第27話 プレッシャーは己が勝手に作るもの
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「くっ・・・緊張するわね・・・」
プロドリラー、イザベラが隣でブツブツ言っている。
「イザベラ、どうかしたのか?」
現在、我とクラリス、イザベラは高等学校の試験会場にいた。
これから筆記試験、実技試験を受けなければならない。
試験を突破しないと高等学校に入学出来ないのだ。
「アンタ、プレッシャーとか無いワケ? 落ちたりしたら両親に顔向けできないでしょ!」
「プレッシャー?」
「そうよ!プレッシャー!」
「ん? 誰もお前に圧力などかけてはおらぬではないか」
そう言ってハーディは<魔力感知>を唱える。
「魔力は感知できないな。魔法攻撃ではなさそうだぞ。物理的圧力でもあるのか? 特に感じないが」
そう言ってイザベラの頭を撫でるハーディ。
「ななな・・・何するのよ!」
プルプルしながら頭をなぜかハーディの方へ寄せるイザベラ。
「あ~~~~! イザベラちゃん何抜け駆けしてるの! 人が試験会場調べて来て上げてるのに!」
プンスカ怒っているクラリス。
「ち、違うのよ・・・、ハーディにプレッシャー無いのって聞いたの。そしたら、<魔力感知>を唱えて、魔法攻撃は無い、とか、頭撫でて、物理的圧力は感じない、とか・・・」
「へ!?」
クラリスが首をコテンッと傾げて意味が分からない、という雰囲気を出す。
「だから、イザベラに誰かがプレッシャー攻撃を受けているような事はないぞ」
ハーディは真面目に答える。
「ハーディ、イザベラちゃんが言っているプレッシャーって、試験に落ちたらどうしようとか、ご両親に申し訳ない、とかそう言った気持ちの事じゃないかな?」
「ん? その説明では、イザベラはプレッシャーを外的要因で受けているのではなく、内的要因として自分で発生させているということか?」
「自分で発生?」
イザベラもどういうこと、という感じで首を傾げる。
「イザベラの言うプレッシャーとは、自分の中に己で作っているものであろう。相手から与えられるものではないように思うぞ。外的要因は今調べたからな」
そう言ってイザベラを見つめるハーディ。
「自分の中に己で作る・・・」
「そうだ。外部から実際にイザベラに圧力がかかっているわけではない。という事は今感じている圧力は自分で作り出した物だという事だ」
「ああ、自分の気持ちだから・・・」
クラリスが少し分かったような表情になる。
「自分で自分に圧力を掛けているのだから、自分でその圧力を解けばいい」
「どどど、どうやって!?」
ハーディの肩を掴んでガクガク揺さぶるイザベラ。ドリルヘアーも勢いよく揺れる。
「自分でやめればいいではないか。圧力を感じるのを」
事も無げにそう言うハーディ。
「はあっ!?」
「ああ・・・、そうだよね。自分の心なんだから。でも、それ難しいよね・・・?」
クラリスは少し困った顔をする。
「そうよっ!難しいわよ! ハーディ何とかしてよ!言い出しっぺなんだから」
「ずいぶんと無茶を言う、イザベラの心を我がどうにかする方が難しいのではないか?」
随分と困った表情を作るハーディ。クラリスもそんなハーディの珍しい表情を見て表情が綻ぶ。
「いーや! ハーディのせい! 落ちたらハーディのせいだから、何とかして!」
無茶ぶりの権化ここに極まる。以前イザベラの事を理不尽の権化と認識したのは間違いではなかったとハーディは心底思った。
無茶ぶりには無茶ぶりで。ハーディは『竜の叡智』で調べたことわざに「目には目を、歯には歯を」という言葉を見つけていた。つまり、困った時は相手に同じ事を返せばよいのだ。
ハーディはイザベラの両肩をガッと掴む。
「きゃうっ!」
イザベラがビクッとする。
「イザベラよ。ではこの試験を見事に突破できるように我がおまじないをしてやろう」
そう言ってイザベラの顔に自分の顔を近づけていく。
「へっ・・・!?」
イザベラは硬直した。
「ちょ・・・ちょっとちょっと!」
クラリスは慌てふためいた。
イザベラとハーディの唇がかなり接近したところで、ハーディが宣う。
「いや、これは高等学校の入学試験を見事突破した後のご褒美の方がいいか」
そう言ってプイッと顔を背けて離れるハーディ。
「なっ・・・!?」
ドキドキして硬直して目をギュッと瞑ってキスを待ってしまったイザベラは引っ込みがつかない。そして爆発する。
「何よっ! 何がご褒美よっ! 馬鹿にしないでよね! そんなご褒美、全然嬉しくないんだからねっ!」
プンスカ300%で怒りながら試験会場に先に向かうイザベラ。
「ふむ・・・、少なくとももうプレッシャーは感じてはおるまいよ」
「さっすがハーディだねっ!」
後ろから首に抱きついてくるクラリス。
「ふっ・・・、これくらい造作もない事よ」
得意げにニヤリと笑うハーディ。
「で、イザベラちゃんが入学試験突破したら、キスのご褒美あげるの?」
ジトッとした目でハーディをねめつけるクラリス。
「え~~~っと・・・」
ハーディはどうしてこうなったのか自問自答しながら途方に暮れた。
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