「第5話 冒険の始まり、ダンジョンを目指せ!」
森の多い国グリーンヴェイル――その中の町、ブレイドフォレストを出発したリオナたちは、ザクザクと森の小道を進んでいた。
「エリナ、いつのまにそんな冒険者服手に入れたの?」
「昨日あわてて買ったんだ~! 見てお姉ちゃんとおそろいっぽいでしょ? ほら、剣もお姉ちゃんみたいに装備してるの!」
「……いや、似てるのは色だけじゃない? あと短剣だし、それおもちゃじゃない?」
「アタシら今どこ向かってんだっけ?」とリリィがハンマーを肩に乗せながら首をかしげる。
「リリィちゃん、カレンさんの話聞いてなかったの?」
「聞いてたけど忘れた!」
「そっか……今、ダンジョンを目指しているのよ。3つの国のどこかのダンジョンにレシピがあるらしいの」
「なるほど! で、今は?」
「私がいたブレイドフォレストから一番近い“モチモチの館”を目指してるのよ!」
「モチモチの館って変な名前だな」
「実際モチモチしてるらしいよ」
「モチモチって何!?」
「まあまあ、私の剣術があれば楽勝よ!」とリオナが胸を張る。
「お姉ちゃんはほんと自信家だね~」
「アタシだって強いぞ! リオナより強いもん!」
「は? このロリハンマーが何を言う」
「うわーん! アリシアぁ~! リオナがいじめてくる~!」
「こらこら、泣かないの。……でも、あんまり近づかないでね」
「え? なんで? もしかして……」
「……呪いのせいなの」
アリシアは少しだけ目を伏せた。
その表情が、リオナの胸の奥をチクリと刺す。
(……そんな顔、しないでよ)
「ま、まあ! そろそろダンジョンが見えてくる頃だし! 気を引き締めていこう!」
「アタシ最強だから大丈夫!」
「ええ、私も問題ないわ」
「お姉ちゃんを全力でサポートします!」
そうして勢いよくダンジョンの入り口にたどり着くと――
「ちょっとまてーい! この“モチモチの館”に入りたければ、オレっちを倒してからいくんだな!」
白くてぷにぷにした小さなモンスターが、道をふさいでいた。
「……今の声、誰?」
「オレっちは門番モチ! 先祖代々冒険者たちに倒されてオレっちが367代目や! いざ尋常に勝負!」
「代替わり早すぎじゃない?」
「くらえ! モチモチ弾!」
ぺちっ、と白い何かがみんなの足にくっつく。
「うわ、足が動かない!」
「やっかいな技を……でもこの程度なら切れる!」
リオナが剣を振るうも、モチがビヨーンと伸びる。
「切れねぇええ!?」
「へっへっへ、これでオレっちの勝ち――」
「みんな、伏せて」
「水衝撃!」
アリシアの杖から水流が放たれ、モンスターを直撃。
「ぴぎゃあああああ! 遠距離攻撃はずるいーー!!」
そう叫んで、モチモチはぷるんと消えた。
「容赦ないわね、アリシア」
「基本魔法だから大したことないわ。それより――早く行きましょう」
アリシアはすっと先を歩き出す。
それに続き他のみんなもモチモチの館へと足を踏み入れた。
この物語は百合オタクの自分が趣味で書いてます。自分用ですが、読んでくれる人がいれば嬉しいです。投稿頻度は不定期です。




