13 ロリコン卒業。そしてイケメンへ
花粉に全力で総攻撃を受けております。泣きたい(笑)
「なんで」
ポカン、とロリコンが呟く。
「ロリコンはさ、わたしにふひつようにさわらないよねー」
「それはロリコンがお嬢を神だと崇めてるからじゃねぇの?」
ガルさんが答える。
いや、普通のロリコンはさ、犯罪者なんだよ。お触り厳禁なんてナニソレオイシイノ? な危ない奴らなんだよ。
神だろうが女だろうが子供だろうが、変態集団に常識は通じないんだよ。世界が変わろうとそれは変わんないんだよ。
けど、ロリコンは私に対してそんな感情は持ってなかった。変態に好かれやすい私に対しての同情はあったがな。憐れみの視線はわかりやすかったなー、経験済みな人のそれだった。
だから、護衛にするって私が決めたし、実際こっちのことを学びながら戦闘訓練もこなすロリコンは、引きこもりには見えなかった。
無意識に身体強化したにしては、元々が鍛えられてた筋肉だったもん。なんつーの、しなやかな細マッチョ?
私が突然イェーイって突撃かましても、はいはいって抱っこされてぽんぽん寝つかせようとするし(うっかり寝た。何アレ魔法なの?)私をおんぶしたまま戦闘訓練こなすし(これは護衛の必須スキル)どう見ても陽キャですって。
「安心安全頼れる護衛がこの世界にどれだけいるかわからんけど、私が認めた護衛はあんただけ。それだけ知っとけ? 涼」
声に力を乗せて、滑舌を滑らかに。これはちゃんと言いたかった。
「お嬢……」
感極まってうるうるしてるとこ悪いんだけど。
「じゃおしごとしてきてー」
「鬼畜!!」
これは後で聞いた事。
ロリコン改め涼は、元の世界ではアイドルだったんだと。おっどろきー。
歌って踊れるイケメン。あ、ロリコン時代は前髪で顔隠してたなー。
今は前髪短くして顔出ししてるから、モッテモテよ? アイドルだっただけあって、美青年。甘い顔立ちに柔らかい声は、癒しにしかならん。
なんかグループの仲間に嫉妬されて、嘘の噂で炎上させられて追放騒ぎで無職になったんだそうだ。
で、なんもする気がおきなかったけど、腹は減るってんでコンビニ行こうと外出たら落ちたんだと。
これはもうこっちに来いとの神様の思し召しだねー。
結果オーライなんだから、まぁいんじゃね?
そういや、こんな状況でもスリングの中ですやすやお休みな紫は、いつ起きるんだろ?
雪はいつまで降りやがるのか。




