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20 無人島2

少しなおしました。読んで頂ければ嬉しいです。


目を覚ますと目の前を小さなヤドカリが白い砂をかき分けて移動していく。


俺は体を起こして大きく伸びをしてあたりを見回す。

良い天気でエメラルドグリーンの海が広がっている。


「あー、よく寝た。」

砂の上にバナナの葉を敷いただけだがぐっすり寝れた。

流石にゲームだから寝れないくらい過酷な訳では無いようだ。


二日目突入。

出来ればサクッと今日終わらせて帰りたい。


昨晩は無人島の夜空は星が綺麗で、たいまつを持って俺達は塩が引いた岩場でカニやら貝などを捕まえた。

だが経験値は期待した程上がりはしなかった。

ここは大物を捕らえたいところだ。


昨日採ったバナナでも食べようとしたところ、ジャングルの方で何かがガサガサと動くのが見えた。

俺は素早く弓と矢を持って、その物体の方へ動く。

「えーーー!」

びっくりする程身体が軽い! 

まるでバッタのように動ける自分にびっくりした。

これは楽しい。

ヒュッ ヒュッ ヒュッ と身体が忍者漫画の様に動きながら物体を追いかける。


「見つけた!」 


思いがけずの大物だ。

追い詰められた大きなイノシシと目が合った。

それと同時に俺に向かって突進して来た。


身体が高揚する。

素早く俺はイノシシの眉間に向かって弓を射って、すぐ大きくジャンプしてイノシシを飛び越える。

イノシシは勢いを抑えられずそのまま木に衝突。


『経験値が変更になりました。陸の動物 5、体験ポイント2を取得しました。』

レベル1、

海の動物 2

陸の動物 5

体験ポイント 15

グループ経験値トータル 22

スキル: 弓名人


「ヤッタ! スキル弓名人!」


「シルバー大丈夫か?」

ブライアンさんとザックさんの声がした。


「はーい。大丈夫です。それより身体機能強化されてるの知ってました?」

俺を見つけた2人は知らないと首を横に振るので、俺はイノシシの事より先に身体が異様に軽い事を説明した。

一通り話し終えた後にイノシシを思い出した。

「あっ、このイノシシどうしましょうかね?」このまま浜辺まで引きずって行こうかと悩んでいると、

ブライアンさんがイノシシの首をかっ切り後ろ足を縄で結んでから木に吊るして解体を始めた。

ザックさんも手伝いに参加している。


リアル過ぎる。

ブライアンさんは「以前は毎年鹿狩りに行ってたから、慣れてるのさ。」と教えてくれる。


あーーー、俺は無理だ。

先程までのアドレナリン大放出がピタリと止まった様だった。

俺ってやっぱり農耕民族なんだわ。

既に気分が悪くなってしまったのでその場から離れる事にした。

他に獲物はいないかと見回すと、ちょうど木登りに良い大きな木を見つけた。

登ってみると遠く川の上流の方に船の様な物が見える。

船? なんであんなところに川幅より大きな船があるんだろう?


『経験値が変更になりました。体験ポイント5を取得しました。』

ブライアンさんとザックさんのイノシシ解体で体験ポイントが入ったようだ。


その時、「シルバー戻るぞ!」とザックさんの声がした。

「はーい。」と返事をして戻るとイノシシを木に吊るして2人がかついでいた。


「すみません。代わります!」

「近いから大丈夫。それより浜辺で蒸し焼きにするからバナナの葉を沢山採ってきてくれ。」

とブライアンさんが言う。

「はい。分かりました。」

それにしてもイノシシ解体してもらって、こんな有名人達に運んで貰って申し訳無いと思っていると、ちょうど2人が川横の道に差し掛かった時、大きな何かが川から飛び出してきた。


