第七十話 『竜人の里』の真実 ①
竜人の秘密が少し明かされます。
目の前にいる二人の少女は、どこからどう見ても普通の人間の子供にしか見えない。
なのに、『竜人の里』で暮らしているのは不自然に思える。
体質などといった訳ありなのか、あるいは何らかの理由で迷い込んでここで保護されているのかと予想していたのだが……。
「えっとね。成長したら生えてくるんだって」
「うん、ママがそう話してくれたよね」
「親がそう言っていたのか……」
人間の子供が迷い込んだという説はこれで消えた。かといって体質と呼ぶには不適切だろう。適切な言葉を言い当てはめるならば、成長途中といったところだろうか。
つまるところ見た目は人間だけども、中身は竜人ということになるな。
(まぁ二人がかりとはいえ子供なのに楽々と俺を引きずっていたし、普通じゃないのは確かだな)
だとしても、子供の頃の見た目が普通の人間と大差ないのはどうも引っかかる。
けど無性に胸騒ぎがして、これ以上踏み込むべきか躊躇ってしまう。
それでもやはり気になる。だから不安を覚えながらも、ここは敢えて一歩踏み込むことにした。
「他に何か気になったことを話してくれたことは? 何でもいいから教えてくれないか」
「んー、パパが前に話してたことなんだけど」
「昔は冒険者で、おっきなモンスターをやっつけたって自慢してたね」
「でもパパってママに弱いから、ちょっと信じられないかな」
「うんうん」
「は?」
(冒険者……だと!?)
予想だにしなかった単語が飛び出し、あまりの衝撃に内心で動揺してしまい、表情を崩さないようにするので精一杯だった。
しかし、話はこれで終わりではないらしく……。
「あっ、思い出した! パパとママは“秘薬”を飲んで人間から竜人になったから、わたしたちの見た目が竜人になるのは時間が掛かるんだって」
「そういえばそんなこと言ってたね。今でもよく分かってないけど、後何年かしたら鱗とか翼とか尻尾が生えてくるみたいだよ」
「ひ、“秘薬”だって?」
またしても予想だにしなかった内容であり、先程の倍以上のとんでもない衝撃を俺に与えた。
この話が本当ならば“秘薬”とらやを飲むと竜人になれるらしい。そしてその“秘薬”に関しては心当たりしかない。
(俺が飲んだあの“秘薬”が怪しんだよなぁ。ただまぁ、二度も飲んでる筈だから竜人になってないことを考慮すると、まだ断定はできないか。でも疑惑はぬぐえないな……)
とはいえあの“秘薬”を飲むと竜人になってしまうとしたら、それを飲ませたシーディア様がおぞましく思える。
今は何ともない筈なのに、飲んでしまったという事実のせいで悪寒が止まらない。
「ねぇお兄さん、顔色悪いけど大丈夫?」
「汗が凄いよ?」
「あ、あぁ……少し気分が悪くなってな。すぐに良くなるから大丈夫だ」
兎にも角にも、この少女たちの話によれば『竜人の里』に住まう竜人は元々人間であり、そのうえ元は冒険者ということになる。
この話が嘘なのか、あるいはどこまで本当なのか今は判断しかねるが、他の人から聞き出せば判明するだろう。
(さしあたって、まずはオリディアと合流するか)
そう考えてオリディアの元へと向かうべく、体を動かそうとする。しかし少女たちによって両腕を掴まれ、阻まれてしまう。
「ちょっと、もう少しお話しようよ」
「わたしたちお兄さんにちゃんとお礼が言えてないし、自己紹介もまだなんだよ」
「そうだったな……」
俺からしてみれば些細なことでしかない。
かといって年下の少女相手に無下にするような真似をするのは大人げないし、さすがに気が引ける。
(付き合うしかないか……)
「じゃあ、とっくに知ってると思うけど、俺の名前はカイト。改めてよろしく」
「わたしはララ」
「わたしはリリ。双子なんだよー」
「ララちゃんにリリちゃんか」
と口にすると、二人は不満そうに唇を尖らせる。
何がいけなかったのだろうか?
