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プロローグ 魔術王の過去

 日の光が眩しい、いつも通りの天気。

 間も無く齢13を迎える黒髪の少年アビルは、ただひたすらに強くなろうと、古木で造られた杖を天に掲げ、あらゆる魔術を放った。

 反動が大きかろうが、動植物に被害がでようが構わずに。

 だが、闇雲に放ったわけではない。

 絶対に強くなれるという確信が体を動かし、最適な力加減をもって放った。


 アビルは、高名な魔術師を多数輩出する名門貴族の出でありながら、居てもいなくても変わらない凡才の魔術師。

 生涯を費やしたとて、けっして大成はしないであろうと目された一族のお荷物であり、幼少期からいないものとして扱われた。

 何時、どんな時だって一人。

 そんな彼が、ある人物の元に弟子入りを果たす。

 辺境に住まう魔女に頭を下げて、住み込みを許可されたのだ。


「師匠! コレ見てください! 凄くないですか!?」


 弟子入り初日、アビルは水を宙に浮かせる魔術を師匠に見せた。

 水属性魔術では、基礎中の基礎。

 才ある者であれば、齢5つで習得できる。

 そんな魔術を意気揚々と見せるアビル。

 師匠の目には滑稽に写った。


「いや…それはゴミじゃろう…」


 古めかしい話し方をする師匠だが、幼さ残る顔立ちであり、背は低く、小柄で、目の下のクマが特徴的なパッと見幼女。

 名をメルギアナ・フレイムという。

 青みを帯びた鮮やかな紫色の髪を持ちながら、質感はボサボサで、ちゃんとケアしているのか怪しい。

 深紅の瞳は微かな情熱を映し出している。

 いつも白衣を着ており、魔女というよりは博士。

 実験ばかりしているので、あながち間違いでは無い。


 メルギアナの住む家は研究所ではないのかと、巷で噂になっている。

 本人は否定しているが、アビルも初めて来た時は勘違いをした。

 予想していた屋敷とあまりに違い「あれれ?」と首を傾げて佇んでいたからだ。

 そこに現れたのが、一人の少女。

 助手のルーナだった。

 小麦色に輝く明るい髪は毛先まで艶々で、苛烈な性格を気にさせない澄んだ青い瞳を持つ天使のような少女。

 彼女に手引きされたのは良かったものの、少年の魔力はあまりにも少なく、初級魔術しか使えなかった。

 意気込みを見込まれただけの弟子入りだった。


「教本通りにやってこの有様…弱過ぎて話にならないよ」


 ルーナは困り果てていた。

 言われた通りにするだけなのに、どうも飲み込みが悪いというかなんというか、不思議な子だなと。

 それでも彼のやる気だけは認めていた。

 何度打ち負かされようとも、手首から血を流そうとも立ち上がる。

 不敵な笑みは、あからさまな罠を仕掛けた合図。

 ルーナには通用しない。

 だが、往生際の悪さは明日に繋がる。

 密かな期待を胸に、ルーナは彼の先生となった。



---



 ――古今東西。この世界に伝わる魔術五大属性。

 火、水、木、地、風。この五属性全ての習得こそ、魔術師の本懐である。

 魔術師は専門分野を決め、五大属性の中から一属性のみを選ぶ。

 それを際限なく鍛え上げ、技を磨き、ようやく一人前となる。

 全ての習得はあくまで目標。凡人には不可能である。


「見て見て! 髪が燃えちゃった!」


「早く消しなさいよ!」


 アビルは全てが中途半端。その上、生意気。

 火属性魔術をアレンジしたところ、初歩的なミスを連発し大失敗。

 髪が燃え盛っていようと呑気に笑っていた。

 咄嗟にルーナが水を掛けなければ、丸焦げだっただろう。


「まったく…あなたは中級すら怪しいのね」︎︎


「初級は完璧なんだけどね!」


「うん。そろそろキレそう」


 ルーナの限界は近い。

 たった今、彼女が指摘した中級という単語。

 そう。五大属性には階級が定められている。

 初級、中級、上級、聖級(せいきゅう)乱級(らんきゅう)虹蜺級(こうげい)。この六階級だ。

 攻撃魔術や防御魔術。治癒魔術など、全ての系統に定められている。

 殊に聖級以上は高等魔術とされ、基本それに見合った能力を持つ。

 乱級の攻撃魔術ともなれば、国土面積が乏しい小国なら軽く消し飛ばしてしまう。


 虹蜺級はそれ以上。才ある魔術師が、生涯をかけてようやく習得できるものであり、威力は絶大。

 治癒魔術にしても、失った手足を再生できるなど虹蜺級は人知を超えている。

 習得できるものは、致命的に何かが壊れている。

 そんな、漠然的な言い伝えさえあるほどだ。



---

 


 アビルには夢がある。

 いつか見た本に書いてあった[魔術王(まじゅつおう)]という称号に目を惹かれ、俗物にも、それになりたいと思っていた。

 魔術王とは、天より侵攻してきた神々から人々を救った英雄であり、魔族や獣族といった人間とは相容れない亜種族にすら手を差し伸べ、どの種族も平等に愛した人間。

 誰よりも強く、誰よりも長生きだったそうだ。

 アビルは、いつか自分もそうなるんだ、俺を見下し連中を見返してやるんだと、死に物狂いで魔術師としての基盤を作り、辺境の魔女に弟子入りをして、助手の少女にまで教えを説いてもらったのである。


