「第9話 跳んで避けろ!~波の試練~」
部屋に足を踏み入れた瞬間、床が「ぷにっ」と鳴った。
「……え? 今、動いた?」
エリナが首をかしげる間もなく、モチモチした何かが二人の足首に絡みつき——繋がれた。
「ひゃっ!? な、なにこれ!? 生きてる!? ちょっと、リリィーっ!!」
「モンスター……か? でも、ちょっとかわいいかも」
「かわいくないっ!! てかどうすんのよ、これ! 私たち繋がれちゃったじゃん!」
「そうだなぁ」
「なに呑気にしてんのよ、このロリハンマー!」
「別にええやん。面白そうで楽しみ」
「あーもう最悪……お姉ちゃんと繋がれたかった……」
壁に看板が現れる。
今からやるギミックは、すべて手錠がついたまま攻略せよ――と書かれていた。
「はあ? ロリハンマーと繋がれたまま? そんなの嫌だ」
「確かに。試練を攻略するまでシスコンと同じなのは嫌かも」
リリィはハンマーを手に持つ。
「ちょっ、何してんの?」
「このモチをぶっ飛ばす!」
「ばかっ。そんなことしたら私たちに当たるでしょうが」
「えー、でも回復魔法使えるんでしょ」
「そうだけどダメ!」
「ならいいじゃん」
「嫌ああああああ!」
そのとき床が波のように動き、二人に迫る。
「何これ? 波? 高さはあまりないわね」
「ジャンプして進めってことだな」
「息を合わせるわよ、ロリハンマー」
「おう」
「せーの!」(二人同時に叫んだ)
ドサッ! 二人は床に転ぶ。
「あんた、適当にジャンプしてるでしょ」
「そんなことないもん。そっちが合わせてよ」
「なんですとー。ロリハンマーが私に合わせて」
「次は絶対!」
「せーの!」
バタンッ、ズルッ! また転ぶ。
「うわあ、もう!」
「こうなったら…ハンマーで!」
「それはダメえええ!」
「んーこのままだとまずいゾ。回復魔法以外に何か使える魔法ないのか?」
「あっそうだわ。跳躍力アップの魔法がある」
「それ使えそうだな。ところでなんでそんなの覚えたんだ?」
「それはもちろん……高くジャンプしてお姉ちゃんの居場所を見つけるために…」
「うわっ、きも」
「う、うるさい! いいから使うわよ! 跳躍高!」
足に力がわき、二人は次の波で天井に届くほど跳躍。
「よし、これで進める!」
波を何度も乗り越え、二人は次の部屋のドア前までたどり着いた。
「この調子でいくわよ、ロリハンマー」
「まかせろ」
二人は息を合わせ、次の部屋のドアを開けた。
次の試練が、二人を迎え入れようとしていた。
この物語は百合オタクの自分が趣味で書いてます。自分用ですが、読んでくれる人がいれば嬉しいです。投稿頻度は不定期です。




