2 そもそもの説明をば
今年もよろしくお願いします。
そもそも、なんでこんなことになったのかという話をしたい。
私はマナ。レナーリマナ・フェイクストーク。5歳。フェイクストーク辺境伯家の長女である。長ぇんだよ名前。覚えられんし5歳児の口では噛むんだよフルネーム。
5歳児に見えないのは中身だけ。見た目はそこそこ可愛いんだぜ、信じられんけどな。
まぁ、日本からの転生者なもんなんで、中身は大人ってやつを地でいけちゃうんだこれが。
前世は確か旦那がいて子供もいた歳までは生きていたはず。記憶があやふやだけど、間違いない。死んだ記憶がないんだけど、気づいたらおぎゃーと泣いていたんだ。それなんてテンプレなの。
そんなわけで、超可愛くない赤子の誕生である。すまん、母。話せるようになる1歳後半まで、母にはほんと迷惑と心配をかけたと思う。
しかし、金髪金眼美女の母は辺境伯家を裏で支配するゴッドマザーだった。動揺とか不安とか辞書にないらしい。
母の母、私の祖母が転生者だったそうで、早々に私の状況を察してくれたらしい。素晴らしいな、母。そして結構やらかしてたのか、祖母。おまけにこの世界、転生者とか転移者が結構いるとか。なんなんだ、この世界。
なので、赤子の頃は母が一応と説明をしてくれて、聞いた私が頷いたので転生者だと確信したらしい。意思の疎通ができるようになってからは、きちんと私の意見も尊重してくれる教育方針がとられているし。マジすげぇな、母。
ちなみに祖母とは前世の話で盛り上がる文通友達だ。母の実家は王都に近いし、辺境伯家は国境と魔の森を背負ってるため、滅多に会えない。
魔の森とは、どこぞの樹海より深くて暗い、魔の者の住処だ。と言われている。
実際は、色んな人間じゃない種族が住んでる場所だね。魔王領と呼ばれるそこには、魔王さまが治める国があるのさ。
その魔王さまがリトちゃん。3歳の頃魔の森で迷子になった時に出会って、友達になった。リトちゃんも転生者だったから、話が合ったしな。
銀髪緋眼の超絶美少女で、中身は女子高生とかなにそれ萌えー。
リトちゃんと友達になったことで、魔の森の脅威は半減したので、辺境伯家の負担も減ったと父がようやく家に帰って来た。国境の砦に詰めてたらしい。
初対面が3歳。銀髪菫色の眼のイケメンに泣きながら抱きしめられた私の動揺に誰か気づいてくれ。私の容姿が父似だと知ったのもこの時だった。
この父、外じゃ氷の魔術師さまとか呼ばれてるんだって。旦那候補ナンバーワンなんだって。嫁のシリに涙目で敷かれる男が国1番のモテ男とか、なにそれマジウーケーるー(棒)。
まぁ実力はあるらしい。珍しく母からフォローが入ったので、一応父の威厳とやらを尊重しておく。
しかし、氷の魔術師さまこと父のヘタレ具合が今回の発端なので、帰ったらマジ絞める。
許さん。
亀更新ですがお付き合いよろしくです。