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第一章 大寒波事件
序章書いたら応援のコメントをもらえました!(ただし一件)
8月、ギアの街。その郊外を、一人の少年が歩いていた。おぼつかない足取りで、いつ倒れてもおかしくない。さらに、時刻は深夜3時頃だ。子供はもちろん、大人でさえ寝静まっている。この少年の下に誰かが来る可能性は、はっきり言って無いだろう。
「はあ、はあ・・・っ!」
そしてついに、少年は、地面にがっくりと膝をつき、倒れた。そして少年の体から、光がほとばしりーーーー!
♦♦♦
しばらくして、少年は目を開けた。そこには、凍り漬けになったギアの街が広がっていた。
この事件はすぐにメディアに取り上げられ、多くの取材陣が駆け付けたが、ギアの街はすでに南極レベルにまで寒冷化し、上級炎熱魔術さえ意味をなさない状況だったため、次第にこの事件は忘れ去られていった。
少年は、現在行方不明で、失踪したとも、自殺したとも言われているが、真相は定かではない。それから3年が過ぎ、氷がようやく雪になった頃、ギアの街に、遅めの春風が吹き抜けた。
次回からストーリーです。