「もー、ちゃん付けは子供っぽいから駄目」
「お兄さんは呼び捨ていいよー」
「そ、そうか」
子供扱いは嫌なようだ。ここはララとリリの意思を尊重しよう。
「それでね、わたしたちを助けてくれてありがとう!」
「お礼を言うの少し遅くなっちゃったけど、ありがとうございます」
「俺としても二人が無事でよかったよ」
(さて、これでいいのだろうか?)
今度こそオリディアの元へと向かおうとするも、またしても両腕を掴まれて阻まれる。
「二人とも、俺はそろそろ行かないといけないんだが」
「えー、わたしたちお兄さんともっとお話がしたいんだけど」
「いいでしょー?」
「やれやれだな……」
無邪気な様子を見て嘆息する。
どうやら満足するまで付き合う必要があるらしい。仕方ないけど、オリディアが俺を見つけるまで付き合うとしよう。
「で、どんなお話をしたい?」
「今のお兄さんって、どうして弱いの?」
「すっごく力が弱いよね」
「弱い……か」
実際に今の俺は弱い。それは嫌という程に自覚している。
だけど年端もいかない少女たちの口から言われるとなると、胸に深く突き刺さって地味に辛い。
もちろん当の本人たちは、悪気があって口にしたわけではないのだろう。だから気に留めないようにしよう。
「どうしてなの?」
「教えてー」
「知ったところで意味がないだろうに。まぁ、俺が弱いのはこの首輪のせいだよ」
忌々しいとさえ思える“封印の首輪”に指を差す。
これさえ無ければ、『鎧化』が発動していれば、命の危険を感じる機会が少なかったに違いないし。愛玩動物のように扱われることもなかっただろう。
(ホント、今すぐにでも外したいもんだぜ)
「へぇ、だからお兄さん弱いんだね」
「じゃあ、わたしたちにも勝てないの?」
「現在進行形で俺を押さえつけているんだから、そうだと思うかな」
いかに相手が竜人という人外とはいえ、オリディアよりも年下の少女相手にこうも簡単に身動き取れなくなるのは、我ながら情けなく思う。
ここまでくると、年上として男としてのプライドも傷まみれである。
「質問質問! オリディアお姉ちゃんとはどんな関係なの?」
「気になる気になるー!」
「どんな関係って言われてもなぁ」
中々に困る質問がきたものだ。
兄妹のような関係と言うにしてはそこまで親密ではないと思う。かと言って友達と呼ぶにしてはやたらと距離が近すぎる。適切な言葉が思いつかない。
ただし、俺にとってオリディアは超えなければならない障害である。つまり潜在的な敵とも言っても過言ではない。
だから分かりやすく言葉にするとなれば……。
「んー、敵対関係?」
「そうなの!?」
「あんなに仲が良さそうなのに信じられないねー」
凄く驚いていた。
気持ちは分からなくもないし、仲が良さそうに見えていたのだろう。
しかし、何としてでもオリディアは倒さなければならない。倒さねば俺に先がないのだから。
「じゃあ、お兄さんはオリディアお姉ちゃんのことが嫌いなの?」
「別に嫌いってわけじゃない」
「だったら好きなのー?」
「極端過ぎやしないかね……」
色々と助けてもらったり、それなりに気を許せるから、正直なところ好ましいと言えば好ましい。
まぁ、だからといって異性として見てはないし、これからもないだろう、きっと。
「ふーん、じゃあ今のお兄さんってフリーなんだよね?」
「わたしたちにも、チャンスがあるってことかな?」
「フリー? チャンス?」
何を言っているのかサッパリ分からん。が、俺の腕を掴む力が強まったのはどうしてだ。
それに、まるで逃さないという意思を感じたり、妖しげな笑みを浮かべているのは俺の気のせいなのか?
