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第8話 魔力トレーニング

(・・・暇だ・・・)


赤ん坊であるハーディは小さな木枠で出来たベッドに寝かされていた。

小さな布団の周りは木の柵で囲われており、現在のハーディでは脱出不可能だ。

もとより、手足をバタつかせても碌に動けない。


(何と人間の貧弱な事か!)


ハーディは自分自身にむかっ腹を立てるが、動けないものは動けない。

日々の楽しみといえばニーナの爆乳によるエネルギージャージタイムのみだ。


かれこれ半年くらい経ったのだろうか。


自分が<皇帝竜(カイザードラゴン)>ハーデスであった時の記憶を整理した後、結局のところ何も変えることが出来なかった。なぜ自分が勇者どもに狙われたのか? なぜ人間の赤子に転生させられたのか? 転生させられた時からの時間経過はどうなっているのか? 勇者たちに攻められた自分が、なぜ転生して勇者降臨とか言われてしまっているのか? 結局考えてもわからないことだらけだった。

その上、人間の赤子のため外部からの情報収集もままならない。


仕方がないので、ハーディは<皇帝竜(カイザードラゴン)>ハーデスであった時の事を考えるのをやめて、とにかく今の状況を少しでも改善していこうと考えることにした。


ところが、これはこれでままならない。

とにかく現在、ハーディが自分で出来ることはほとんどない。

皇帝竜(カイザードラゴン)>ハーデス時代ではありえなかった排せつと言う現象についてはいたくプライドを傷つけられた。

・・・両足を持ち上げられてシリを見られるなど、屈辱以外の何物でもないわ。


自由に動けないし、コミュニケーションも取れない。先も行ったが楽しみはニーナの爆乳によるエネルギージャージタイムのみだ。大事な事だから2回言おう。



そういえば、前はちょっと大声を出せば、トーリやタニアが見に来てくれた。

それが今やどうだ。「どうせいつもの癇癪だろう」などと、たいして相手にもせぬようになった。それでは我があまりに暇ではないか!


トーリなど抱っこしてきた際に顔を引っ張ってやるのが楽しいというに。

・・・まあ、そんなことばかりしているから大声を出しても誰も来ぬようになったのだろうがな。


誰も来ぬのだら、こちらから会いに行ってやろうではないか。


ふはははは! すでに一人で一日ゴロゴロしているのは暇だから、魔力トレーニングは毎日続けているのだ!


キィィィィィィィィン!


ハーディは魔力を全力で集めて行く。筋力はほどんど期待できず、今だ立てない身ではあっても魔力を直接纏い空中に浮かべば移動も容易い。


ハーディは濃密な魔力を纏っていく。


(ぬははははは!もうすぐだ!)


ブウゥゥゥゥゥゥゥゥン!


僅かだがハーディの体が浮き始める。


(もうちょっとだ!もう少し!)


さらにハーディは魔力を込める。


(行くぞ!出発!)


ボバンッッッ!!


集め過ぎた魔力をうまく扱えず、大爆発を起こしてしまった。


ぷしゅぅぅぅぅぅ


口から煙を吐いてひっくり返るハーディ。


「な、なんじゃ!?」


トーリとタニアが慌てて部屋に入ってきた。


そこには頭の毛を爆発させて仰向けにひっくり返っているハーディが。


「おおっ? 髪の毛がボサボサになるまでベッドの中で転げまわって遊んでおったのかのう?」


「今は疲れてすっかり眠っているみたいだねぇ」


トーリとタニアはハーディが魔力爆発を起こしてひっくり返っているとは露にも思わず、ただ遊び疲れて寝ているのだと思っているようだ。


(ぬうう・・・、何と集中力の続かない体よ!)


ハーディは歯噛みした。魔力トレーニングで魔力総量を増やすことを集中的に取り組んできた。具体的には寝ている間も身体強化を使用し続け、魔力枯渇による意識喪失を毎日のように繰り返している。全く持ってムチャクチャなトレーニングだが、実際の所『竜の叡智』により最も効率の高い魔力トレーニングとの結果が出ているため、ハーディは何の戸惑いも無く枯渇させてはダウンすることを繰り返していた。


(だが、魔力コントロールのトレーニングも集中して行わないと、一度に大量の魔力を扱うのが難しいことが分かった。魔力のコントロールは集中力が必要になるが、この体ではその集中力が瞬間発揮できても、全く持続できない)


もちろん『竜の叡智』による検索で魔力コントロールに最適なトレーニング方法を確認している。

座禅を組んでの魔力周回トレーニングだ。

ジッとして自分の体のつま先から頭のてっぺんまで魔力を周回させる。

これを続けて行くと「瞑想(メディテーション)」という短時間で魔力を回復させることが出来るスキルへと進化する。


(我、ニガテなんだよなぁ~、ジッとしてるのって)


皇帝竜(カイザードラゴン)時代、あれほどヒキ籠ってゴロゴロしていたとは思えない言い草だが、魔力周回はかなり集中力のいるトレーニングである。

皇帝竜(カイザードラゴン)時代は強大な魔力をまるで息を吸うかの如く自由にコントロールしていたハーディにとって、人間の体は非常に魔力効率の悪いものであった。

だがしかし、転生してしまったからにはこの体にて対応していくほか道はない。


自由な行動を手に入れるべく、ハーディは再び魔力コントロールのトレーニングを密かに続けることにした。


今後とも「ドラリバ」応援よろしくお願いします!

(自分で愛称呼んでます(苦笑))


他にも投稿しています。


転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?

https://ncode.syosetu.com/n2026ew/


魔王様にテンセイ!

https://ncode.syosetu.com/n2011ew/


よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。


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