第四章 魔術炸裂!
戦闘です。
今、ライトたち一行は猛獣の巣窟と化した大森林をまるで近所のコンビニに行くような感覚で突き進んでいた。
いくら雪が降り積もっているといっても、地形はそう変わらないうえ、小さいころよく遊んだ場所であり、マップは頭にある。
そして襲ってくる猛獣は、ウェイポンにもらった武器のおかげで何の障壁にもならない。
そしてライトたちはついに、もうすぐでポートの街にというところまで来ていた。
「見えた!ポートの街!」
「ウェイポンさんに会わなかったらかなり苦しかっただろうね。」
「だな。」
3人で笑いながら森を抜けようとした。その時だった。
「!?」
その瞬間、突如地中から植物の根が生え、ライトの足に巻き付き、宙釣りにされてしまった。
「きゃあああ!何?何なのこれ!?」
スカートを抑えながらライトが涙目で叫んだ。
「あれは食人花だ!それより大丈夫かライト!」
「大丈夫!ちょっと二人とも後ろ向いてて!」
「「お。おう。」」
ベルクとリーフが後ろを向いたのを確認すると、ライトは自分をとらえる忌まわしい食人花の根をナイフで切り裂いた。落下する時に着地準備をしつつ初級光魔術の光弾<ホーリーボール>を打ち込んで、着地した。
「もう前向いていいよー。」
「「わかった。」」
ベルクとリーフが前を向き、それぞれ武器を構え直した。
「さあ、こっから反撃だ!」
「「おう!」」
ベルクの号令に威勢よく答え、皆まっすぐに食人花を見据えた。
「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
奇声を上げる食人花が勢いよく二本のつるを伸ばすが、
「<ソニックウィンド>!」
リーフの放った初級風魔術の刃と大剣の一振りによって真っ二つにされた。
「ギシャアアアアアアアアア!」
とうとうマジギレした食人花が3人を丸呑みにしようと突っ込んでくるが、
「<タイフーン>!」
またもやリーフの放った中級風魔術の竜巻で阻止されてしまった。
「今だ!ベルク、ライト!」
「「よっしゃあ!」」
風に足をとられた食人花にとどめを刺そうと、ベルクとライトが突っ込む。そして、二人は自分の得意とする剣技を放った。
「<フルスイング>!」
「<スクエアスラッシュ>!」
「------------!」
閃光と爆発の中、ついに食人花はもはや音でしかない悲鳴をあげ、倒れた。
「はぁ、死ぬかと思った。」
「死ぬかと思ったけどよ、勝ったからいいじゃん、はは、あはははははは!」
ベルクのこの声で緊張の糸が切れたのか、みんなで勝利を喜び合い、笑い転げた。そして3人は、傷をいやすため、いなくなった親友たちの手掛かりを得るため、ポートの街の、大地を踏んだ。
次でようやくポートの街です。