 しかし、現実はあまりにも厳しく、無駄に時間を浪費するだけで、アビルは一向に強くならなかった。

 皆が言った通り、彼は凡才だったのだ。


「おー、随分やつれたのう、アビルよ」


 メルギアナはアビルの体をぺたぺたと触った。

 健康状態を調べるつもりで触ったが、予想以上にやつれていたので直ぐに手を引いた。

 不自然な肉の減り具合と発汗。

 彼女に負けず劣らず、彼も寝不足気味になっていたからだ。

 アビルの瞬きは少しづつ緩慢になり、今にも寝てしまいそうになる。


「師匠。強くなるには…どう――」


「寝おった…!?」


「クー…スー…」


「やれやれじゃの」


 なんだかんだ、可愛げのある弟子だなとメルギアナは思う。

 同時に、自分に子供がいたなら、こんな子が欲しいとも。

 彼女にも、純朴に強さを求めていた時期があった。

 過去の自分を弟子に重ねた。

 唯一違うのは才能の有無。

 愛くるしい弟子の寝顔を眺めながら、優しく髪を撫でている姿は、母と子の関係に相違ない。



---



 月日は流れ、アビルは17歳になっていた。

 かつての生意気さはなりを潜め、背は伸び、髪に筒状の装飾品を付けるなど、外見も中身も大人になった。

 師メルギアナに感化され、口調も大人びたものになり、愛想は必要最低限にとどめるなど、変なところに気を使う性格になった。

 誕生日当日、アビルの元に一通の手紙が届く。

 その内容とは、


『本日をもってアビル・パイシースを勘当する』


 たったこれだけだった。


「別に構わん。あんな家、端から帰る気もない…」


 アビルにとって、これは願ったり叶ったり。

 飛び跳ねたい衝動を抑えつつも、笑みがこぼれる。

 肩身の狭い思いをするくらいなら、いっそ婿養子にでもなろうか思っていたからだ。

 早速、メルギアナに報告する。


「師匠。俺、勘当されました」


「は? え…は?」


 突然の話に困惑するメルギアナ。

 持っていた試験管を床に落として硬直してしまう。

 状況を飲み込むのにそう時間はかからなかったが、一抹の罪悪感が彼女を襲った。

 自分が直接指南していれば彼は勘当されなかったのでは。一流の魔術師になれたのでは、と。

 アビルへの魔術指導は、主にルーナが担当していた。

 メルギアナは成否を判断するのみで、基本関わることは無い。

 己の怠惰が招いた悲劇だと、彼女は自身を責めた。

 それをいち早く察したアビルは、それは違うと否定する。


「お気になさらず。もとより、俺は師匠と肩を並べて歩むことを夢見た求道者。微力ながら、師匠のお手伝いをさせていただけませんか? 不老不死の研究を」


 そう言ってアビルは優しく微笑んだ。

 第一助手ルーナが知らない研究内容をアビルは知っていた。

 メルギアナの助手。それ即ち、彼女を不老不死にする為の手足になるということ。


「どこでそれを…」


「必要となる素材は主に二つ。崇高なる神族の血と、その眷族たる古代龍族の脳漿。僭越ながら、散乱していた資料を拝見しました」


「……」


 怪訝な表情を浮かべるメルギアナだったが、彼の勤勉さに免じて軽い溜息のみで済ませた。

 呆れた助手を持ったと内心思いながら。

 いつの間にか、二人の間に割って入るように、ルーナが不満げな顔をして立っていた。


「アビルって頭だけは良いよね。頭だけは」


「念を押す意味はわかりませんが、最大級の褒め言葉だと解釈しますね」


「前言撤回。口だけは一丁前だ」


 成長した教え子の態度が気に食わないのか、やけに突っかかる。

 軽くあしらわれるのが目に見えているのに。

 おそらく、自身が知りえない研究内容を知っていたことによる嫉妬だろう。


「まあいいや。ところで、姓はどうなるのさ」


 ルーナの一言に、アビルは頭を悩ませる。


「うーん…どうしましょうか」


「この際テキトーに決めちゃおう! じゃあ…ンルン!」


「語呂悪すぎです」


「いいじゃん。アビルンルン」


