「第17話 シスコン妹と誓いのキス」
リオナたちがリーフレイクを目指して歩き始めてから、約一週間。
長い旅路を経て、ようやく目的の町へ辿り着いた。
「ここがリーフレイクね」
「アタシ、初めて来たゾ」
「ロリハンマーはこんな綺麗な町より、獣臭い森の方が似合ってるけど」
「うるさいっ!シスコンやろう!」
「お姉ちゃん、せっかく町に来たんだし観光しようよ!」
「エリナ、私たちはダンジョンを目指してるの。ここはあくまで休憩地点よ」
「でも……」
「それにまず宿を探さないと」
「そうだゾ、シスコン。自分勝手はいい加減に──」
「いいわよ。観光してきなさい」
「……アリシア?」
「たった一人の家族なんでしょ。行ってきてもいいわよ。宿は私が探しておくわ」
「アリシアさん……ありがとう」
「アタシはどうすればいいんだ?」
「リリィちゃんとモフリンは私と行きましょ。二人きりにしてあげるわ。それに──こっちにはモフリンがいるし」
「本心は後者だろ」
リリィがツッコミを入れながら、アリシアと一緒に歩き去っていく。
「邪魔者はいなくなりましたね! さぁ、お姉ちゃん行こ!」
「邪魔者って……一応仲間なんだけど……」
「まずはどこ行こう? やっぱりスイーツ屋さん?」
「あのね、私はそこまで乗り気じゃ──」
「よし、スイーツ屋さんに決定!」
「話を聞けぇぇぇ!」
エリナはリオナの手を掴むと、そのまま町の中へ歩き出した。
「……それにしてもエリナ、いつも私のこと好きよね。なんで?唯一の家族だからって言っても──」
その瞬間、エリナの目に涙が溜まり、ぽろりと零れ落ちた。
「ご、ごめん!?変なこと言った!?」
「……お姉ちゃんが強いのも、自信家なのも知ってるよ。でも……死んじゃうかもしれないんだよ?お父さんとお母さんみたいに……」
声が震え、涙が止まらない。
「だから……今日くらい甘えさせてよ……。思い出作らないと、もう……」
「エリナ……」
リオナは彼女をそっと抱きしめた。
「わかった。今日は思いっきり甘えなさい。……それに、私は絶対に死なない。生きてみせる」
「約束だよ……じゃあ、誓いのキスをしようか」
「き、キス!?」
「いくよ?」
「ま、待っ──!!」
リオナが慌てて口を手で塞ぐ。しかし──
ちゅ。
エリナはリオナの頬にキスした。
「……もしかして唇だと思ったの? お姉ちゃんって、《《えっち》》」
「なッ……!?ほ、ほらスイーツ食べるわよ!!」
「照れてるお姉ちゃん可愛い~」
「う、うるさい!甘え禁止令出すわよ!」
「それはやめてーー!!」
観光を終えた頃、アリシアからテレパシーが届いた。
※伝魂波──近くにいる仲間同士なら、こうして心を通わせられる魔法だ。
『リオナ、終わった?
来れるなら宿に来て。……大変なことが起きたわ』
その言葉に、二人は急いで宿へ向かった。
「アリシア!大変なことって何!?」
「来たわね」
するとリリィがアリシアの後ろから顔を出した。
「あ、あのね……アタシ……」
「リリィちゃん、怖がらないで。リオナは多分怒らないから」
「……あ、アタシ……宿の……こ、高価な……」
「宿がどうしたの?」
「高価な壺割っちゃったのーーー!!!」
「な、何だってええええええええええ!!!!」
リオナの叫びが、リーフレイクの町中に響き渡ったのだった。
この物語は百合オタクの自分が趣味で書いてます。自分用ですが、読んでくれる人がいれば嬉しいです。投稿頻度は不定期です。




