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29 新しいオフィス

ブックマークして頂きありがとうございます! 

今日は姉さんと一緒に、オフィスス工事前の最終確認の為、現地へ向かっている。


東京の一等地に俺がパートナーとなった会社TWNの日本支社を構える事になったのだ。

外資系ホテルの一階の一部分がショールームで、二階部分はオフィスになる予定だ。



「そういえば、この間の事件は大変だったね。雑誌では健司が近藤さんをギュッとしてたけど、その後どうなの?」


「どうも無いよ。」


「ふ〜ん、そうなんだ。 残念。」


俺だって残念だよ。

あんな事の後で近藤さんを食事に誘い難い。


「ハーッ」

健司はため息をついた。

俺って女運がないのかなぁ〜。


そうこうしているうちに現地に着いた。


担当の人やデザインや工事業者の方達は既に到着しており、仮に置いたテーブルに図面を載せて話をしていた。


「すみません。 お待たせしました!」


「いえいえ、今私達も来たばかりです。では早速見て行きましょう。」

そう言って担当が先頭となってデザインや工事のポイントを確認していく。



ショールームは会社のコーポレートアイデンティティを反映する様な洗礼されたデザインのラグジュアリー空間になる予定だ。


オフィスは従業員用のVRブースとVLSラインが設置される。

基本業務はVLS/VR 空間なので在宅勤務だが、必要で有ればオフィスからアクセスする事も可能だ。


そして全ての会議室は着用装置不要の3D空間で、VLS/VR中でも現実社会からでも会議に参加出来る。


「それにしても健司のオフィスとは思えないほどスタイリッシュよね。」

姉さんが俺の耳元で囁く。


「ごもっともです。」

スエット姿の以前の俺が来たらガードマンに摘み出されて出禁食らうレベルだ。

頭に鳥の巣見たいの着いてたしね。


着工前の確認ではオフィスのカフェテリアで少々変更があったが、それ以外は問題が無さそうだった。


っと言う事で、着工は来週となった。


帰りに姉さんが良い事を思いついたと言わんばかりに目を見開いて俺を見た。


「ねーーーーえ 健司、今度花火大会があるじゃない。料理とか私が作るから、その時にちょっとしたホームパーティーしたら? それで近藤さんを呼ぶのよ!」


「ああっ、それ良いかも! 」


「じゃあ 近藤さんと佐々木さんに連絡しとく!」


「ありがとう姉さん。」


「まかしときって! 可愛い弟のためだもん♪」


姉さんは楽しそうに家路に着いた。



俺はそれから3日間、ほとんどの時間をネットクリックの撮影の為にVLS入りしていた。


撮影が終わり休憩していると姉さんからテキストが届いた。


『健司、今日は何時に終わりそう? 出来たらちょっとカプセルから出れる?』


『今行く』


俺はそうテキストして、ザックさんとブライアンさんに挨拶をしてVLSから離脱した。


カプセルを開けると姉さんが真前でこちらを見ながら椅子に座っていた。


「ねっ姉さん?」怖いんですけど…


「あっ健司お帰り〜。」姉さんは急に人が変わった様に和かになり、


「じゃーーーーーん、浴衣だよ! 健司の浴衣。やっぱり花火大会だったら浴衣じゃない? だから〜男物の浴衣買ってみたの。 似合うかな? ちょっと着てみてよ。早く脱いで。」


「いいよ 自分で着るよ。」


「何言ってるの、自分で着れないくせに。」

姉さんは無理矢理俺の服を剥ぎ取り浴衣を着せた。


「やだ〜、健司ったら結構似合うじゃない。 雪菜ちょっと来てみてどう思う?」


「雪菜ちゃんまで来てるの?」


「だって見たいって言うんだもん。」


「どれ〜 あー似合ってる。 でも下駄は?」


「家の中だから要らないんじゃない?」


「ママ、もし近藤さんがちょっとコンビニまで、なんて事になるかもよ。」


「そうね。『1人だと危ないから僕もついて行く』みたいな! その後 いい感じになるかも知れないしね。」


「やっぱり浴衣にスニーカーだとドン引きで、進展期待出来無いかも。」


「そうだよね くうーーーーー。 絶対 下駄買おう!」


「ねえ〜、私の友達呼んでもいい?」

「いいんじゃない? 私の友達も良いかな? ねえ健司?」


「あ〜分かったから 勝手にしてくれ。」

ダメなんて言っても最終的には言い包められるのがオチなのは経験上学んだ事だ。


「わ〜い よかったねママ。」


「ハハ、楽しみ〜 進展あると良いね。」


あ〜 俺ってもしかしたら女難の相が有るのかも知れない。


今度神社にお祓いでも行こうかなと思った。










読んで下さりありがとうございます。

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