「そういう事ですか……なら尚更ダメです。威厳を保てませんよ。俺の名前はアビルンルンだ、なんて言ったら鼻で笑われるのがオチです」


 頭をポリポリと掻きながら、アビルは深いため息をついた。

 発想力で負けて気がするから。

 事実、負けていたようだが。


「決められんのなら、そうじゃなぁ……うむ。面白いもん見せてやるぞ! 付いてこい!」


 メルギアナは思い出したように手をパンッと叩いた後、こっち来いと手招きをした。

 なんなんだいきなり、と口には出さないものの、二人の気持ちは同じだった。

 二人は言われるがままについて行く。


 目的地までのおよそ2時間。ただひたすら歩いた。

 密林地帯を抜け、辺境の周辺地図が役に立たなくなる程の距離を歩いて着いた先は、草木一本も生えていない岩盤づくめの広い丘。

 丘の中心には、縦に長くて太い筒状の何かが設置されていた。

 筒の下部からは黒い紐が伸びている。


「なんだこれは?」


 アビルは筒の中を覗き見た。

 中には玉が入っていた。何重にも重なった紙製の玉だ。


「これこれ、危ないぞ」


「師匠。これは一体…?」


「まぁ見ておれ」


 メルギアナは得意げな顔をして、右人差し指から小さな炎を出した。

 それを紐に当てて火を付けた。

 パチパチと静電気にも似た音を出しながら、閃光が紐を伝い、筒に迫る。

 アビルとルーナは首を傾げながらも、興味津々な様子で見ていた。

 そして。


<光の矢が夜空に昇っていく>


 三人は、ただ黙って、その光を見守った。

 数秒が経ち、光の矢は花開き、バーンと激しい音が辺りに響いた。

 七色に光る流星が丘を照らし尽くし、月より大きく見える大輪を形作っていた。


「綺麗…」


 ルーナがぽつりと呟いた。

 思わず見蕩れてしまう光景が、自然と口を動かした。


「えぇ…とても綺麗です」


「私が? やだ、チョー嬉しい!」


「どっちもですよ」


「え…?」


「気のせいでした。忘れて下さい」


「アビ…おまッ…ちょ、待てぇー!」


 追いかけっこをして遊び始める二人。

 アビルが発した思いがけない言葉に、ルーナはすっかり茹でダコ状態。

 笑いながら涙を流し、情けない顔で彼を追いかけていた。

 変な気分で取り残されたメルギアナは、悲壮感が否めない姿で岩に腰をかける。


「今日の日の為、わざわざ取り寄せたというのにのう…」


 メルギアナは寂しそうに呟く。

 それを聞き逃さないのがアビル。師が口を開いた途端、彼は足を止めた。


「ちなみにどなたからでしょう」


「かの有名な魔術師からじゃよ。と言っても既に故人じゃが…」


「故人からどうやって取り寄せたんです? それに、魔術じゃないですよね、コレ」


「看板を受け継いだ弟子が作っとるんよ。魔術じゃないのは、魔術師でなくても作れるように発案されたからじゃ。もっとも、緻密な機構の上に成り立っているから素人には作れんよ。ちなみに…異国の地ではコレを花火(スターマイン)と呼んどる」


「スターマイン…ですか」


「おぬしにピッタリじゃろう? のう、アビル・スターマイン」


「…!」


 師から与えられた新しい名に、アビルの身体に喜びの感情が走り抜けた。

 ポロポロと涙が零れ落ち、心の霧が晴れたような感覚に、肩の力が抜けた。

 嬉しかった。ただただ嬉しかった。

 ようやく認められたような気がして。


「幾つもの壁を越え、手中に収める光の束は、いつしか大輪として完成を見る。昔、兄さんが教えてくれたのじゃ」


 ふふっ、とメルギアナは笑いながら言った。


「兄がいたとは、初耳です」


「…死んじゃったがの」


「お兄さんのこと、好きですか?」


「大好きじゃ! 研究ばかりしてるワタシを蔑まず、唯一、認めてくれたんじゃからな!」


 嬉々として語るメルギアナの姿は、未だに夢を追い続ける少女そのもの。

 実年齢を頑なに教えてくれないので、外見だけでそう判断した。

 

