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22 無人島4

ブックマーク、イイネをして下さり、ありがとうございます。

嬉しかったです。

船はギーギーときしみながら、まるでジェットコースターの様に進む。

アトラクションとしてはスリル満点だが、シートベルトも無いので俺達はもみくちゃだ。


船底を擦る音が消えて揺れ方が変わった。未だ大きな揺れだが先程の揺れとは違いゆっくりな揺れだ。

船室の小さな窓から覗くと船は海に出た様だった。


峠は越したのだろう。

そして船に静けさが訪れた。


あっ、船が流されないようにアンカーを下ろさなくては?

それに船のダメージも見ておきたい。

ダメージによっては船から島まで泳ぐ必要がある。

「俺、外見てきます。」

そう言うも2人共一緒に来てくれた。


デッキに出ると先程の嵐からうって変わって、空は薄紫にオレンジ色が溶けるような美しい夕焼け。


その夕陽のおかげで俺達はアンカーを見つけて下す事が出来た。

船はリーフを出た所で停泊しており、島まではギリギリ泳げそうな距離だ。


『経験値が変更になりました。体験ポイント5を取得しました。』


現在のステータスは

レベル1、

海の動物 2

陸の動物 18

体験ポイント 40

グループ経験 60


ブライアンさんが釣り竿とタモ網と乾燥エビAを持ってきた。

「ザック、シルバー、夜釣りでもしようか?」


「了解。さっきの嵐で生簀にも水が溜まっているので、釣ったらそこに入れよう。」

そう言いながらザックさんもブライアンさんから竿とエサを受け取った。


俺達は釣り竿に乾燥エビAを付けて投げ入れて待つ。

待つ事数分。

ゲーム会社提供の乾燥エビAの効き目は凄い。

シイラ、カツオ、イカ、イカ、が釣れた。


『経験値が変更になりました。海の動物10、体験ポイント5を取得しました。』

『乾燥エビAを購入 Yes or No』


ここは課金してクリアしたい。 

だが、ブライアンさんがぶんぶん首を横に振っている。


あ〜課金はしないのか。。。


それにしても課金アイテムがあるとは知らなかった。


リストカタログを見てみるとカジキマグロ釣り用クルーザー、専用の竿など色々有った。

ついでに陸の動物用の課金にはワニ用の罠や、散弾銃などもある。

腰蓑の代わりに、ターザンのようなレザーキルト(腰巻き)なども有った。


ふと横を見て、

「えっ!」と再度見返すとザックさんは早くも購入してレザーキルトを装着済み。


ブライアンさんとザックさんが課金アイテムリストのチェックに夢中になっているので、乾燥エビAの購入は諦めて、今のうちにエサを作る事にした。


課金アイテムって中毒性高くて、見てると欲しい物がどんどん出てくるからね〜。


さっき釣ったイカを捌いてエサにする。


出来たエサを持って2人の元に戻ると、更にアップグレードが進み、ザックさんは両腕にレザーのサポーターと胸には獣の歯のようなネックレスをしていた。 


ブライアンさんは相変わらず腰蓑姿だが背中には日本刀を背負っていた。


課金するんだったら乾燥エビAにしてほしかったと思う。

そっちの方が安いし。


俺が作ったイカの切り身は魚達に人気が無く、当たりはピタリと止まった。


ワイルド仕様のザックさんが俺に話しかけてきた。

「シルバー 会社立ち上げてその後どう? 上手くいってる?」


「はい。ザックさんの弁護士に紹介頂いた弁護士の方が上手くやってくれてます。おかげでサンダーシャックのキャラクターグッズの販売利益の1割が俺の会社に振り込まれる事になりました。あと俺1人だと対応仕切れないので、俺の会社で働いてくれる人を探しているところです。」


そのサンダーシャックのキャラクターグッズの件で、明日俺は弁護士と一緒にミーティングに出席予定だったが欠席するほかあるまい。

新しい人材もサンダーシャックやネットクリック、米国のプロダクションとも連絡をとって貰ったり、経理やスケジュール管理も、となると、そんな優秀な人材が俺のところで働いてくれるとは思えない。


