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15 リゾートで撮影


ブックマークして下さった方、評価して下さった方、本当にありがとう御座います。とっても嬉しかったです!


ゲートを出ると、そこは目に眩しいエメラルドグリーンの海と真白な雲そして青い空が広がっていた。


うっわーーーーキレイだなぁ〜。


俺がやって来たのはアストリア王国の領地セント プルメリア。


珊瑚礁に囲まれた島々からなるセント プルメリアは透き通る海と真白な砂浜が美しいリゾート地だ。


近藤さんが俺を見つけて寄って来た。


「松原さん、今日は宜しくお願いします。」


「こちらこそ、宜しくお願いします。 凄く綺麗な所ですね。」


「そうですね。ここはメインアイランドです。ホテル、レストラン、分譲用のコンドミディアム、ショッピングモール、米国のディルニーも来月オープン予定です。」


俺達はサンダーシャックの仕事でここに来ている。


経費削減でザックさんとブライアンさんは使わず、社員のタヌキの近藤さんと俺を使ってセント プルメリア アイランドのプロモーション画像とポスターを作るのだ。


大手ゲームメーカーにしてはやる事がケチクサイ。


まずはショッピングモール。


アイランドのプレオープニングなので未だお客さんは少ない。


「シルバーさん、近藤さん、2人は恋人同士の設定です。普通に手を繋いで歩いて下さい。それを撮影しますんで。」


俺達は手を繋ぎながらお店をみる。


高級ブティックも有るが、雑貨屋さん、タオル屋さん、水着やサンドレスなどのリゾートらしい品揃えのお店も有る。


「ここは、お土産屋さんですね。プルメリアのクッキーカワイイ。」と近藤さんが言う。


プルメリアの花をモチーフにしたアイシングクッキーはまるで本物のようだ。


「本物みたいだね。」


「でもVRだと食べれないので。。。」

と近藤さんが言うと、


店員さんが。

「VRのお客様には同じものをご自宅へお届けするサービスも有りますよ。」


「なるほど、それは良いですね。」

俺は早速、両親、姉や兄にも送る事にした。



ショッピングモールの後は海岸沿いのボートウォークに移動した。


ボートウォークは色々なゲームが有ったり、乗り物や、食べ物屋さんが並ぶ。


観覧車に乗ったり、ジェットコースターに乗ったり、バスケットボールのゲームをやったりした。


その中にアーチェリーが有った。


「あっ、松原先輩 弓得意じゃ無いですか? アーチェリーも… 。」


と近藤さんが言った。


「えっ、?」


「えーーと、松原さんはアーチェリー得意かなぁ〜と思って。」


と近藤さんは微笑んだ。


「…?」


「そろそろ移動します。」

撮影のアシスタントが呼びに来た。


次に撮影する場所は外資系の5星ホテル ヴィラ ラグーン。

ここは全部屋ヴィラタイプで目の前の視界を遮るものが無い、目の前は海だけだ。


ヴィラの外にはインフィニティプール、ブランコ、滑り台、プライベートのウェットバー、海に向けた椅子などが有り、部屋の中にはリビングやベットルームの他にもマッサージルームまである。


上空から撮影するので俺達は手を繋ぎながら仰向けで海にぷかぷか浮かぶ。


「ここがVLSで良かったです。これが現実世界だったら私達ガングロになってますよ。」


「ハハ、そうですね。現実の近藤さんってどんな人なんですか?」


俺は今まで、不思議と近藤さんが現実世界でどんな人なのだろうなんて考えた事が無かった。


「…… アハハ 私はただのおばさんですよ。」


「俺よりは若いんですよね? それなら俺はジジイですね。」


近藤さんはさっき俺の事を先輩と言っていたので、俺よりは若いのだろう。


「そんな事無いですよ松原さんは凄い人気ですし。」


「いや、それは作られたキャラクターです。」


「はい 、OK です。上がって着替えて下さい。」スタッフが呼びに来た。


スタッフが用意してくれた服に着替える。


「次は夕陽のシーンでーす。」


テーブルの上にはカクテルが置かれた。


「シルバーさん、近藤さんを抱っこして下さい。近藤さんの頭の上に頬を持ってって。 いいね。夕陽入れたいのでそのままお願いします。」



俺はタヌキの近藤さんを膝に乗せて抱きしめながら、俺が気になっていた質問をしてみた。


「もしかして近藤さんは俺の事、昔から知っているの?」


近藤さんは大きなため息をつく。


「…はい。私は近藤玲奈です。別に隠すつもりは無くて…ただ言いそびれて… 。」



マジか………


「玲奈ちゃん?」


「はい。」


なんで俺は気付かなかったんだろう… 。


近藤玲奈ちゃんは俺の元カノの詩織の親友で、田崎さんの元カノだ。


「俺だと分かった時はびっくりしただろう。ごめんな、嫌な思いをさせちゃって。」


俺は急いで近藤さんから離れようとすると近藤さんが言った。


「松原先輩 もう少しこのままでいさせて下さい。 私、松原さんが松原先輩だと分かった時、びっくりしましたが、嫌では有りませんでした。それどころか嬉しかったです。」


「そうだな、玲奈ちゃんが元気だとわかって嬉しいよ。でも世間は狭いなぁ〜。」


沈む夕陽はとても淋しげに、海に溶けてゆく。


俺はクシャクシャとタヌキの近藤さんの頭を撫でた。


読んで頂きありがとうございます。

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