、念話、感覚共有が与えられました。)
(つまり、年を取らない、けがはすぐ治るけど死ぬ事はある。
遠くに離れていても眷属同士の会話が可能。
お前達が見た物を私もみる事が出来る。と言う事です」)
(「べリア、お前に私の権能の一部を与えます。その前に、
これを着てください」)
べリアの前にしっかりとした革鎧を出します。
次話:ベリアの革鎧




