「第3話 世間知らずのハンマー少女」
アリシアとパーティーを組んだ後、あと2人足りない仲間をどう集めるか、二人で話し合っていた。
「アリシア、誰か知り合いとかいない?」
アリシアは少し眉をひそめ、遠くを見つめる。
「残念ながら、私はここグリーンヴェイルに一人で来たんだ。すまないね、リオナ。」
“リオナ”と呼ばれて、思わず胸がドキッとする。
手がひそかに胸元に触れるのを、自分でも意識せずにはいられなかった。
「そっか……う~ん、そうだ!ポスターを作ってメンバーを募集しよう!」
リオナは目を輝かせ、思わず身を乗り出して机を軽く叩く。
「いい案だね。じゃあ早速、募集要項を決めないと。どうする、リオナ?」
アリシアは腕を組み、クールなまま小さく微笑む。その仕草だけでリオナの心臓がまた跳ねる。
「そうだな~。やっぱり私とアリシアみたいに呪い持ちなら、一体感が出るかも……あっでも、都合よく呪い持ちの人なんていないか」
「んっ、今誰か“呪い”って言った?」
どこからか声が聞こえた。
「あれ、今誰が言ってるの?」と辺りを見渡すと、
「おーい。下を見ろ、下を」
下を見ると、背が低く、背中に体とほぼ同じくらいのハンマーを背負った小柄な少女が立っていた。
「うわっ、びっくりした!あなた、名前なんて言うの?」
少女は胸を張り、少し得意げに答える。
「アタシの名は、リリィ。リリィ・ハンマだよ。たぶん」
「たぶん?どういうことかしら?」
「こんにちは、魔女さん。アタシは捨て子?って言うやつなんだ。ずっと森で育って、3年前くらい前に冒険者に拾われたんだ」
「それは災難でしたね」
リリィは肩をすくめ、にこっと笑う。その無邪気さに、リオナはつい頬が緩む。
「災難?よく分かんないけど、アタシは人生楽しいゾ。モンスター狩るの楽しいし」
「おっ、ということはあなた、私と同じ感じだね。私も剣でモンスター倒すの好きなんだ~」
「ところでリリィちゃん、なんで“呪い”に反応したの?」
「そうそう、私も呪い持ち?……らしいんだ」
左肩を見せて近づくと、小さく骨の刻印があった。
リオナは指先でそっと刻印に触れる。
「ほんとだ。あなたも私たちと同じね。そうだ、一緒に冒険しない?」
「いいよー。で、何するの?」
「私たちと一緒に、どんな呪いも解除できる薬のレシピを見つけることよ」
「なるほどね~。そんなのに頼らないと呪いって解けないのか」
「んー……難しいと言えば難しいけど……」
「そうだ、呪いの解除方法、教えてよ。アタシが手伝ってあげる」
「あのねリリィちゃん。知らないと思うけど、呪いの解除方法を人に教えようとすると口が開かなくなるのよ。リリィちゃんもそんな経験ない?」
「へー、そうなんだ。そもそもアタシ、何の呪いになっているのかも分かんないし、解除の仕方も分かんないからね。初めて知ったよ。じゃあ結構大変なんだね」
「そうなんだよ。あんたみたいに知らなければ悩まなくて済むのにね。まあ、昨日呪われたばかりだけど」
「まあまあ、細かいことは気にすんなって。アタシ、このパーティー入るよ。なんでもいいからモンスター倒して~」
リリィはハンマーを軽く振り回してポーズを決める。
リオナは思わず笑ってしまった。こんな無邪気な子が仲間になるなんて……ちょっとワクワクする。
「ありがとう!これでパーティー完成まであと1人だね」
そう言って意気込んだとき、後ろから大きな足音が聞こえてきた。
「ちょっと待ったー!そのパーティーにエリナも入れてください!」
その声と同時に、エリナが元気に駆け込んできた。
その言葉は本来なら嬉しいはずなのに、リオナの胸はざわついていた。
この物語は百合オタクの自分が趣味で書いてます。自分用ですが、読んでくれる人がいれば嬉しいです。投稿頻度は不定期です。




