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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
10/966

杖-----


「最後は杖だな、

そういえば感じが少し変わった様な気がしたが。取りあえず行ってみましょう」

自分の専用ROOM(VIP Room)に向かう。


部屋に入るとメイドアンドロイドが控えており、お茶の用意を頼んだ。

ソファーに座り、横に立てかけてあった杖を取る。


「う~~ん、拾ったときは枯れた枝だったけど、今は一番上が

  くるりと丸まって真ん中が薄っすら光ってる、完全に魔法使いの杖だわ」


「さて、強めに魔力を込めると、精霊が飛び出すかな?ふふふ、

  やってみましょう。それ!ん~~~ん!!。」


「おっ!結構魔力を持っていかれる。何か魔力で綱引きしているみたいだ。

  この~~!負けないぞ!!」

「んん~~ん!!。えいっ!!」


力いっぱい魔力を込めるとポンとバービーちゃん位の大きさの子が飛びし、

向かいのソファーにぶつかって跳ねて床に転がった。

妖精が、〖痛いじゃないかー!〗


「開口一番、文句ですか。こりゃ自己中の妖精に間違いないわ。」

「でも変だな、杖の中に入ってもらったのは水の小妖精、蛍玉のはずだが?

  君は誰だい?」


〖わかんないの!?あんたを助けた水妖精と、雛を預けた木妖精の合体、

   スペシャルバージョンじゃん!!〗

「え???。」


驚いて開いた口がふさがりません。

「精霊が合体??そんな事、聞いた事ないですよ!!。駄目だこりゃ。」

メイドアンドロイドにAIマスターを呼びに行ってもらった。


ドアの後ろに隠れていたかと思うほどあっという間にAIマスターが来た。

《マスター、如何なさいましたか?》

妖精を指さし「あれ、何」


AIマスターは、さも初めて気が付いたかの様に

《おやおや、これは珍しい。二つの属性を持つ妖精ですか》

妖精が偉そうに無い胸を反らせた。


〖水の妖精ちゃんが入って居る木の枝を見つけたから、

木の妖精ちゃんが入って来たの〗

「なんか言葉が変、その体に二つの人格が入って居るのですか?」


〖そんなの有るわけないじゃん。私は私よ。〗

目がロンパリに成ってる。

《しっかり馴染んでいるわけでは無いようですね。》


《状況からすると、ご主人様の魔力を込めた杖に水の妖精様が宿って居た、

 そこに木の妖精様が来て杖に入り込んだので、融合してしまったのですね。》

妖精はこくこくとうなづく。


《マスターの魔力が触媒に成った事は確かですが、

 それだけでは融合出来るとは思えません。》

マスターAIが床に転がっている杖を拾い上げると。


《これは世界樹の枝ではないですか。それも端切をしていない一本物です。》

《原因はこれですね、これとマスターの魔法が原因ですか...。

 いや、それだけでは無いですね。共に何か共通の思いが有ったのでは?》


〖〖私はあなたと一緒に居たかったのです。〗〗

「二つの声が綺麗にハモリましたけど。体が一つでハモる???。」


《貴方がたは、水の精と木の精、二つに分かれたいですか?

 別れる事も可能ですが、力が半分以下に成るので、妖精、蛍玉に戻りますよ》


〖〖このままでいい。力が弱くなるのはいや!。〗〗

《それでは、杖の中に入って頂き、ご主人様に魔力をたっぷり注いで頂ければ、

 二週間くらいで落ち着くと思います。》


「では、魔力を入れるから杖の中に戻って頂戴。」

〖〖は~~い!。〗〗

妖精が杖に戻ると上の丸まった所の真ん中が黄緑色に ぽわり と明るくなった。


「さて、魔力を入れますか。ん~~ん!。さっき いっぱい入れたはずなのに、

  ずいぶん入るな~。満タンにするぞ~!。んん~~~~ん!」

「これで満タン!!。つかれたわ~~。」


次話:施術後

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