「あ、忘れとった」


 メルギアナは懐から小さな水筒を取り出した。

 普段使用している試験管と同じぐらいのサイズだ。


「実験道具では?」


「ノンノン。これはお酒じゃ、お酒」


「なるほど、飲みたい気分でしたか。思慮が足らず申し訳ありません。して、お味は?」


「オリジナルブレンド」


「一気に不安になりました…」


「失敬な! 美味しいから飲んでみい!」


 アビルは無理矢理口を開けさせられ、試験管のような水筒の中身を飲ませられた。

 柑橘系の甘い風味がするが、ほんの僅か、鉄混じりの風味もする。

 匂いが鼻に残って離れない。

 変わった味としか言いようがない。

 肝心のアルコールは強烈。一口で頭が沸騰する程だ。


「……」


 図らずしてボーッと地面を眺めるアビル。

 美味しいことは美味しかったが、酔いが回って何も考えられない。

 頭痛もする。


「ふふっ…そのままにしとれ」


 微かに聞こえた言葉。

 刹那。

 アビルの唇に、ふわっと柔らかい物が当たる。


「んっ…!?」


 アビルの口は、メルギアナによって塞がれた。

 ファーストキスを彼女に奪われた。

 鋭く冷たい眼光を向けるメルギアナに対して、アビルの胸は酷く高鳴っていた。

 鈍器で殴られたような頭の痛みが一瞬にして消し飛び、激しい高揚感が彼の心を満たす。


「ぷはぁ…! ハァ…ハァ…」


 アビルは呼吸を整える。


「どうじゃ? なかなかのもんじゃろ」


「まったく…恐ろしい人だ。自分の弟子になんて事をするんです」


「弟子じゃなかろうて。お主はもう助手じゃよ」


 一切悪びれる様子の無い彼女に、余計変な気持ちになるアビル。

 このまま押し倒してやろうかと思った矢先、左方向から視線を感じた。


「ジー」


 と、口に出すルーナ。

 一部始終の目撃者である。


「違います。これは違います。違います」


「まだ何も言ってないよ?」


「言ってました。ジーって言ってました」


「はぁ…能天気な性格は何処へ行ったのやら」


 慌てふためくアビルに、ため息を漏らすルーナ。

 感情の制御が出来なくなったのは、心身共に大人になったから。

 矛盾しているようだが、こと一点に関しては間違いではないだろう。

 花火を見て、変わった味のお酒を飲んで、口付けを交わして。

 誕生日を満喫したアビルであった。



---



 翌朝。


 屋敷にはアビルしか居なかった。

 前日の疲れは残っておらず、いつも通りの体調。

 とりあえず洗面所へ移動し、歯を磨く。


「………は?」


 鏡を見て気づく。

 まず髪の色が違う。

 光通さぬ漆黒の髪は色素が抜け落ちたかのように真っ白で、左眼には八芒星の紋様が刻まれていた。

