19 春よ来い に
果たして辺境に春は来るのか(笑) 続きます。
春よ来い作戦は順調に走り出した。
交渉術に長けた文官さんたちを、護衛つきであちこちの農村に派遣。
説明して納得した上で、嫁候補には来てもらいたい。花街に売られるか辺境に売られるか2択なんて思われたくないしな。
納得できないなら保護者同伴もありだと、むしろ一家総出でおいでませ。隠すものなんて奴らにあっても私にはないからさー。
その間に、うちの脳筋野郎共にも耳タコ状態まで、来るのは嫁候補のか弱いお嬢さん達であって、家政婦でも娼婦でもないことを刷り込んでおく。
もしそんな態度をとった日にゃー、私の拳が唸っちゃうぞ☆ と地面に穴を開けといたので、理解して貰えたはずだ。てか、脳筋なんだから嫁の尻に敷かれとけよ。
もちろんお試し後に向こうからお断りされたら、素直に引き下がることを誓える者だけに、お見合い参加の許可がおりることも通知済。この場合、誓いは魔法によるものなので、破ったらまぁ、怖いことになんぜーふっふふふ。
あと、住民みんなでの移住に関しては、リトちゃんの魔道具工場を作りたいという希望があって、従業員が必要になるからだ。
魔族は従業員には向かないそう。やりたいことしかしないからだって。お仕事に熱心な人間大募集ー! もついでに告知して家族離れ離れにならない方法としてさりげなく売り込んでこい、とお達しがあった。難易度C。
いい手応えと、詐欺扱い、人買かと追っかけられたりと色々あったらしい(報告書によると逆に婿にと請われたケースも)が、ある程度の予定人数になったので、第一回目のお見合いが開催された。
積極的な娘さんが、騎士達の収入を聞きまくり、人見知りな娘さんが、野郎共に囲まれたり(教育的指導有り)してる中、家族で来た方々に魔道具作りを見学してもらって移住を検討してもいいという人には、別室で詳しく説明。
最初だからと、人数を20人にしといてよかった。ひとりに多勢では引かれるだろうし。
中には移住しての魔道具作りに興味を示すお嬢さんもいたので、ご近所さんになれば出会いもそこそこあるだろう。そう言うひとに無理強いはしない。
ガチバトルで最初の20人になれた、奇跡の男達は必死にアピールしてるけど、大事なのは気が合うかどうかであって、エサで釣り上げることじゃないんだけどなー。
あとで教育的指導その2だな。
「お嬢ー、ちょいとよろしいですかねー」
「なにー?」
お見合いには不参加を表明、実は魔王城の魔道具師のよっしーこと芳佳さんとおつき合いしてる、ロリコン改め涼がちょいちょいと手招きしてた。
裏方は忙しいはずなんだけど(主に参加出来なかった野郎共の抑えで)その裏方集団がなにかを囲んでるのが見えた。
「どしたー?」
「なんか勘違いした飛び入り?」
「とびいりなんてみとめてないがな?」
「だよねー。そもそも前提やら条件が違いすぎんだけど」
どんだけ? てか、野郎共なら囲む必要ないじゃん。抑え(物理)ときゃいいんだし。
涼と集団に近づいたら、真ん中から叫び声が上がった。
「わたくしのために、王都の貴公子を連れてきたのでしょう!? わたくし自ら見極めて差し上げてよ!!」
誰やん?
いや、ホント誰やん(笑)