そんな事を話しているとブライアンさんの竿に当たりがあった。

俺は網を持ってヘルプに行く。


シイラだった。


経験値が変更になりました。海の動物 3 を取得しました。』


現在のステータスは

レベル1、

海の動物 15

陸の動物 18

体験ポイント 45

グループ経験 78


その後当たりは全く無く、俺達は諦めて寝る事にした。



   ◆ ◆ ◆


3日目の朝、俺は一番に目が覚め甲板に出た。

真っ青な空、良い天気だ。


魚の餌のイカを目当てにカモメが集まっている。


あっ、そうだ。

俺は弓を射った。


『経験値が変更になりました。陸の動物2 を取得しました。』

これで陸の動物は全てクリアーした。


ブライアンさんも、ザックさんも 「よくやった!」と喜んで起きてきた。


「よーし、シルバー、魚突きに行くか! ザックは釣りを頑張って貰っていいか?」

「ああ、良いよ。2人共気をつけて!」

ザックさんは俺達に手を上げた。


ブライアンさんは救命用の浮き輪に袋を縄で縛り、又別に長い縄も浮き輪に縛って海に降りた。

おれもブルーグリーンの透明な海に足からザッブンと飛び込んだ。

大きな水飛沫が上がる。

とても気持ちが良い。


リーフまで泳ぐとブライアンさんはアイテムボックスから斧を出して縄を縛った。

これは浮き輪が流されないようにするためと、目印のためだ。


「獲物を捕まえたらシメてから袋に入れて。」


俺はブライアンさんに向けて、了解の意味を込めて親指を上げて見せた。


珊瑚礁の岩場の上を泳いでいると穴に伊勢海老がいた。

モリを出してダイブ。


「獲ったどーーー!」


『経験値が変更になりました。海の動物 1を取得しました。』

伊勢海老は1ポイントか。


ブライアンさんもシャコガイ 1ポイント。

ブダイ 2ポイント。


俺もブダイをとって、2ポイント。


現在のステータスは

レベル1、

海の動物 21

陸の動物 20

体験ポイント 45

グループ経験 86


「おーい、シルバー、船に戻ろう。」

「はーい。」


船に戻るとザックさんが「全く当たり無いよ。」とぼやく。


するとブライアンが「素潜りも魚が小さくてポイントが稼げない。出来れば大型の魚を狙いたい。」と言う。


「ブライアンさんやってみましょう。」

ザックさんもうなずく。


「大型で撒き餌で来てくれそうな魚はサメやエイでしょうか。」


「そうだな、目標はサメかエイ。どちらでもポイントは高いはずだ。」


まずは、ブライアンさんの釣り糸をEX強化釣り糸にして、餌は大きなワニの足にした。

俺達の釣り竿には伊勢海老の切り身を餌にしてエイを狙う。


そしてシイラとカツオはぶつ切りにして撒き餌にする。


「ブライアンさん、これでダメなら乾燥エビAの課金お願いします。」

「御意」


船の下を覗くと魚が集まっているのが分かった。


まずはエイがザックさんの竿にかかった。

かなり大きくなかなか上がらない。

モリも使って船に上げた。


『経験値が変更になりました。海の動物4、体験ポイント3、を取得しました。』


俺はまたシイラとブダイのぶつ切りを作って撒き餌をする。


すると沢山のサメがやってきた。かなり大きい。

グルグルと船の周りを旋回している。

良い感じだ。

すると急にブライアンさんのEX強化釣り糸に当たりが来た。

凄いひきだ!


「がんばれブライアンさん!」


「おりゃーーーーーーーッ!」

とっ、ブライアンさんが気合を入れる。


するとサメが飛んだ。


デカイ身体が宙を舞い、船に向かって飛んでいる。

いや、俺の方に向かって大口開けて飛んでくる。

「えっ!」

予想外だった。


「ウギャーーーーーー!」



避けたが俺の左腕を持って行かれた。


ブライアンさんの目が見開かれ。

「シルバーーーーー!」と俺の名を呼ぶ。

「あっ、大丈夫でーす! ゲームですこれ!」と肩を押さえて俺は言うが、

ブライアンさんはすっ飛んできて俺にポーションをかける。


ザックさんは怒って、

「テメー何しやがる!ぶっ殺す!」とサメにロケランをぶちかました。

しかも船の上で。


あ〜船が沈んでいく〜〜。周りにはサメがウヨウヨいる。


いつからオートセーブなのだろうと思っていると、


『経験値が変更になりました。海の動物5、体験ポイント5、を取得しました。レベル1クリアー。』


レベル1、Completed

海の動物 30

陸の動物 20

体験ポイント 53

グループ経験 103


何処からか『EXITはこちら』と書いたドアが出現した。


俺達はドアを開けてタラパゴスアイランドを後にした。


何処からともなく例のお兄さんが現れて、ニコニコしながら話しかけてきた。


「おめでとう。タラバゴスアイランドは楽しめたかな?

ザ 無人島だよ!には他にも沢山の島が君達を待っているよ。次のレベルに行く人は右側のドア、退出は左のドアだよ。」


俺達は左のドアに向かった。


俺は心の中で こんな糞ゲー二度とやらないと思うのだが、スポンサーなので無言で立ち去った。



読んで下さり、ありがとうございました。

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