5/20
その五
手応え、やり応えがあるかといえば、そりゃない。
ボタン連打してるだけでクリアできるのだから。それならば、俺でなくても…なんて我に返ったりもするけれど。
それでも、頑張っても頑張っても報われるかわからない。それほどつらいものはない。そう、思う。
――と、我に返れば、とうにロードを終えたゲームは俺のキャラが敵にボコボコにされていた。
それでも、キャラの体力値は半分も割ってないのだが。
すぐさま駆逐に移る。一振り、二振り。武器を振るごとに敵がみるみる減っていく。すぐに追加で現れるのをさらに倒していく。
こうして撃破数を稼ぎ、俺はまたしても一騎当千の誉れを受けるのであった。