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~プロローグ~

人は死後、あの世へ転生すると言われている。


だが、世の中はそう単純ではない。


地球は宇宙という大空間の中の世界である。宇宙には地球だけではなく様々な惑星が集まっている。


その惑星としての異世界には生命が存在する。更に人という知的生命体が存在する。


さて、人は死後、何処へいくか?


行き先はあの世だけでなく、他の惑星(いせかい)の人間として、転生したりする。それは生前の行いで決まるわけではない。勿論、神の決め事でもない。生前の自分の意思で決まるものだ。


来世として、他の惑星に転生したものは自分の希望通りの生き方を送れる。本作の主人公もその一人である。


それでも信じられないと思う者はこの物語を読めばきっと分かるはず。


―東京―


東京(ここ)は白きコンクリートのジャングルに溢れ、「これでもか」と思ってしまうほど便利さが半端ない。ゆえに多くの人が集まり、便利さと引き換えにストレスが多く溜まる。ただ、俺は周りの人々と違って、その都会的ストレスにあまり敏感ではないのは、俺は東京育ちで人混みに慣れてしまってるからだ。


あっ、紹介忘れてた。俺は相模原宙等(さがみはらそら)。東京の星央大学(せいおうだいがく)に通ってるごく普通の大学1年生。一応、将来の夢は世界平和である。その夢を買うためには国家公務員である外務省を受ける所存である。


俺は大学の講義室で普通に講義を受けていた。ただ、教授の授業をぼんやり聴講するだけの時間であるが、講義中に女子大生が俺に話しかけてくる。


「宙等~、ここ分かんないけど~」


今、俺に話しかけた女子大生は日出緋獅照(ひのであかしで)。俺の幼馴染みで幼稚園の頃から俺と同じ学校であった腐れ縁。活発で元気な運動神経抜群の女子であるが、「この大学によく入れたな」と言われているぐらい勉強が苦手なのが玉に瑕。


俺も正直言って、講義の内容をマスターしている訳ではないが、彼女のことを見捨てられず、分かる範囲で教えてやった。


すると、今度は黒髪ロングの女子大生がヒュイと顔を背けた。


その彼女の名は神崎天鳥(かんざきてんか)。神崎神社の禰宜(ねぎ)の娘である。彼女は東京という大都会に憧れて、この大学を受けに北関東の田舎町から上京してきた。楽しきキャンパスライフを送ろうと彼女はおもっているものの、緊張しており、友達も作れていないほど、なかなか実行できていない。


講義が終わり、宙等と緋獅照は食堂へ向かう途中。


「宙等」


いつものように緋獅照は宙等に話しかけた。


「あたしって、ホントにバカだよね(テヘッ)」


「いや、そんな事ないよ」


「でも、あたしがこの大学に志望した理由はちゃんとあるの」


「……」


「国際警察になって世界中を旅したいの」


海外に行ったことがない俺は緋獅照の壮大な夢を聞いて少し驚いた。


「ある刑事ドラマを見て、警官に憧れちゃって。あと、海外に行って、この世界はどんな世界かを知りたくて。それに世界のどこかで惨たらしい事件が起こってる……それであたしは海外へ行って、平和な世界にしたいの」


「俺もそう思ってたところ」


俺は緋獅照の将来の夢に共感した。


「俺も実は世界平和を買いたいと思って、外務省を目指してたところだよ」


「あたしと夢が一緒だね。お互いに頑張ろうね」


「おうよ」


俺と緋獅照は将来の夢で話が盛り上がってきたところに美少女らしき声が割り込んできた。


「その夢、あなた達には買えるかしら」


その如何に性格が悪そうな台詞を掛けた彼女の名は坂東羽蘭(ばんどううらん)。彼女は一流企業である坂東コーポレーションの社長令嬢。容姿端麗で成績は常にトップクラスでおまけにスポーツ万能。その反面、腹黒な性格で自分の才能に過信している点が彼女の短所であって、正直ウザく思わされる。


