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第9話


 コーディが翌朝目を覚ますと、神殿の中には昨日より人の気配を多く感じた。


 いつも起きて支度を始める時間よりかなり早いが、何しろ今日は祭事の当日だ。知らない女性の声で、そろそろ起きられますように、と部屋がノックされた。聞き慣れたいつもの母親や使用人の声ではない事が、コーディの寝ぼけた意識を一息に覚ました。水差しの中身を飲んで喉を潤し、とりあえず窓を勢いよく開けた。

 空は快晴、とまではいかないものの、綺麗な青空に雲が浮いている。外には何台か、馬車が止まっているのが見えた。役所や領主、それとも神殿の関係者なのか、複数の大人が連れ立ってこちらへ向かって来ている。目を凝らして探した先に、レヴァンス家所有の物はまだ来ていないようだ。けれどこの様子なら、祭事は予定通り行われるだろう。


 そのうちに朝食が持ち込まれ、体調に問題はないか、気分は悪くないか、と幾つかの質問事項があった。コーディの返事に大きな予定の変更はないと判断されたのか、そのままきびきびとした雰囲気の女性二人組と、着替えの準備が始まった。







「乾くまで、どこにも触らないように」

「はい」


コーディは、開いた手の指先をじっと見入った。爪を綺麗にするためのやすりはなんと三種類もあって、順番に一枚ずつ、手の爪の表面を丁寧に磨かれた。最後にひんやりと冷たい液を爪に伸ばして、いつもとは違う不思議な光沢がある。


次は足をスツールの上に置いて、何をするのかと待っていると、どうやら足の爪にも同じ作業をするらしい。女性祭司が屈みこんで、足の指の一つ一つに、手の爪と同じ処置を施した。コーディの方は、くすぐったいのを、真面目な表情を保って我慢するのがなかなか大変である。


 足元の手入れをしている間に、もう一人が時間をかけて髪を編んだ。何度も髪に櫛を入れて、少し痛いくらいの強さで複雑に結い上げる。いつもは後ろで簡単にまとめているだけなので、自分はこんなに髪が長くなっていたんだ、とぼんやりと正面の鏡を眺めた。


「目を閉じて」

「はい」 


 コーディは言われるがままに目を閉じた。頬や目尻をくすぐったいが感触が何度も、そして慎重な手つきで往き来した。頃合いを見計らってちらりと薄目を開けてみると、頬に軽く白粉が、唇にはほんのりと淡い紅を乗せられて、鏡に映る自分の姿は少し不思議である。

 もう良いですよ、と目を開けた鏡の中にいるのは、そっくりな顔のはずのジョシュやグレンではない、というのは珍しい感覚だ。


「……気に入りませんか?」

「いえ、いつもはあまり化粧をしないので、何だか新鮮で」

 

 コーディが鏡の自分の姿を凝視しながらの返事を、二人は出来栄えに対する称賛と受け取って満足したようだ。これで完成、とばかりに額より上のあたりで、作り物の白い花と葉っぱが擦れる音が聞こえた。視界を覆ったのは、薄くて繊細な白い布生地である。


 それから結局靴下を履かされて、足の爪を綺麗にした意味はあまりなかったな、とコーディは用意された木の靴を履いた。これは足が痛くなりそう、という心の内を見透かすように、注意が入る。


「……痛くてもどうしようもありませんから、儀式が終わるまで我慢して下さい」

「わかりました」


 立ち上がる際にその場で軽く足踏みをしてみると、コツ、コツ、と独特の硬質な音がした。どれも、普段のコーディであれば身に着ける事はない。ベールがあるので想像以上に前が見えなくて、履物も慣れないので大変そうだ。


「ありがとうございました」


 コーディは二人のお礼を述べてから、部屋の外へ慎重に踏み出した。何しろ慣れない足元と、それからベールである。脳裏にはかたつむり、生まれたての小鹿、と揶揄する文句が思い浮かぶ。ジョシュやグレンが近くにいれば間違いなく実際に言い放たれていたに違いないが、幸か不幸か今は一人きりだ。


 そう思った矢先に、廊下の角を曲がって誰かが現れた。


「……コーディ?」

「ロラン。そっちは終わった?」

「一応は」


 声のした方に、コーディは今まで練習しておいた、お上品な所作で歩み寄った。この調子では、視覚はあまり頼りにならないだろう。

 コーディの方はいつもと何もかも違う恰好なので、ロランの飾り気のない口ぶりに少しほっとした。ベール越しに、彼の鮮やかな紅茶色の髪はややぼんやりとはしているが、見間違えるはずはない。