 すぐさま、彼の足は師匠の部屋へと向かわせた。

 誰も居ないとわかっていながら。


「まてまてまてまてまて!」


 もう、焦りに焦っている。

 え、どうして? 意味がわからんよ、と。

 この時、正常な思考は機能していなかった。

 アビルは、荒々しく扉を開けた。


「居るはずも無い…か」


 分かってはいた。

 が、なんとなく居るだろうと思っていた。

 期待を裏切られた感覚に陥るアビル。

 手がかりだけでも欲しいと思い、部屋を物色する。

 すると、棚の最上段に封筒があった。

 比較的新しい茶封筒だ。

 アビルは後ろめたさを感じつつ、勝手に中身を取り出した。

 出てきたのは白い紙。


『500年後にまた会おう』


 その一言だけが書かれていた。

 つまるところ、再会の約束手紙。

 人間の寿命をして、有り得ない年数が書かれている。


「バカバカしい。誰が、なんの為に書いたのやら」


 アビルは手紙を投げ捨てた。

 そして、屋敷を出て二人を探しに行った。

 近くに存在する森、山、街、渓谷。ありとあらゆる所を探した。

 一日で回れたのは、身体能力を強化する魔術のお陰。

 空を滑空し、着地し、踏み抜き、飛び越える。

 この程度の芸当は出来るようになっていた。

 結局見つからずに帰ってきた。

 まあいい。どうせ、いつもの素材採集だろうしすぐ帰ってくる。

 そう思っていた。


「嘘…だろ」

 

 帰るべき屋敷は無くなっていた。

 敷地内には、空間ごと削り取られたかのようなクレーターが無数に存在し、魔術を行使した痕跡がハッキリと残されていた。

 アビルは一人になった。


(落ち着け自分。落ち着け…)


 そう言い聞かせた。

 スゥーっと深呼吸して、屈伸運動をして、頭の熱を冷ます。

 かれこれ二分程経った後。

 

「生きてるうちに会えるといいな…」


 思えば師匠の字であった。

 やはり、封筒の差出人は師メルギアナ。

 そう確信した。

 彼女らと過ごした僅か4年余りの時間は濃厚で、彼が独り立ちするのには十分過ぎた。

 でもあまりに突然だ。これは試されているのかもしれない。


 二人は彼を信じたのか、それとも見放したのか。

 わかっているのは、500年は会えないということ。

 心臓が握り潰されるような痛みを感じようとも、声が枯れるまで咆哮をあげようとも、唇を噛みちぎろうとも、今日の続きを目指す。

 アビルは二人を探しに旅に出た。

 それは長い長い旅の始まり――

 

 ――そして485年が経った。

次回から一人称視点となります。

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