「第16話 モフリン誘拐事件!?」
森の中を歩くリオナたちは、まだ日が高いとはいえ、木漏れ日の揺れる道を慎重に進んでいた。
モフモフモンスターも、リリィの右肩でおとなしくしている。
「リリィ、あの子に名前つけたら?」
「うーん……“モフリン”でどうだ?」
「ふふ、かわいい名前ね」
「……まあ、モフモフだし」
「果たしてロリハンマーにお世話ができるんですかね?」
「アタシは大人だもん。たぶん」
「たぶんかよ」
そんな軽口を交わしながら、リオナたちは森を進んでいった。
しばらく歩いたその時、突然、白い煙が辺りに広がった。
「何事!? みんな無事!?」
「うわぁ、モフリンがいないゾ!」
視界が晴れると、目の前に男が二人。
その手には、モフリンの入ったかごがあった。
「あなたたち何者?」
「俺らはレアモンスターハンターだ。お前らのそのモンスター、“セレイラ”って言うレアモンスターだな。これを売ってひと儲け、ってわけだ」
「セレイラですって!?」
「アリシア、何か知ってるの?」
「めったに見つからないレアモンスターよ。精霊のような存在って聞いたことがあるわ。でも……モフリンはそんなふうには見えないけど」
「ほう、魔女は少しは知ってるようだな。セレイラは幼体の時、モフモフの体で身を守るんだよ」
「なんかよく分かんないけど、とにかくモフリンを返して!」
リリィがハンマーを構える。
「おっと、気が強い子供だな。だが俺らは逃げるぜ。あばよ!」
男たちが逃げ出そうとした瞬間――
「水拘束!」
アリシアの魔法が放たれ、水の鎖が男たちの足を縛り上げる。
「ナイス、アリシア!」
「クソッ、この魔女、面倒だな……」
「さっさとモフリンを返しなさい!」
アリシアが一歩踏み出すと、男が口を歪めた。
「おっと、このかごには魔法が仕込んである。俺ら以外が開けようとしたら爆発するぜ」
「なんて卑怯な……!」
「まあまあ、アリシア落ち着いて。モフリンなんてリリィが勝手に拾ってきたんだし、無理に助ける必要ないわ」
「それはダメよ。あんなかわいいモンスター、放っておけない」
アリシアがまっすぐリオナを見つめる。
(ちょ、そんな見つめないでよ……照れるって。アリシアってクールなのに、かわいいもの好きすぎでしょ)
「アリシアの言うとおりだゾ。アタシもモフリンを助けたい!」
「お姉ちゃん一筋の私でも、さっきのは言いすぎだと思います」
「はいはい。まあ、私もモフリンが苦しむのは見たくないしね」
「何ごちゃごちゃ言ってんだ! 魔女、さっさとこの拘束を解け!」
「あなたたちがモフリンをかごから出せばね」
「くっ……どうする、兄貴?」
「分かったよ。セレイラは返してやる」
「兄貴、いいんですか!? かなりの金になるのに!」
男は渋々かごを開けた。
「モフリン!」
リリィが手を伸ばした瞬間――
「隙ありっ!」
男たちがモフリンを再び掴もうとする。
だがアリシアがすかさず詠唱した。
「水衝撃!」
「人の心とかないんかーーっ!」
叫び声とともに、男たちは盛大に吹き飛ばされた。
「よ、容赦ないわねアリシア……」
「そう? これでも手加減した方よ。かわいいモフリンに手を出したんだから、当然でしょ」
(アリシアって……怒らせたら怖い)
「やったー! モフリン帰ってきたゾ! もう離さないからな!」
リリィはモフリンをぎゅっと抱きしめた。
そんな騒動を経て、リオナたちは再びリーフレイクを目指し、歩き出した。
この物語は百合オタクの自分が趣味で書いてます。自分用ですが、読んでくれる人がいれば嬉しいです。投稿頻度は不定期です。