「大丈夫?」


 コーディは少しベールの布をかき分けて、どうにか明瞭な視界を確保した。目があったロランが、まじまじとこちらを覗き込んでいる。


「手が込んでいるね、すごい」

「全く同意見だよ。どうして私ばかり、こんなに」


 コーディは儀式の相方の格好を上から下まで観察した。ロランの方は、普通の男の子の格好から、生地の質が良い物に変わっている程度で、それが羨ましい。後は髪を軽く整えてある程度だ。化粧もしていないし、足元だって革製のシンプルなブーツだ。


「甲冑ないの? 護衛剣士様はよく、鎧兜身に着けた姿で描かれているでしょう」

「……あれ、歩くとすごく喧しいから、多分聖女ユニス様も本当はうるさかったと思う。廃止になったんじゃないかな」


 へええ、とコーディは相手の説明に納得するしかない。確かに今の軍には騎士団だった頃と違って、鎧は採用されていない。衣擦れの代わりに金属が触れ合うので、確かに賑やかな音がしそうだ。


「……ロラン、あんまりこっちを見なくていいよ」

「ああ、ごめん」


 昨日もコーディとロランは一緒に鏡を見たりしていたのに、今のきちんと衣装と化粧で整えた姿を見られるのは、何だか落ち着かない。

 言葉が途切れた合間を埋めるように、神殿の鐘が打ち鳴らされたらしい音が響いた。街で正午と夕刻に鳴り響く音よりもずっと高く澄んだ不思議な音である。どこか、女性の高く美しい歌声のようにも聞こえた。


「……今の、すごく綺麗な音だったね」

「うん、初めて聞いた。祭事をやるっていう合図なのかな」


 辺りは、不自然なくらいに静かだ。ここでいつまでも衣装の愚痴を零している間にも、早く行きなさい、と扉が開いて、先へ先へと急かされるだろう。行かなきゃ、とコーディはロランと一緒に颯爽と進みたかったが、残念ながら歩みはとてもゆっくりとしたものだった。

 彼の方は先に行く様子もなく、コーディの鈍い動きに文句を言うでもなく、歩幅を合わせてくれているらしい。


 やがて階段に差し掛かった。進むための難易度が上がったため、一度立ち止まって視線を足元に移し、段の幅や高さを確認した。手すりがないので壁際に寄った方が良いだろうか、と考えていると、そこに手が差し出された。


「……ほら」

「いいの? ごめん、ありがとう」

 

 コーディは戸惑っていると、じれたようにロランの手が揺れた。申し訳なく思いつつ、真下を注視しながら、ロランに手を貸してもらって段差を降りる事にした。遅くてごめんね、と途中で口にしながら、小さな子供みたいに一段ずつ慎重に足を揃える。


「今日のロランは本物の騎士みたいだ、すごいよ。きっと本物の聖女ユニス様も、お守役の剣士がいてすごく心強かったと思う。甲冑の音が賑やかなのは置いておいてさ」

「……そ、そう」


 コーディは心からの感謝と称賛を込めたのだが、ロランからの返事は芳しくない。階段昇降の介助程度ですごい騎士だ、と褒められても変な気分かもしれない。コーディはその調子で喋っていて、とロランからはよくわからない要望が足された。よいしょよいしょ、と段差を切り抜け、二人は建物の一階部分へと降り立った。そそくさと、彼の手が離れて行く。


「あと、どれくらい歩く必要がありそう?」

「それが、……全然誰かが来る様子がない」


 ロランの不審そうな声に、コーディもつられて、再びベールを捲って周囲を見回した。


「……とりあえず一階のどこかなのかは確かだから、大丈夫だよ」

 

 昨日初めて足を踏み入れた慣れない石造りの神殿だから、きっと何もかも変な風に感じてしまうのだろう。二人はこれから祭事の主役として一日を過ごすので、緊張するのは当たり前だ。ロランはコーディの意見を聞いて、どこかほっとした様子である。二人はそのまま建物の中を進む事にした。



さっきまでは晴れていたのに、明るかった神殿の内部に入り込んでいた陽の光がいつの間にか遠ざかっている事。外から時折聞こえていた馬のいななきや、廊下を行き合う足音と話し声も途切れていた事。


 何かがおかしい、と気が付くだけの余裕はなかった。










「……レヴァンス先生、いやに時間がかかっているとは思いませんか」


 目を閉じて壁際のソファに座っていたレヴァンスは、セクターからの問いかけを聞いて、取り出した懐中時計を確認した。確かに彼の言う通り、神殿側から指示された時間を、既に半時は過ぎている。


 祭事の主役を務める二人の子供の、それぞれの父親は神殿の一室でひたすら待ちぼうけをくらっていた。先ほどまでは別の混雑した待合室にいたのだが、移動するように言われてから随分時間が経っている。


