21 春よ来い よん そして
お久しぶりです。よろしくお願いします。
結果としては、約半数がお試し同居を経ての婚姻へ。残りは家族で辺境へ移住して就職となった。
まぁ、出会いがないわけじゃないので、気長にその気になるのを待つということになるだろう。
「じゃぁ、嫁来い作戦は定期開催決定?」
「毎月はむりだから、年2回か3回の予定かなー」
「うちから派遣する文官にお見合いの方も宣伝してもらう?」
「助かります。周知徹底これ大事」
「それな」
魔王さまに報告書を提出ついでにお茶をいただく。うまー。
魔道具工場の方も小規模ながら稼働し始めて、家族で移住した人達が芳佳さん主導で修行中。
定期的に文官さんが田舎を回って、映像つきで説明会を開くことが決まってる。出稼ぎも可能なので、今まで王都とかに肉体労働しに行っていた人が来てくれるといいな。あれ賃金安いらしいし。
「学校の方は?」
「読み書きと簡単な計算は全員に学んでもらう予定。優秀な人は引き抜きたいよね」
「うちの城でも欲しいなー」
「魔族さん達に睨まれない?」
「仕事しない能無しはいらん」
「それなー」
人手不足はどこも同じである。
「あ、リトちゃんこれー」
「んー、あ、招待状?」
「お披露目会が決まったよー」
もちろん、私の激かわな弟のである。
「準備はよろしーか、皆のしゅー」
「「「おう!」」」
「よし、じゃー父、よろー」
「マ・ナ?」
「おとーさま! よろしくお願いしまっす!」
うちのオカンマジ恐。
さて、お披露目会といっても立食パーティー形式だ。食事は庭に、弟は母に抱っこされて中でご挨拶。起きてても寝てても可愛いうちの弟に、お客さまもメロメロである。
金髪金眼の弟は母似だ。将来美人になることだろう。私? 父似なんだよ聞くなよイケメンに似たって嬉しくないわ。
「マナちゃーん、来たよー」
「リトちゃん、いらっしゃーい」
弟の名前はレオリマス・フェイクストークになった。略称はレオ。長い名前は多分しばらく呼ばれない。本人が頑張って記憶してもらうしかない。
私? レナーリマナ・フェイクストーク。5歳。フェイクストーク辺境伯家の長女である。たまに忘れてるがな!
てか、五歳なのに色々ありすぎじゃない、これ? 誘拐未遂やら電波とか独立やらホントもう色々とさぁ。
「でも暇よりマシなんじゃない?」
「ホントそれなー」
ヒマなしの魔王サマが言うと説得力あるわー。
確かにヒマは嫌いだ。まだまだやることあるし、やりたいこともたくさんでてくるだろうし、出会いだってあるだろうし、うん。
「未来は不確定だからこそ楽しみ!」
「いいねぇー、楽しそうな笑顔!」
子供だからね! 楽しいことだけ選んでいいお年頃を堪能しない手はないよね!
「おじょー、食べないのー?」
「食べるー! リトちゃんも行こ!」
「うん!」
まだまだ人生これからだもんね! やったもん勝ちだ!
「やろーども! いっくぞー!」
「ぎゃー!! おじょー料理飛ぶー!!」
「マナー!!」
うちのオカン、まじ怖。
一応ここで完結つけておきます。またそのうち。
今までありがとうございました。