「お兄さんって肌が白くて綺麗だよね」
「しかもスベスベー」
「……くすぐったいから止めてくれないかな?」
しかも聞く耳持たず。
そしてあろうことか片手で俺を押さえつけながら、自由なもう片方の手で上半身を弄ってくる始末。
この絵面は洒落にならん。第三者に見られようものなら、あらぬ疑いをかけられかねない。
(特にオリディアとか勘違いしそうだし……ん?)
茂みをかき分ける音が耳に入ってきた。
今の状況を他の人にあまり見られたくはないが、ずっとこのままというわけにはいかない。背に腹は代えられないか。
「誰かいませっ、むぐっ!?」
「静かにして」
「見つからないといいけど……」
俺の口を塞ぐ少女たちの願いは虚しくも叶わず、茂みをかき分ける音が確実に近づき、ついには……。
「カイト! やっと見つけたんだから……え?」
「むー! むー!」
「見るかちゃった」
「どうする?」
よりにもよってオリディアに見つけられてしまった。今までの傾向からして、いくら弁明しても俺が悪いということになりそうだな。
ともあれ、少女たちから解放されるだけ良しとしよう。
甘んじて非難を受け止める。そう覚悟を決めたのだが……肝心のオリディアの様子がおかしい。
「二人とも、これは何のつもり?」
「お兄さんと仲良くしたいなーって」
「そうそう、別に横取りなんてかんがえてないから……あっ」
「横取りねぇ」
金と銀のオッドアイを細め、オリディアらしからぬ冷ややかな視線を送っていた。
俺に向けられたわけじゃないのに、体温が下がったかのような錯覚に襲われる。こんなオリディアを見たのは、初対面のとき以来だ。
「だったらカイトをこっちに渡してくれないかな?」
「「は、はーい」」
そう返事をすると、ララとリリはあっさりと俺を解放した。ただしその表情には、怯えの色が見え隠れしていた。
それだけオリディアの視線が怖かったのだろうか。なのに次の瞬間には……。
「まったくもう。カイトは無防備すぎなんだから。これから気をつけてよね」
「ああ、気をつけよう」
何事もなかったかのような明るい表情を浮かべており、あまりの豹変ぶりに思わず恐れ慄いてしまう。
(ある意味すげぇな……)
とても真似できそうにない。
そんな感想を抱きつつ、俺はオリディアに手を引っ張られてこの場を後にした。
「お兄さーん! また会おうね!」
「次は邪魔が入らないところでねー!」
背後から元気そうな声が聞こえたが、オリディアが有無を言わせず走ったために返事をすることはできなかった。
こうして午前の時間は終わり、昼食を食べるためにゴルディア様たちの元へと帰ったのである。
そして俺は朝食を食べた部屋にてゴルディア様と対面している。
「ふむ、何やら聞きたいことがあるようじゃな」
「表情に出てましたか」
オリディアとヴェントは昼食を作るシーディア様の手伝いでこの場にはいない。聞くなら今がいいだろう。
「では単刀直入に聞きます。竜人の方々が元冒険者の人間なのは本当なのですか?」
「出どころは女神か?」
黄金の双眸を細め、冷静に聞き返してきた。どうやら女神様はこのことをとっくに知っていたらしい。だから女神様を疑ったのだろうけど、情報の出どころは全く違う。
「いえ、里の子供たちから」
「子供か……今度言いつけておくかのう」
「それで、どこまでが本当なのか教えてくれませんか?」
「ん? あぁ、だいたい合っておるぞ」
否定するどころか、涼しい顔であっさりと肯定した。冗談を言っているのかと疑ってしまうも、そんな気配は微塵も感じられない。
ならばと思い、本命を聞き出すことにした。
「では、俺が飲んだ“秘薬”は竜人になるための物なのですか?」
「む、そこまで聞き出しておったか」
「教えてください」
「ふふっ、カイトも既に分かりきっておるのであっろうに」
「つまり……」
「お主の想像通りじゃ。あの“秘薬”には妾とシーディアの鱗を削って作った粉末を混ぜておってな。飲んだ者の細胞を作り変えるんじゃ」
「さ、細胞を!?」