 朝方に神殿へ到着すると、本日は天気がいいので予定通り行う、という話だった。子供達はもう支度に入っているので後で会えますよ、とも言われた。それから街の神殿に待機していた大祭司も、領主である公爵もこちらへと向かっていると教えてくれた。


 娘の可愛い衣装が見られるのなら、これくらい待たされるのはあまり苦痛ではない。一方のセクターは落ち着かない様子で、窓の外や部屋の隅に設置されている時計をちらちらと窺っていた。


「私はむしろ、この手の催しが時間通りの順調な進行をした経験がありませんね。きっと、まだまだ時間がかかるでしょう」


 レヴァンスが笑って見せると、どこか不満そうな様子ながらも、セクターも子供達を大人しく待つ事にしてくれたようだ。

 以前に、この儀式に子供を参加させた家に連絡をとって、大体の時間の流れを聞いておいた。それによると、とにかく進行具合はゆっくりで、待つ方の事はいささか軽視するようだ、と苦笑していた者もいた。つまり、焦ったところでどうにもならない。それは屋敷で待機している残りの家族にも伝えてある。


 この山間の古い神殿は、今となっては祭事に使用するくらいで、部外者が軽々しく出入りする事はできない。娘が祭事の主役を務めるレヴァンス家でさえ、コーディと当主である自分以外、それから従者が一人許されているだけだ。こちらはいつも通り助手のシルバが、セクターの家は優秀そうな若い従者が黙って主人に付き従っている。

 

 昨夜の、一人子供が足りないレヴァンス家は、息子のジョシュとグレンが、コーディのいない分を埋めようとしていたらしい。いつも以上に賑やかで、しかしどこか物足りない夕食だった。

 


「……遅くなってすまない。だが、どうやら間に合いはしたようだ」


 部屋の戸がノックされて、姿を現した相手に、部屋にいた全員が人間が姿勢を正した。楽にしていてくれ、とやや遅れて到着した領主である公爵は苦笑しながら部屋を見渡す。

 何代か前の公爵家に当時の王女殿下が嫁いでいる影響なのか、この国では王族に多い特徴である銀色の髪の持ち主である。自分よりやや年上の高位貴族は、自身の権力に見合う堂々とした風格を有していた。

  

「セクター。ご子息の様子はどうかな? 今日は一日、小さな淑女の面倒を見てもらわなきゃならん」

「ええ。特には問題はないと聞き及んでおります」


 ロラン少年の父親、セクターは言葉少なに受け答えをしたが、公爵はそれで満足したようだ。


「あの、寂しがり屋の偏屈婆さんから話は聞いているよ、二人で仲良く相手をしてくれたようで。本人がどこまで態度に示したかどうかは定かではないが、母に代わって感謝するよ」


 レヴァンスもコーディから、ロラン少年を誘って公爵の母親にあたる老婦人のところへ二人で出かけて行った話は聞いている。お庭がとっても綺麗で、と楽しそうに色々と報告をしてくれた。


 それで、と公爵はこちらへ向き直った。


「……先生は去年の惨状を知らないだろうが」

「……なんでも、剣士役と聖女役が喧嘩になって、一言も口も聞かなかったとか」

「おや、ご存じとは。今年は、その心配がなさそうなお利口さん達を選んだはずだがね。去年は寄進の額面だけで選ぶとロクな結果にならん、と祭司に忠告したら場の空気が増々悪化して、散々だったよ」


 公爵は芝居がかった仕草で肩をすくめた。話を総合すると、彼にも原因が少しあったようにも思えたが、それを指摘できるような関係性でもないので、レヴァンスは曖昧な笑みを浮かべておいた。

 領主は神殿から毎年、儀式の進行を見守る役目を求められているので、毎年子供達の動向は気になるのだろう。


「ええ、娘が少しでも聖女ユニス様の名に相応しい振る舞いができるように、と自分で色んな方に聞き回っていたようで」

「……それはそれは。素晴らしい心掛けのお嬢さんだ。もう少し大人になったら、私の屋敷に来る気はないか? そろそろ息子の結婚相手の世話係の選定を、と思っているところでね」

「もし、……もしも閣下が医者、として招集すれば、喜んで伺うかもしれませんが」

「……まさか、医者志望なのか? 都会から来た御令嬢は先進的で素晴らしいね」

 

 公爵がレヴァンスからの回答を聞いて驚いている中で、神殿の鐘が鳴る音が聞こえた。ただし、いつも街で耳にする時報とは違う。音も、氷や、鏡面のように磨き上げられた金属を叩いた時のような、高く澄んだ特徴的な音が確かに、三回聞こえた。


「……ちょっと変わった音だったな。今までもこんな感じだったか?」


 公爵は引き連れていた自分の従者達を振り返ったが、誰も明確な回答をしようとはしなかった。大人達が不審そうに顔を見合わせていると、部屋の外から人の足音と話し声が近づいて来た。ようやくか、とレヴァンスもそちらへ注目した。


