12 ロリコンはロリコンでロリコンだから
地震凄かったデスね。はい、結構怖かったです。皆さまもお気をつけて。
私と父は今、辺境の境にある砦の中、てか屋上? ここに関所があって、不審者も旅人も商人も全ての人がここに辿り着くように結界が張られてる。
ある意味、スパイだろうとなんだろうとヤバい系ももちろん例外はない鬼仕様なので、ヤバい系用に隔離施設もある。
私たちは屋上から、お花畑系とち狂ってる住人を見下ろしてるんだけど、向こうは気づかないだろうな。
お断りだ、やら断固拒否、とか一昨日来やがれ、等々文字を花火みたいに打ち上げてるんだけど、奴らだけが気づかない。なぜだ。
「マナ。魔力の無駄使いだろう」
「え、じゃかべにかく? それともしきがみさんとばす?」
「そもそも、あれらに断られるという選択肢がないのだろう。話が延々とループしてるようだし」
「えー、ないわー」
こちとら母さまの出産中なんだぞこら。お花畑でキャッキャウフフしとる暇などないわ。
「氷の旦那ー。ありゃダメだ話が通じねぇよ」
砦の責任者であるガルさんが上がってきた。筋骨隆々のマッチョメン、だが困り眉のヘタレ顔。ギャップ萌えー?
「国王からの返事がくるまで引き延ばせそうか?」
「意外じゃない無茶振りキタコレ」
「なら触らず当たらず押し返せ」
「更なる無理難題壁高!」
がっくり、と首をたれるマッチョ。かわいくない。
「ねーねーガルさん。あのこどもはどんなかんじー?」
「子供? ああ、一応偉そうだが、女共の剣幕にドン引き? ガクブル?」
ガルさん、前世が日本人だそうだ。自称チャラい若者だったとか言ってるけど、ホントのとこは謎。
「こーせーのよちはありそー?」
「まぁ、子供だしなぁ。周りがまともならなんとか、なんとか?」
ふむ。なら半々てとこか。一応国王の血も引いてるんだもんね。
「マナ?」
「いちねんくらいこのとりでで、きしみならいしてみたらいんじゃないかなー、と」
それで更生の余地ありならよし、なしならまぁ、うん、でことで。
どうだろう、と問いかけてきた父を見上げると、父は腕を組んで考え込んだ。
「国王の許可はいるが、いい考えかもしれないな。肩書きを外して鍛え直した方がわかりやすいだろう」
元々鍛えられていたかは謎だがな。
「少年兵と一緒に放り込んでみよう。ガル」
「俺か!? 俺が面倒みんのか!? やっぱりな!」
当たり前やん責任者。
「ロリコンーいるー?」
「はいよー」
そうと決まれば、と宙に呼びかければ返る声。
「あ、もどってたんだねー」
「お嬢酷くね!? 置いてくとか酷くね!? 俺護衛なのに酷くね!?」
「よしかさんのおしにはさからえなーい」
「ああ……うん、あれはな、うん」
「おもったよりはやかったね?」
「質問状にレポート出すことでなんとか」
「あー、こうかんにっきー」
「なんか違う」
まーいいや。ロリコンにあれこれ指示を出す。父が口を挟まないので、お許しが出たと解釈。
「あー、もうロリコンってよべないねー」
「え? なんで?」
こて、と傾く頭。不思議顔だなみんな。
「え、だってロリコンはロリコンじゃなくてにんげんふしんだっただけじゃん?」
「…………」
「「「え?」」」
え、じゃあなた方、ロリコンをロリコンだと思って私の護衛にしてたの?
マジで?
次回、ロリコンはロリコンなのか!? ですかねー、お花畑はどうしたの? その次で(笑)




