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8 魔王さまはズッ友です

時間は王宮を脱出した次の日。辺境を出発してまだ2日目です。

「おっはよーマナちゃーんむかえに来たよー!」


翌朝、ご飯をもぐもぐ(パンだけどな!)してる私たちに迎えが来た。


食堂に響き渡る幼い声。


銀髪緋色の目の美少女が、入口に仁王立ちしてた。上品な紺のワンピース姿は、お貴族さまにしか見えない。お忍びにすら見えない。周りびっくりよ?


私と同じくらいの年に見える美少女は、ニコニコと近寄ってくる。その後ろに、フードをかぶった男の人。背高いなー。


「リトちゃんひさしぶりー。おはよー、これからいくとこだったんだよー」

「だと思ってたよーん」


お茶だけ頼んだリトちゃん。こう見えても魔王さまである。ホントは子持ち美女さんだけど、大小どんな姿にもなれるらしい。


私との初対面もこの姿だったな。魔の森で迷子になってたとこ助けてもらったんだけど。魔王さまって聞いてやっぱりなーとも思ったよ。


纏う雰囲気と魔力が半端ないお子さまなんて、そういないからね。


「で、どうしたのー?」

「それがさー、家今ちょっと騒がしくて」

「あ、ふたごくんうまれだだよねー(たんだよねー?)、おめでとー」

「ありがとー。うん、それなんだよ。その双子の嫁問題」

「うまれてすぐによめとかすげーね」

「それな」


お茶を持ってきたお姉さんにありがとーとにっこりして悩殺したリトちゃんは、ふうふうと冷まして飲むと、こてりと首をかしげた。


「てか嫁候補が竜族で(つがい)が双子で双子も嫁候補を嫁にしたいんだと。なにが問題なんだと思う?」

「どこにももんだいなくそーしそーあいでうらやましーでおめでとーなじたいでないの? だれがよこやりいれてるの?」


むしろ今の問題は、リトちゃんが美少女っぷりを発揮しすぎて周りを悩殺してることだと思うよ?


「双子狙いのハイエナ?」

「そらまたにくしょくじょしこえー」

「ほんそれな」


魔王城婚活パーティー中ナゥってやつか。殺気立ってそうだな。


「しばらく女の子はいいやと男の子にしたらこれだよー。もう産まんわ」

「リトちゃんのいでんしさいきょーだもんねー」


旦那さまもイケメンの美男美女の子供に不細工などありえない件。


「マナちゃんの婿にしてもらうつもりだったのにさー」

「イケメンはかんしょうようにかぎる」

「マジ同意」


ふう、とため息をついたリトちゃんはやっぱり周りを悩殺。あちこちに赤いお花が咲いてるよ、わぁきったなーい。てか、そろそろここから離れないと犯罪者が集団行動しやがるぞ。


「うん、だから別宅にご案内でよろしー?」


別宅なんてあったんかい、とツッコむ頃には移動魔法が展開されてましたとさ。


ご飯代はロリコンがテーブルに置いてきたそう。よくやったぞロリコン。食い逃げ、ダメ絶対。



魔王さまはあちこち出張されとりますリトさんです。ムーンさんが本編です。

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