「うわー!」

ブライアンさんとザックさんは大きく飛び退いた。


ワニだ。


巨大なワニがイノシシを咥えて体をひるがえしバッシャーンと大きな水飛沫をあげた。

イノシシをジリジリと引きずり込みながら水中に戻っていく。

それにしても大きなワニだった。

少なくても3メートル以上はあった。


あっという間の出来事に誰も攻撃は出来ず唖然としている。


ふと気が付いて、ワニも射止めておけば良かったと思う。

だがワニが水の中に戻ってしまった今となっては遅すぎる。

川に入るような事になってはワニ達の餌食にされてしまうからだ。


結局、俺達は手ぶらで浜辺に戻るとブライアンさんがココナッツを割って俺とザックさんに渡してくれた。

青い空と海を見ながら飲むからか、とても美味しく感じた。

「ありがとうございます。うまいっすね。」


俺はさっきの船を思い出した。

「あっ、そう言えば、さっきお二人がイノシシを解体している時に 川の上流で船のような物をみたんですよ。」


「シルバー、まあ川だから船が有っても不思議じゃ無い。

でもあのワニじゃ船が有っても川は危険だろう。」

ザックさんが言う。


「それがとっても不思議だったんです。

だって川に比べて船が大きかったんですよ。」


そう言ったとたん先程まで晴天だった空が段々と暗くなって、風が出てきた。


「じゃあ見に行こう。」

ブライアンさんがそう言った時に空が光って、風が一層強くなった。


「これってもしかしてフラグ?」とザックさんが笑う。


これがフラグじゃなかったらなんなのさ。

嵐になれば、ここにある荷物は流されてしまうので、必要な荷物を持って俺達は今来た道を引き返した。


川を見失わないよう、そして川に近づき無いようにジャングルを進んでいく。

どれくらい歩いただろう、ジャングルの中にボロボロの小屋を発見した。

勿論俺達は小屋へ行く。


小屋には鍵などかかっておらず、テーブルと脚が壊れた椅子が転がっていた。


「アイテムは何処かな?」とザックさんは嬉しそうだ。

「有った!」っとザックさんが言った時、テーブルの上にヘビが出てきた。

「うわー」っとのけ反るザックさん。

その時、バッサッとブライアンさんの斧が蛇の頭を切断した。


『経験値が変更になりました。陸の動物 1を取得しました。」


「これってハブだよね? 経験値低いなぁ〜。」とブライアンさんが言う。


「あっそうだアイテム。」

テーブルの上にはポーションと地図。

壁にはホコリと蜘蛛の巣だらけのワニ用のモリが2本有った。


ザックさんは「俺はサーベルが有るからブライアンとシルバーでモリを使ってくれ。」と言い、ポーションはアイテムボックスに入れた。


マップをデスクの上で広げる。

マップによると川の上流には湖があるようだ。

そして川を渡った反対側には洞窟や小屋がある。


「ザックさん、ブライアンさん、橋は無いですがあの船の場所から反対側へ行けそうでした。」

「じゃあ船に行こう。」ザックさんがそう言い、俺達は小屋を出て歩き出した。


生暖かい風が背後から吹き付ける。


歩いているとワニが3頭前方に現れた。

右側は川だし、左側は何処が絶壁だか分からない状態だ。

俺は威嚇のために緩めに弓を射ると、2頭はおとなしく川に戻ってくれたが、1頭はこちらに向かって威嚇してきた。


「一頭倒すか。」と、ブライアンさんが言いモリを突いた。

俺も持っていたモリで突く。

ワニは大口を開けてのたうち回る。 

その時ザックさんが頭の下辺りを突き刺した。

「おりゃー!」っと ブライアンさんワニにドロップキックをお見舞いし、そしてフライングボディーアッタック。

その後ワニに跨り斧でワニを連打。

ザックさんはサーベルで斬りつける。


『経験値が変更になりました。陸の動物 5を取得しました。』


レベル1、

海の動物 2

陸の動物 11

体験ポイント 20

グループ経験値トータル 33


経験値5ポイントが加算された。

ワニを仕留める事に成功したのだ。


「おーやりましたね。お疲れです、」俺は2人に言う。


俺達はワニを解体する時間が無いので、足や他の部位を食料兼、エサ用に持っていく事にした。

オンラインゲームと分かっていても、なんかワニ可哀想だなーと思った。


読んで頂きありがとうございました。

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