暗闇に交差される言葉
「生きて……!! サーラ!!」
「ッ…………ママ………………」
意識が朦朧とする中、ガチャンとでかい音がなる。
サーラはあたりを見渡した。
ここはどこだろうか。
目の前が薄暗くて一体どこにいるのかわからない。
頭を強く打ったせいか視界が霞む。
目が馴れれば少しは見えるかもしれないが、状況を理解できない彼女にとっては不安要素でしかない。
とにかくここから出なきゃと考えたときだ。
地に足がついていない。
浮いてる。
両手からまた金属が重なりあう音がする。
彼女は頭を持ち上げ手元を見ると、体を吊るすために鎖で繋がれていた。
力任せに動くが拘束が捕れるわけもない。
少しずつ目が馴れていくと目の前には鉄格子で隔離された小さな部屋に何人もの子供たちが収容されていた。
幸い子供たちは鎖に繋がれてはいない。
それが何個も存在する。
かくいう彼女も監禁されている。
サーラは見渡せる程度の回りの確認をし、小さな声で子供たちに話しかけた。
「ねぇ……ねぇ……君たち聞こえる……?」
「誰……? 村の人じゃないね……?」
迎いの檻にいる男の子が気づいて返事を返した。
10代前半であろう少年はあまり興味無さそうに聞いてきた。興味ないとは違う。どうでもよくなったという顔をしているのだろう。
理由はわかっている。
たった300グラムの食料と交換されたからだ。
命を売られたからだ。
それまでに何があったか。彼に聞くのは明らかに酷だ。
「私はここを通り掛かった旅人。あなたたちと同じ森の民よ。ここが何処だか…………わかる…………?」
男の子は地べたにゆっくり座り込んで一息いれてから語り始めた。
「ここは村の地下に作ってある牢だよ。いつもは村で悪いことした人たちが入れられる場所なんだけど……あの人間たちが来てすぐにここを占拠したからね……けど今のところ此処は兵士たちが隠れてサボる休憩所になったみたい。ホラッ……あそこの角に松明の灯りが見えるでしょ?」
少年は檻から手を伸ばし、あそこだと指を指す。
他の蔓で隠れてはいるが確かに光が漏れている。
サボっているっていう程なら兵士の数も大人数ではないだろう。
「もしかして……ここから出ようとしてる?」
男の子の隣にいる一回り小さな女の子が話に加わり始めた。
その子は先ほどまで泣いていたのだろう。声がうわづいている。
この子も交換されたのだろう。
そんなことを考えサーラは唇を噛み締める。
女の子は上づいた声で無理だと言った。
「私のパパがここの見張りやってたときに絶対にここから出られないって言ってたの。この<蔓の監獄>からは」