 教会の一室に慌てた様子で入室して来た祭司の一団は、そこで待たされている二人の父親と公爵以下、部屋の隅々に視線を走らせて、表情を強張らせた。続いてここに滞在していたであろう役所の人間らしき姿も次々に入室して、部屋は突然狭く感じられた。

 ここでもないなんて、という困惑したような呟きを耳が拾う。しかしこちらに向かっては、誰も発言を迷うように口を閉ざし、視線を逸らした。


「何か、手違いでも? もし必要であれば医務官として、お手伝いできる事があるかもしれません」


 子供達が慣れない環境と極度の緊張で、普段通りの事ができなくなる可能性は、一応頭の中に想定してあった。こういう時ばかりは自分がその対処法を他の職業より心得ているという自覚はあったので、迷わず発言をしたにも関わらず、彼らの表情は一向に晴れる事はない。 


「それが……ロラン・セクター殿、並びにコーデリア・レヴァンス嬢の、姿が見えず……]


 言いながら、年若い神官の顔は青ざめて行った。徐々に声が小さく、最後の方は上手く聞き取れなかった。はあ、と事態を飲みこめていない間抜けな呟きが、部屋で待機していたほぼ全員の口から零れた。


「……お花を摘みに行っているのでは?」

「控室を出て廊下で両者が落ち合い、礼拝所へ向かうところまでは複数の世話係が確認しています」


 それ以降の足取りが掴めない、とまるで子供が人の立ち入る事無い森の奥深くに向かったかのような口ぶりである。神殿のあちこちに誰かがいるじゃないか、と公爵が指摘したが、誰も二階の控室を出て、階段を降りた後のコーディとロランを見ていない、と彼らも困惑しきった表情で繰り返した。


「出入り口の警備はどうなっている?」


 軍人らしい固い口調で言葉を挟んだのはセクターだった。そもそもこの公爵領は、貴族の別荘が立ち並ぶ、比較的裕福な家の別邸が集まっている地域である。もちろん、治安の維持にも力が入れられている。いくら祭事で人の出入りが多いとは言え、いきなり人さらいや誘拐が横行する程、公爵の威光と国の南を守る軍の評判は軽くない。


「この神殿の後ろは切り立った崖だろう。子供を連れて昇れるわけがない。それに、遅れて来た我々とすれ違う者は誰もいなかったが」


 公爵が冷静に指摘したので、一同は再び押し黙った。駆け落ち、と誰かがひとり言のように呟いた台詞が、誰もが口を閉ざしているせいで、部屋の中に妙に大きく響いた。発言してしまったらしい役人はバツが悪そうに、二人の父親から目を逸らして小さくなっている。


「まさか。相談と報告と説得の過程を飛ばして最終手段に出られるような、薄情な親子関係ではありません、流石に」


 馬鹿馬鹿しいとは思いながら、レヴァンスは淡々と事実を述べた。大体、まだ二人とも十歳の子供である。そこへ、別の一人が部屋へ駆けつけた。


「二人の部屋から荷物が全て、消えています」

「それを持って、外へ出た可能性は……」

「それもおそらくはないでしょう」


 今度はセクターが真っ向から否定した。


「荷物には移動には邪魔になりそうなものを、延期した場合の暇つぶしにと詰めておいたから、流石に全て持ち出すのは都合悪すぎる。本当にどこかへ逃げるつもりだったと仮定すれば、極力身軽になりたいはずです」

「……とにかく、手分けして二人を探せ。誰かに連れ出されたにせよ、自ら行方を眩ませたにせよ、まだ遠くへはいけないはずだ。神殿の中と、外で分かれて捜索しなさい」


 沈黙を破るように、最も身分の高い公爵が指示を出した。レヴァンスはセクターの言うかさばる物が一体何なのかは大いに興味があったが、今はそれどころではない。主人からの命令が飛んで、彼の部下達が一番先に動いた。セクターもそれに続き、従者を連れて部屋を出て行った。


 部屋に残ったのは公爵と、それからレヴァンスと従者のシルバだけである。自分も行きます、とまだ事態を呑み込めていない様子のシルバも、慌てた様子で捜索隊に加わって行った。

 その場に残された大人の口から零れたのは、本当に二人共消えたのか、という何とも間抜けな台詞である。


「……去年どころの騒ぎじゃないぞ、これは。二人とも突然いなくなるなんて。先生、先生は見つかった時に備えてここで待機していて下さい。怪我をしているかもしれない」


 呆然としていたレヴァンスは公爵からの言葉に頷くのが精一杯だった。始まって以来の大事件かもしれない、と公爵が頭を抱えている様子を、まだどこか信じられない面持ちで見ているしかなかった。


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