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掬い  作者: えそら琴
1/2

(下)

「また伸びたんじゃない?」その声は、ちょいと浮ついて聞こえた。

いや、今に始まったことやないか。

「髪すいてくれや」って頼むと

こいつは決まって「仕方ないわね」と無愛想に答えるくせして

なんやかんや、ご機嫌に俺の髪をすく。


「まあな」

「めんどくさがりなくせに、手入れはちゃんとしてるのよね」

「それが紳士の嗜みっちゅうやつやからな」

「似合わないこと言っちゃって。

じゃあ、すくのも自分でやってくれないかしら」

「いやや。お前にやってもらうんが ええねん」

「変なの。 …でも本当にきれい」

「せやろ。お前も伸ばしたくなってきたんちゃうか?」

「うーん…」

「なんや?」

「いや、私はこのままでいいかなー、なんて。

やっと扱いにも慣れてきたし… なにせ、楽なのよ」


楽…ね…。


俺は別に、今の短い髪がイヤっちゅうわけやない。

ただ、無邪気にキャッキャッしとったあの頃のお前を

取り戻させたいだけや。

ホンマは伸ばしたがっとるお前の後ろ髪を引く過去、悲しみと

決別させてやりたいだけなんや…。




(上)へ続く

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