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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
142/971

サンチェス

サンチェス--------------


「おや、ではお名前と、事情を話してください。」


<俺の名はサンチェス、冒険者だ、酒場で一人で飲んでたら、

 いい女が寄って来て、意気投合して、

 河岸を変えて飲みなおそうと言う事に成ってな。」


「女の知っている酒場とかに入って飲みだした後の記憶がねぇ。

 気が付いたらベットの横に女が寝てらぁ。

 やられたと思ったが、もう遅い。


 強面のお兄さんが出て来て、証文ちらつかせやがる、

 御大層に俺のサイン入りだ。

 今度の仕事の協力してくれれば、帳消しってな。>


「なにか、同情余地は有るのかなぁ。自業自得の様な気がするなぁ。」


<勘弁してくれ、俺は真っ当な冒険者だ。

 しかも強盗には加担してねぇ、事情を知らず付いてきただけだ。んん?

 あんた一人でオーク狩って、俺たち治療してくれたメイドさんじゃねえか?>


<すまねぇ、また迷惑かけちまった様だ、面目ねぇ。

 一度は助けてもらった命だ、あんたに預ける、好きにしてくれ。>


「けっこう好きですよこういう お馬鹿さん」

<え?何か言いました?>

(AIマスター隷属の腕輪もう一つ送って。《承知致しました》)


「いいわ、犯罪奴隷にはしない、その代わり、これ、はめて。

 これは隷属の腕輪、私の事を裏切ったら。

 まぁ、生きては行けないでしょうね。」


「特に拘束はしないわ、今まで通り生きていればいいわ、

 但し、悪事に手を染めたら許さない。

 私から指示が有った時は最優先で協力してもらう。」


「いいですね。」<分かった、はめてくれ。>「自分ではめなさい。」

「その子に乗って来て。〔テレポート〕」ロバート達は出立した様ね。

(「フランクとトリオ来て。」)飛んできて、荷馬車の御者台に止まりました。


(『ご主人様、何でしょうか。』)

(「これを付けてみて。」)

(『どうやってつけましょう。??』)


(「翼の先か、足でちょっと触れて、付けるとか、

 装着とか念じて、魔力を少し流して。」)

(『『装着』』)(『『おおっ、これは、遠くが見えます。』』)


夢中に成ってあっちこっち見てます

(「これはね、・・・話を聞く!!」)

喝が入りました。二羽は気をつけ です。


(「これは暗視メガネですが望遠にもなり、自動光量調節も付いてます。

 つまり、夜も昼も良く見えてまぶしくなく、遠くも見えるメガネです」)


(「試しに使ってみて、但し、視野が少し狭く成ります。

 後望遠を使いすぎると遠近感が狂い、危険ですから注する事。」)


(「分かった?」)

(『『はいマスター』』)

(「まったく、カラスはこういう所調子良いよなぁ。」)


「サンチェスが来たので、そろそろ行きますか。」

「サンチェスその馬、私が乗るから、あんた適当な馬選びなさい。」

<へい、この馬にします。>


「じゃあ、出発」

(『姉さん、姉さん、』)

ん?これはカポネ?姉さんですか・・・。


(「どうしたの、」)

(『指定の家に行きましたが、誰も居ません。

 テーブルに食い物が出しっぱなしですから、かどわかしですね。』)

(「ありがとう、助かったわ。巣に戻っていいわよ。」)


馬をサンチェスに寄せて、サンチェス、貴方今回の仕事のボス知ってる?

<今日の仕事の(あたま)は知らねえが>一人の男を指さして、


<あいつは、街の裏稼業をやっている奴だ。今まで立ち回りが上手く、

 しっぽを出さねえんで、 捕まえられなかった奴だ。>


「あいつの名前は?それからそいつらの事務所、

 出入りしている所、知ってる?」


「それから、バレンと言う名前も知ってる?」

<何であんたがその名前を?。>


<あいつはテイン、サラマンダーの外側と言うか、

 今回みたいな強盗みたいな荒事を受け持っている。

 サラマンダーてのはあいつらが勝手に自分達をそういっているだけだが。>


<バレンは内側、賭博、博打、詐欺、誑し込み。などが担当だな。>

<総元締めは俺も知らない。>


「サラマンダーの場所を知りたい。

 ジミーの家族が、攫われて、売られるらしい。

 本当なら、サラマンダーを潰す。」


<サラマンダーの根城は街の北の出入り口のそばだ。

 火トカゲの看板が上がっているから、行けばすぐわかる。>

「ジミーは妻子を借金の方にしたのかな?」


手綱をサンチェスに預け、ジミーの所に飛びます。〔テレポート〕

ジミーはびっくり、「寝てた?」<寝れませんよ。>


「ごめん、所でジミー、借金の方に妻子売りますって

 証文書いたの?、サインしたの?」


<してません、書いてません。いくら私が馬鹿でもそこまで落ちてはいません。>

「本当だね、あんたの家族がサラマンダーの事務所に監禁されているらしい」、


「此れから、違法監禁で、あいつら縛るけど。もし、

 証文に売るとの文言が有るとこっちが不味い事に成る。」

「本当に大丈夫だね、」<サインした証文は確認してます。>


「駄目押しが欲しいなぁ、あいつら証文何処に隠しているんだろう」

<この前、証文出してきたときは、事務所の机の後ろの大きな金庫でした。>


「どれ位の大きさ?」

<横はこれ位、>「1m位か」

<縦は俺の肩位>「150cmだな。」


「色は?」<黒です>

「だけど、違法賭博の証文なら証拠には成らないし、

 かどわかしは元々犯罪だし。」


「大丈夫、貴方の家族は私が必ず助けるからね。」

それだけ言うと馬に戻ります。


次話:ロシナンテ

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