やっぱりとんでもない代物だった。おぞましい真実を知ってしまったからには、もう二度と飲みたくない。
冷や汗を流しながら内心でそう決心していると、ゴルディア様は話を続けた。
「この際じゃから白状するが、お主を妾たちの眷属にしようと思ってな。まっ、結果は見ての通り失敗に終わったがの」
「助かった……のか」
「しかし残念じゃのう。カイトがもっと“秘薬”を飲めば今頃は妾たちモノに堕ちておったのに」
心底残念そうにしているあたり、冗談抜きで俺は詰みそうになっていたらしい。
というか、善意の裏にこんな思惑があったとはな。末恐ろしいものだ。
もしも俺が竜人になってしまってたら、どんな結末を迎えていたのやら。
「仮の話ですけど、俺が竜人になったらどうなってたんです?」
「まず人間には戻れないのう。これは女神でさえ手の出しようもなかろう」
「元に戻れない……」
「そして眷属となれば妾たちには逆らえぬからな。お主の意志を無視して、ここで永遠に下僕として住まわせておったであろう」
「最悪な結末ですね」
強引に人外の底無し沼へと引きずり込んだ挙句、俺の尊厳をも踏みにじるつもりだったらしい。
冗談じゃない。殺されるよりも質が悪いのではなかろうか?
ただ気になることがある。俺は二度も飲んだと思うがのだが、何ともないというのは不思議でしかない。
(俺だけが特別? でも何で? いや、まさかとは思うが……女神様のおかげ?)
「くくくっ、生憎じゃがそのまさかじゃ。お主は女神に助けられておるぞ」
俺の思考を読んだであろうゴルディア様が笑いを噛み殺しながら肯定した。
これは女神様に感謝しておくべきなのだろうけども、素直に感謝できないのが実情である。
(はぁ……それでも助けられたという事実は変わりない。複雑だな)
「女神に感謝するのは癪かのう? 気持ちは分からなくもないが」
「感謝したら調子に乗りそうな気がするんですよね」
「あぁ……それは容易く想像できるの」
頭の中で想像したのか呆れた表情でゴルディア様も同調した。
女神様がウザいというのは、どうやら共通の認識らしい。いや、本当に何をやらかしているんだろうか。
「まぁ女神様のことは置いておくとして……何故、俺に“秘薬”を飲ませたのです?」
「前にも言ったであろう。お主が欲しいとな」
「だからといってこんな強引な手段を使うなんて……」
「もう良いではないか、失敗に終わったんじゃからのう。それにもう二度と飲ません、これは約束しよう」
手段を選ばないにしても程がある。と言いたかったところだが、立場的に弱い俺がとやかく言うわけにはいない。実にもどかしいけど、耐え忍ぶしかない。
今は助かったことを喜び、次を警戒せねば。
「その言葉、信じていいんですね?」
「もちろんじゃ。現にお主の疑問に答えておる。それが証拠だとは思わぬか?」
「それもそうですね」
ひとまずはこの約束を信じてもよさそうだ。
ただし、ゴルディア様もそうだが、飲ませた張本人であるシーディア様のこともあまり信用できないな。
だからこそ、ここまであっさりと教えて俺の竜人化を諦めたというのが怪しい。何か裏がありそうな気がしてならない。
「ほう、その疑うような眼は……さすがに勘づいたかの」
「何をお考えなのです?」
「事情が変わった。とだけ言っておこう」
「今すぐには話してくれないのですね」
「不満か? 悪いが今から昼食でな。まずは食事を楽しもうではないか」
ゴルディア様がそう言い終えると同時に部屋の扉が開かれ、オリディアたちが料理を運んできた。
確かに今から話す雰囲気ではないな。他にも元冒険者である竜人についても教えてもらいたかったが、仕方ない。
「カイトー! シーディア様に教えてもらいながら作ったんだよ! 食べて食べて」
と言うと、重い音を立てて山盛りのパスタを俺の目の前に置いた。文字通り山のように盛られており、キロ単位の重さであるのは火を見るよりも明らか。
まともな人間なら食べ残してしまうだろう。
(大食いチャレンジグルメみたいな量だな……食べ切れるのかこれ?)