「何よ! 努力をすれば夢は誰でも叶えられるもん! あなたみたいに努力を知らない才女には言われたくないわ!」


緋獅照は羽蘭の言動に対して、喧嘩を買うように言い返した。緋獅照と羽蘭はライバル的な関係である。


「だから、何ですの? あなたの学力では本来、この大学に入ることすらできなかったでしょうに。」


「夢を追うために努力したもんね!!」


「あら、あなたはAO(コネ)でこの大学に入ったかと思いましたわ」


「コネじゃないよ!」


二人の喧嘩を見ている俺は必死で喧嘩を止めようとして、周囲の人からの視線を感じる中、つい言葉がでてしまった。


「いい加減、喧嘩を止めろ!!!」


二人の女子に向かって、大声で怒鳴ってしまった姿を見られた俺はすごく恥ずかしく思った。


「あっ、あのっ、すいません! 業と怒鳴った訳でない」


「何言ってるのよ。それより、喧嘩を止めてくれてありがとう。世界平和を買いたいのに喧嘩を買うわけないもん」


「まぁ、同感ですわ」


まさにその通りだ。喧嘩を避けるのも世界平和を買うための条件なのだ。


気を取り直して、食堂に着いた。この大学の食堂は至ってオーソドックスである。強いて言えば、少しお手頃な値段で昼食がとれるところだ。


「私はハンバーグ定食にするけど、宙等は今日、何にするの?」


緋獅照のありきたりな質問に俺は何となくこう返す。


「何にしようかな・・・じゃあ、俺は緋獅照に対抗して、焼き魚定食とするか」


メニューを選び終わった俺と緋獅照は席に座り、昼食を食べようとしたとき、俺より背の低い女子大生が勝手に席に座った。


「宙等せんぱぁ~い」


同学年であるにも関わらず、なぜか、俺のことを先輩扱いした背の低い彼女の名は桶川夏音(おけがわかのん)。彼女の実家は埼玉県で林業をやっており、年収も比較的低い。その上、彼女は実家から通学しているので、低収入な割には学費だの交通費だのと支出が高そうだ。しかし、彼女は超難関の大学と言われている京東大学(きょうとうだいがく)に入れたほどの学力であり、この大学の特待生として、学費の免除を戴いている。彼女はなぜ、頭が良いのに京東大学に入らなかったのかが不思議で仕方ないが、家庭が貧困な事情で京東大学では特待生に選定されないと分かってて、京東大学の学費の納入すら困難であっただろうと思われる。そんな家庭環境であってか、彼女は常に明るく、努力家である。


「今日の『国際社会と宗教』の先生ね、スケールのデカいこと言ってたの」


俺と緋獅照は興味津々に夏音の今日の授業での出来事の話を聞く。


「あぁ、いつか日本も誰かに狙われちゃうよな・・って」


「名ばかり天才少女が急に何ハッタリを言い出しやがる」とふと思った。


「おい、冗談にも程があるだろ?まぁ、北朝鮮が日本に向けて、迎撃ミサイルを発射する行為はニュースでも耳にするけど、幾度となく失敗してるし、日本が簡単に滅びることはないよ。」


宙等は冗談であるかのように笑みを見せながら、夏音に説得したが、夏音が言っていることは正しかった。


「いや、そんな気がしたんだ・・」


夏音がそう呟いた。次の瞬間!


「何だ、あれ!?」


「空飛ぶ舟?」


周りの学生たちは大学に近づいてくるスペースシャトル擬の宇宙船を見つけては興味津々に建物から外に出ていく。しかし、スペースシャトル擬にしては黒っぽすぎる。花音が言った通り、あの宇宙船に日本を狙う敵が乗っている可能性がある。てか、ほぼ確実だ。宙等はとても嫌な予感しかなかった。


まさか……これが夏音が言ってた日本を狙うものか……


暫くすると、宇宙船の扉からファットマンらしき爆弾が大学の敷地内の方へ落ちていく。

ちなみにファットマンとは、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国で開発された原子爆弾であり、1945年8月9日に最初の一発が長崎に投下されたものである。


このパターンは……人生の終焉を迎えたに違いない……


爆弾は地面に着地とともに凄まじい爆音と爆発で生じた光が宙等たちを巻き込んでいく。その爆発はまるでビッグバンが発生したかのように大学の周囲まで拡散した。


あ、辺りが真っ白だ………


宙等は爆発によって、幻覚に狂わされたかのように命を落とした……と、思われた。


「ここは…………どこ?」


宙等は目を開けた。いや、宙等では無い。て言うか、世界が違う。


皆に安否確認をとろうとスマホをポケットから取りだそうとするが、スマホが無い……てか、手紙がポケットに入っていた。


「ザックへ

ようこそ、我が世界へ

貴方は生前の己の意思でこの世界までたどり着いた

世界平和を願う強き正義感を讃え、英明なる武器を授けよう

神より」


まるで異世界でよく見られる手紙の文面だ……いや、ここは異世界だ。辺りが何もかも異世界だ。


武器を授けられると神から告げられたのだが、何も出てこない。神の仰った武器とは能力がアップした的なものなのか……いや、それはどうでもいい。そんなことより、人気(ひとけ)のある場所へ行ってみなければ、一体ここはどんな世界なのか分からない。


ザックの世直し旅はスタートしたのだ。

初めて、小説を書きました。

表現的に下手な部分あると思いますが、温かく見守っていただけるとありがたいです。

誤字脱字や変な表現等がありましたら、ご指摘お願いいたします。

今後もよろしくお願いいたします。

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