独り
独り----------------
外に出ると自分の部屋へ〔テレポート〕
何で急に悲しくなったんだろう。
ああ何か嬉しかったんだ、
少し優しくされて、娘みたいに思ってくれるって、勘違いして。
オーク上げるって、言ったのも、何の見返りもいらない、
家族ならって思って思ってしまったんだ、
だから、(幾らだ)って聞かれた時、突然、他人で有る事を突き付けられて・・、
訳が判らなくなったんだ。ばかみたい私。
うぅ、涙が止まらない。体が震える、怖い怖い、前も有った、こんな事、
あの時はギンが居た、もう。誰も居ない、独りだ。怖い、寒い、・・・。
何処かに落ちていく、暗い、寒い・・・。
どれ位経ったのだろう、温かい、誰かが抱いてくれている。
温かい、嬉しい、また、涙が出る。「かあざん・・・。」「かあさん・・。」
『やっと体の力が抜けたわ。もう少し、こうして居てあげるわね。』
『誰も出来ない事を、誰にも言えない事を、独りで必死にやって、・・・
でも、この子は10歳の女の子なのよ。』
『わたしをお母さんって何度も呼んだわ。
この子に何をさせようと言うの、この子の秘密は何なの。誰か教えて。』
奥様も大粒の涙を流して、悲しんで、いや悔しがっています。
ルルが傍に来て、頭を垂れています。
『ジジ、助けて。奥様に伝えたい、ララの秘密、真名を。』
ジジが何処からともなく現れて、ララの横に座ります。
『ルル、それはララが言う事だ。俺たちに出来るのは傍に居る事だけだ。』
コンコン、ドアがノックされ、『私だ』ご主人様が来ました。
ドアを開けて入ってきました。
『ララの様子は?』
『やっと落ち着いたわ、もう大丈夫だと思うわ。』
『あなた、教えて、この子の秘密を、
こんなに成るまで一人で頑張って、この子は一体・・・』
『私も詳しくは知らない、だが、この子は眷属を従える事が出来る、
しかもほとんど無尽蔵かもしれない。』
『この事からも、我らの眷属で、とても高位の者だと推測される。
その様な方、ララがルビを守らなければ成らないと東奔西走している。』
『しかし、何を成そうとしているのか、何が起きるのか、教えてはもらえない、
何か約定が有るのかもしれない。』
『想像出来るのは、この子は、ララは本来ここに、
この世界に居てはいけない存在かもしれない。一人ぽっちでな。』
『だから、この子がここに、私達の前にいる時だけでいい、
ナナ、この子の母親に成ってやってくれ。』
『もちろん、そのつもりで、居るわ。だから、リリ、パトラ、今日みたいに、
この子の様子がおかしい時はすぐ呼んで、
きっと、寂しくて、心が泣いているせいだから。』
『『はい、奥様』』。『ルル、ジジもお願いね。』『『にゃぁ』』。
『疲れて、ぐっすり寝ているみたい、
リリ、今日はもういいわ、あなたはララを見ていて。』
ララを寝かせて、奥様とご主人様は帰ってゆきました。
次話:ギルドが大騒ぎ
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., あとがき ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
「」の形により、誰が発した言葉なのかをある程度特定出来る様にしました。
下記をご参考にしてください。
-------------------記------------------------
「」 :ルビ・ヴラド(ララ)
《》 :AIマスター
『』 :眷属/身内/アンドロイド
<> :人
() :心の声/念話・
〖〗 :人外/妖精/神
【】 :魔物/悪魔
〔〕 :魔法発動呪文




