26 メイクオーバ
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「おーーーー シックスパック!」
毎日の筋トレとプロテインパウダーのおかげでホソマッチョな感じに仕上がっているーーーー!
コネクターのインプラントをして1か月、健司は毎日タワマンのジムで鍛えていた。
姉さんが、食事や生活用品を買っといてくれるので、殆どがVLSか、このタワマン内での生活なのだが、近く日本で会社を立ち上げるべく物件を見に行ったり、弁護士と会ったり、また松原健司のアバターを作ったりする必要がある。
今あるのは姉さんが買ってきてくれたスウエットとジーパンとシャツだけだ。
俺は元々ファッションとは無縁で母親が買った服も平気で着れる。
服のセンスがダサイ事は自分でも自覚している。
そんな俺を憐れんでか、姉さんが近藤さんにお願いして買い物に付き合ってもらう事になった。
グッドジョブ姉さん!
そして今日がその日だ。
近藤さんから指定された美容院へ行くと。近藤さんこと近藤玲奈ちゃんが先に着いて、俺を待っててくれた。
近藤さんとはVLSでは毎日の様に連絡しているが、実際に会うのは何年ぶりだろう?
「待たせてすみません! 近藤さん、今日はお休みのところ、ありがとうございます!! 近藤さんは昔も美人だったけれど、以前会った時よりもっと美人になった気がするよ。」
お世辞では無く、本当に俺はそう思った。
「松原さんは以前より口が上手くなりましたね。それからこちらは友人の佐々木さんです。今日は一緒に手伝ってくれます。」
「佐々木さん、宜しくお願いします!」
「松原さん こちらこそ。やっぱりシルバーの原型だけあって、磨きがいが有りそうで楽しみです。オホホ。」
俺は美容室の椅子に座らせられた。
ジ………………………………ッ
「うーーーーん。」
鏡の前に座った俺を見て、近藤さん、佐々木さん、そして美容師のお兄さんの3人が穴の開くほど俺の顔を見て唸っている。
なんか問題でもあるんだろうか…?
近藤さんが口を開いた。
「やっぱり髪は染めずにいきましょう。」
鈴木さんも、美容師さんも頷く。
その後3人は俺をチラチラ見ながら作戦会議をしていたが、なんとか合意に至った様だ。
美容師さんの目つきが鋭くなって、まるで戦隊ヒーローの様な動きで髪を切ってゆく。
すげーーと思って見ていると、あっという間にヘアカットが終わった。
その後眉毛カットにフェイシャル。
ヘアセットは、美容師さんが俺にどうしたら良いのか教えてくれる。
近藤さんもヘアセットを動画で撮ってくれて、
「松原さん動画撮ってますので、ヘアセットの仕方が分からなくなったら動画見返してくださいね。」
と動画を送付してくれた。
おーーー別人の様に小綺麗な俺が鏡に映っていた。
近藤さんも、佐々木さんも親指を上げている。
大丈夫らしい。
「じゃあ次はスーツやビジネスカジュアルくらいの服と靴かしら? デパート?」
「そうね、デパートが良い。じゃあ銀座行きましょう。」
健司は銀座のデパートに行った事も無いので、近藤さんと佐々木さんの後をついて行く。
佐々木さんが振り返り俺に話しかけてきた。
「近いうちに眼のレーザー治療した方がいいですよ。特にVLSからだと視界が悪くて辛いですよね?」
佐々木さんの言う通りVLSでははっきり見えるが、現実世界ではぼんやりしている。
デパートでスーツや服、そして靴を選んで貰う。
母さんや姉さん以外の女性2人に洋服を選んでもらうのは気恥ずかしい。
勿論、母さんや姉さんに服を選んで貰うのも違う意味で恥ずかしい気がするが…。
スーツやシャツなど後日取りに来るとして、この後食事なので選んで貰った服を着て行く事にした。
残すはソックスなど小物とアフターシェイビングやコロンなどの男性化粧品のみ。
「松原さん、私はこれから別件が有りますので先に失礼します。」
「えっ、そうなんですか? 佐々木さんも食事をご一緒にと思っていたのですが。」
「ごめんなさい。」
「残念です。今日はありがとうございました。では今度是非お礼をさせて下さい。」
俺達は佐々木さんと分かれて、デパートでソックスを調達して、男性化粧品を購入してデパートを歩いていると後ろから
「健司」と俺を呼ぶ声がした。
振り返るとそこに詩織がいた。
「詩織?」
読んで下さり、ありがとうございます。