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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
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転生前

転生前--------


「AIマスターと復帰プログラムの検討をしなくちゃ」

メイドアンドロイドにAIマスターを読んでもらう。

直ぐにAIマスターがやってきて、お辞儀をする。


「いつもはやいな~。今度どこ居るか来てみようっと」

《マスター復帰プログラムですが、その前に今はお忘れに成っている

 大事な基本事項に付きましてお話しなければなりません。》


「なんだ、ずいぶんかしこまったきがするが・・・」

《マスターは二回ポッドに入って頂く事に成ります。》


《マスターは転生者です。この世界とは異なる星か次元か判りませんが、

 そこで死んで、以前の記憶を持ったまま、此方の世界に生まれ変わったのです

 その時の記憶を取り戻すのに一回。》


《二回目は、ルビ・グラドとして転生して、何者かに害されるまでの記憶です。》

《一回目は転生前の異世界での記憶ですが、以前は年配の男性だったようです。》


「げぇ!。私は男だった...。しかも、おじさん!!。

 やだ、おじさん嫌い。くちゃい。」


「転生前要らない、必要ない。記憶戻すのやめましょう。

  戻さないで済む方法を考えましょう。!!」

 パニックです。今にも逃げ出しそうです。


《戻さなければ、マスターの大事な者達の記憶が失われ、

 ご両親の事にも齟齬が発生し、違う人格、いや、

 消えてしまう事にも成り兼ねません。宜しいのですか?》


「ぐぅ...。」


《ここの施設は、マスターが生き延びれるようにと、夢を達成出来る様にと

 マスターを愛したご両親、ご先祖様が用意した物のではないですか?》

「なぜ、その事を今ここで言わなければ成らないのですか?」


「治療ポッドで記憶をもどしている時で良かったのではないの?」

《納得したうえで記憶を戻さなければ、治療に支障がでる可能性が有ります》


《特に大きな衝撃の内容は受け入れを拒否される事が有り、

 その先の記憶に齟齬が発生します。》


《そうなると、行動、思考に矛盾が発生し、

 緊急退避以前の状態に戻る事が出来なく成ります》


「たとえ以前の状態に戻れなくても、

  絶対に受け入れられない事も有ると思いませんか?」


《私は、その場合は、リスクを提示し、

  納得されるよう努力する様支持されております。》

「誰がそのような支持を出したのですか?」


《緊急退避をする前のマスターです。》

「でしたら、今、貴方のマスターである私がその指示を撤回致します!。」


《マスター、申し訳ありません、

 その指示は受取らない様、プログラムされています。》

「では、プログラムを変更する方法を教えなさい!。」


何故かAIマスターがニヤリとした様な気がした...。

《プログラムの変更を学習するには、

 復帰プログラムの終了が義務付けられております。》


「うぅ!!。やられた。抜け道つぶされている。いや、質問を誘導されている。」

「退避前の私とAIのタッグに、今の私がかなうはずがないわね」


《落ち込む必要は有りません。

 すでにマスターは衝撃が一番大きいと思われる記憶を知ったのですから》


「緊急退避前の記憶を取り戻した場合、

  今の私、女の私の自我が消える事は無いの?。」


《それは有りません。記憶を取り戻す事により、幼い少女が大人に変化する様な

  自我の成長は考えられますが、他の自我に変わる事は有りません。》

「つっ!。現状では私はそれを信じるしかないのですね。悔しいです。」


《退避前のマスターは知らなかった事ですが、

 安心して頂くためにもう一つ情報を差し上げます。》


《マスターが助けた狐と蛇ですが、

 前の世界でマスターを守護していた者たちです。》

「えっ?。どういう事?」


《マスターが前の世界で行った行動、

 転生した理由等あの者たちが関わっています。》


《今回、マスターの危機を感じ、

 全てを放り出して此方の世界に飛び込んできた様です》


《全く、無茶をする。この件関しては今は此処までしか話せませんが、

 あの者たちは身を挺してあなたを守護する者たちです。》

AIマスターの話を聞くと目の前が曇って来てしまった。


「・・・なんで涙が出るの・・・」

「ずるい。これは、あの子たちを知る為にも、

何が有っても復帰プログラムを終了させなければ成らないじゃないですか...」


「いいわ。やるわ。私が私であるために。でもきっと退避前の私には戻らないわ」

「他に聞いておくことは有る?」


《いいえ、この件をクリアされれば、強い気持ちを持って

 復帰プログラムを行って頂けると思っておりましたので。問題有りません》


《プログラム終了後、緊急退避前のマスターと

 異なるマスターと成られたとしても私AIマスターはマスターに従います。》

「それではこれからの復帰プログラムに付いて説明して頂戴」


《はい、これから行うのは大きく二つのパートに分かれます。

 一つ目は過去の世界での誕生から死亡、転生までの事。此方の世界よりも

 魔法が無い為、科学が進んでおり、ために成る事が多いと思います。》


《二つ目は此方での再誕生からご両親が何者かに害され、

 その後、今回のLV9で緊急退避するまでの事 と成ります。》


「期間は?。休みは?。一つ目はどれくらいかかる?。

 子狐が2週間くらいで目を覚ますし、杖の事も有るので、

  その頃に一度帰ってきたいのだけど」


《復帰プログラムの一回目、記憶回想、再体験の部分は早送り、全てポッド内で

 行えますので、休みなしで、二週間くらいで終了すると思います。》

「休みなしか...。でも問題無いな。」


「そうだ、子蛇のクローンを作る話は中止させておいて。卵を孵す事に全力で

  取り組むよう伝えて。さっきの話を聞いて、卵が絶対孵ると確認したから。」

《復帰プログラムの開始は明日からで宜しいですか?》


「いや、今から始めようか。」

REVERSE ROOMに行く途中、歩きながらAIマスターと話をする。


「ところで、私はダンピーラの様だけど、血への渇望が少ないし、

  体に異常も起きないが、対応しているのかぃ?」


《はい、対応させて頂いております。血への渇望と申しましても。血に含まれる

 魔力を求めているので、魔力を切らさない様にすれば問題ありません》


《血には強い魔力が含まれておりますが、

 特に人の血液で無くてはいけないと言う事は御座いません。

  更に、口から接種しなければ成らないと言う事も御座いません。》


《口から蛇の様な牙を刺して吸引する、唾液に含まれる魔力を注入し、

 眷属、奴隷にする。などと言う事は迷信です。ご安心ください。》


「でもねぇ。血を見るとドキリとす渇望感が有るし。

  飲むと、元気に成るし,,,。欲しいと思うんだけど。」

《思い込みです。慣れてください。》


「一刀両断かい!。」

REVERSE ROOMに到着しました。

「思うんだけど、これ、治療カプセル?名前はなんていうの?」


《これはREVERSE PODです。》

「それでは、っと。服脱いで、ポイポイっと。行ってきまーす。」

「ドボン、と、酸素マスクをして。さ~~来るぞ、来るぞ...。うっ...。

 チューブを入れられるのは慣れないなぁ」


と、思っているうちに眠りに落ちた。


次話:◆佐伯拓海

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