(何を言っておる。出された料理を平らげるのが礼儀であろう)
(だからといってこの量は厳しいかと……)
(おい、オリディアがせっかく初めて作ったんじゃ、しっかり平らげぬか。平らげなければお主に明日は無いと思え)
心胆を寒からしめるようなドスの効いた声が頭に響く。冗談でもなく、お遊びでもなく、ゴルディア様は真剣に言っているようだ。その証拠として目が笑っておらず、オリディアに気づかれぬように鋭い視線を俺に送っていた。
(いや、この量は理不尽過ぎやしませんか?)
(お主のために作ったというオリディアの気持ちを汲み取れぬと言うのか? お主はオリディアを悲しませるというのか?)
もう会話にすらなっていない。
オリディアを悲しませたくない気持ちは強く共感できるけども、そこまで真剣になることだろうか。
ましてや、先ほどの会話よりも重要とは思えない。にもかかわらずこの変わりようだ。ゴルディア様にとってオリディアは最優先事項だというのか?
「結構自信があるんだけど、美味しそうでしょ?」
「あ、ああ、凄く食欲をそそる匂いだな……ちなみに何ていうパスタ?」
「トマトクリームパスタだよ!」
「道理でこの色か」
トマトのような赤みがかったクリームがたっぷりと掛けられており、ほのかな酸味の香りが食欲を掻き立てる。初めて作ったにしては上出来と言えるだろうし、見た目も普通に美味しそうだ。
だが量のせいで絶望感が押し寄せてくる。無理ゲーにも等しいが、平らげる以外の選択肢はない。
どう対処すべきか。そう頭を悩ませていると、ヴェントが苦笑いしながら皆の分のパスタをテーブルに並べていた。ちなみに皆の分は普通の量である。
「ははは……大変だなカイト」
「そう思うなら助けてくれないか」
「悪いけど、無理な相談だな。後は頑張ってくれ」
呆気なく見捨てられた。ヴェントからの援助がないということは、孤立無援と考えた方がいいだろう。
シーディア様? ゴルディア様がああなっているのだから、期待なんてできるわけがない。
「カイト、味の方はわたくしが保証するわ。だから残さず食べなさい。あなたならきっとできるわ」
と、耳元で囁いてきた。やはり期待しないで正解だったようだ。
そして当の本人はパスタの隣にトマトスープを置き、悠々と自身の席に座った。食べる量が増えてしまったが、箸休めになるだけまだマシと考えておこう。
「ねぇねぇ、早く食べてみてよ」
「そうじゃそうじゃ、冷めてしまったら台無しになるぞ」
「では手を合わせましょう」
「こんなことで腹を括ることになるなんて……」
「ほら、カイトも手を合わせようぜ」
「手を合わせたかのう。では、いただきます」
「「「「いただきます」」」」
食べる前に挨拶をするのは異世界でも常識なのかな。なんて現実逃避気味に考え、改めて山盛りのトマトクリームパスタと向き合う。
うん、絶対に食べ切るのはキツイなこれ。
(それでも、食べ切れる食べ切れないの問題じゃない。食べるしかないってか、はぁ……)
内心で深く重いため息を吐き、フォークを手に取る。妙に重く感じたのは精神的なものだろう。
そして、目の前の山にフォークを突き刺した。勝っても負けても俺が苦しむ不毛な勝負の幕開けである。
これから先、オリディアには挫折を味わってもらう予定なので、ゴルディアは少し神経質になっているかもしれませんね。




