表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/23

7 そうして逃避行は始まったのさ

マナさん視点に戻ります

 家族以外には正しく『氷の魔術師』さまっプリを発揮した父による、ほぼ一方的な期間限定大特価セールたたき売りだぜお得だろ? な圧迫面接が行われてる頃。


 私たちは森の中を低空飛行していた。


 崖から飛んだあと、ドレスのスカートを膨らませてパラシュートもどきにして、落下の勢いを殺し、気球もどきにシフトして横移動。我ながら素晴らしい魔力操作だねー。


「お嬢、もうすぐ森が終わるけど」

「じゃぁそろそろおりようか。きがえないとめだつよねー」


 私のドレスの裾をつかんでぶら下がってるロリコンは、あいよーと返事をするや手近な木に飛び乗った。


 私は降りながら魔力展開。空間魔法にしまってある町娘風ワンピースに一瞬でお着替え。地面に足をつけた時には、髪もツインテールに結ばれた立派な田舎娘スタイルになっていた。便利ー。


「とりあえず、田舎の商家のお嬢とお供でいいか。魔の森までの足はどうする?」

「おうまさんかってぎそーしてもいいけどー、おってがめんどーだから、にんしきそがいしてはしるかとぶー」

「休憩なしはさすがにつらかとん。旦那とお嬢しかできんよあれ」

「ちょーはやくていいのになー」


 そういえば、置いてけぼりにしたお供たちはどの辺にいるだろう。帰りに父に会えるかな、会えるといいね、無駄な出費のトンボ帰りだな。収支報告書は父に任せようそうしよう。


 夜は宿に泊まることにして、昼間は出来るだけ移動することにした私たちは、近くの街でお昼ご飯中。野菜のスープリゾットはちょっと味薄めなのねー、塩もそれなりなお値段するしな。


「街いっこ移動して今日は終わりかな」

「そのころにはおとーさまからおへんじくるよねー」



 父からの返事は、夜寝る前に来た。氷の鷹とか無駄に凝ってるー。


 それによると、私の強制召喚は国王の仕業で、拉致監禁は王妃と女官の暴走とのこと。なんでも想いあっていたのに引き離された(王妃)たち(?)の子供が、私たちを繋いでくれるのだ、と宣ってるそうな。


 私たちって誰だよ? 王妃と国王? え、王妃と父なの? ありえないんですけどー。誰が見てもどこからどう見ても、母さま一筋他は目に入りません例外は子供だけですがなにか? な父が他の女の人とか、なんて無理ゲー。


 まぁ、顔はいいから一方的に好かれてんだろうけど、まさかの王妃とか。国王それでいいのかよ。え、いいの? あ、そう。


 なんか昔から国王→王妃→父⇆母みたいな関係だったみたい。


 国王片想いかよ、憐れだなー。てか違う人選んでれば幸せだったろうに。


「旦那に迷惑がかかるから、抑止力と壁代わりも含めて王妃にしたとか聞いたよー? 子供は作らない、できても王位継承権はなしって決まってたんだとか」


 現代ならガチストーカーである。


「むかしからってこと? あるいみブレないのはいいことだけど、げんどがあるよねー。あれ、そしたらおうじたちは?」

「第一王子はうっかりだってー。第二王子は側室の子だけど後継者扱いなんだとー」


 なんというお貴族さまの闇。


 確かにお花畑の遺伝子は危険だ。なんか国王も変だもの。


 王妃という立場なら、人の目がない生活は無理だし、貴族ではないらしいので後ろ盾もない。後宮に閉じ込めとけばまあ大丈夫だろうと。そもそも王妃の子に継承権はないしなー。てか庶民なら側室にしとけよと。


 やらかしすぎだがな!


「そしたらわたしなんてしっととかのたいしょーじゃないの? じぶんのこのよめとかいみふめー」

「だから人質なんだろ。お嬢がいれば旦那を呼べるし」

「おそまつなさくせんねー。おとーさまがそんなのさせるわけないじゃん」

「王都消し飛ばなくてよかったな」

「マジそれなー」


 意外と短気なんである、父。


マナさんは父似(8割くらい。内も外も)です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