◆就職~仕事~結婚~
◆就職~仕事~結婚~
「あれ?早回し。私の意識が離れて自動運転?
あれよあれと、見る間に就職。一流企業で良かったじゃん。」
「医師と話したり。薬剤師に説明したり。
事務系と価格折衝・・・。何気に充実してない?」
「あれ?こいつ彼女居ないのか?。休みや休日、時間を見つけては勉強してるよ・・・。
知識量はずごいけどさみしくないか、おい!」
「仕事が面白いらしい。医者に感謝され、この前は患者にまでお礼を言われ、
激感動したみたいだ・・・。当分彼女は無理かなぁ。」
「早回しで10年くらい経ってる。彼女は出来たみたいだけど、仕事が忙しくて、
面白くて、かまって上げないので、振られたみたい。
そりゃそうだよ、もっと女を知れ!!」
「もうすぐ40じゃん.。つって、私はいくつだ???」
「私もこっちの世界を勉強しなくては、向こうの世界で役立つ産業革命、錬金術、
窒素肥料と硝酸を作れるハーバー・ボッシュ法なんて世界征服出来るでぃ」
「向こうの世界には何も持っていけないから、覚えるしかないんだよね。ん!!?。
いや、何か考えがおかしい。私は今、どこに居る?
次元を超えた佐伯拓海の世界?それともAIの中?」
「絶対AIの中の世界だよね。今思いついた産業革命や、錬金術の方法は
AIの中に有れば、回復プログラムが終了した後で引き出せるけど、無ければ、
今覚える事さえ出来ない!!。」
「とすれば、今、このAIの中で私がやる事は、どのような情報が有用かを学ぶ事
ですね。AIの中にすべての情報が有ると信じます。ほんと、お願いします・・・。」
「少し休ませないと駄目ですね。体を動かす事、知識の宝庫であるラノベ
異世界転生冒険物を読ませないといけません。
その為には仕事を少なくする必要があります。」
「早回しを通常スピードに落とすにはどうすればよいのだ?。
お~~いAI、早回し停止しろ~~。」
「お!ゆっくりに成った。今は自室で書き物?。仕事じゃん。
良し、同化する。んっと、知識を寄こせ。こりゃすごいね。
私が男に成るとこんなに仕事するのかね?」
「役職は課長クラスだけど、現場が好きで、外回りしながら管理職の仕事って、
無理でしょ。今持って居る外回りの仕事を部下に卸す。
部下を使うのが管理職の仕事です!!」
「自分の時間を作って、体つくりと休養。ラノベ読む!!」
「方向性を作ってやれば、早回し、自動で任せられますね。」
「現状では早死にしますよ!。体を鍛えなさい!。頭を柔らかくしなさい。
ラノベを読みなさい!。実家にも何年も帰って無いでしょう!。
部下を上手く使いなさい!。」
「少しの間、いつもの高速早回しでは無く、倍速再生位でみましょうか。
倍速再生開始、・・・・通勤時間はスキップでいいよ。
ねぇAI、必要な所だけ再生できない?。」
「日付と時間も右下に表示してよ。」
「おぅ。見やすくなった。」
「日付で見ると思考変革の指示を出してから3か月位経ったかな。
おっ、部下が増えてる。今まで予定課内人員以下で行っていたけど、
自分の体が壊れると、直訴したみたい」
「大事にされているなぁ。普通上役に言ったって人はすぐには増えないのにねぇ」
「気持にも余裕が出来たみたい、
今は電車を使わず、歩く事を主体に体を作っているみたい。」
「実家にも行ってきたみたいだ。狐と蛇に会ったかな?
都会じゃ見守り出来ないだろう。」
「自宅にラノベが増えている、それも異世界転生冒険物!!」
「そうか、これが回復プログラムの使い方なんだ。何か育成ゲームみたいだ。」
「彼女が出来る様誘導してみようかな~。ん?今何歳だ?何歳で死ぬんだ?。
わからない。来てみないとわからないと言う事か。」
「彼女を作っても子供が出来たら、未練を残す。いやAIの中だから違うか・・・」
「すべてはデーターと成り、「0」と「1」にに溶け込んでいく。
実際に向こうの世界に子供は居るのか?」
「子狐と蛇に聞ばわかるか。ん?あいつらしゃべれるか?。
YES、NO位は出来そうだな。言葉は理解できるようだし。」
「彼女の件に付いては自然に任せる事にする。AIよ、勝手にやってくれ。」
「AI。後はスキップと早回し、要所要所、節目で通常速度に戻してみせて。」
「お~~。彼女が出来たか!。まぁ高級取り出し。スタイル顔は十人並だけど、
自分の時間が出来れば、基本優しいんだから彼女は出来るさ。あれ?
何かイラっとする・・・」
「ありゃ、結婚して子供が出来たよ。生まれたよ、育ったよ、って早い。
もう少しゆっくりでも良いのではないかね。
女の子ですかぁお母さんに似てかわいいねぇ」
「もしかして、もしかして、転生後に女の子に成ったのはこの娘への未練???。
いや、考えすぎだと思う。」
「ん?職場の場面に成った。上役みたいな人に何か言われている。
何々?アメリカに出張?」
「うっつ!!!。何か背中が ぞわり とした。」ここが節目?
「アメリカ出張を回避する手段は無いか、
いやこれは回避してはいけない事、私自身の存在に拘る事。」
「会社を辞めさせれば回避可能、しかしその後の生活の困窮、私の存在の消滅。
AIの中だから消滅はしないが、強制停止かプログラムの失敗」
「今後の事を考えるに、停止は出来ない。
狐と蛇に会わせれば何か変化が生まれるかもしれない。実家に帰そう。」
「アメリカへの出発日を聞いて、有給取得帰省させる。合体するぞ~~!」
何とか、家族で実家に帰った。娘を抱いて林に入り。
雷で折れた木の前で。狐と蛇に聞こえる様に。
「これが私の娘です。宜しくお願い致します。」
それだけ言って立ち去った。
次話:◆狐と蛇




