表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハッピーエンドが書けない理由  作者: 伊佐木ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/14

七日目 1/2

【七日目】


 7/21 Tue. 1:00 P.M.


「休憩入ります」


 一言だけ告げて、俺は休憩室に入って行った。



 ロッカーから鞄を取り出し、その中から無線式盗聴器を取り出した。

 イヤホンをセットして、“菅生(すがお)先生”の自宅の様子を盗み聞く。


『……――ああ、分かった。じゃあ、いつもの場所で』


(……いつもの場所?)


 先生が誰かと不審な通話をしていることに気付き、盗み聞きに神経を集中させる。


『あ、いや、僕の行き付けの喫茶店だよ。知ってるだろう?』


(………………)


 少しだけ肩の力が抜けた。許容した外出圏内である。

 先生の話し口調からして、会話の相手は担当編集者の榊という男だろうか。


『えーと、それじゃ、そっちで合流ということで、はい。じゃあね』


 ピッ、という電話を切る音とともに静寂が訪れる。

 後に部屋から聞こえる音は、衣擦れや足音などの単調な生活音だけになった。


(…………まぁ、いいか)


 イヤホンを外して、再び鞄の中に仕舞いロッカーに戻した。


 先生の行動を監視する意味合いで盗聴を始めたが、彼は思ったよりも協力的で、今日まで警察への通報を(ほの)めかすような行動は見せなかった。

 担当とのやり取りを聞いていても、誰かに口外しているとは思えない。それほどまでに愛猫のことを想っているのか、とつい首を傾げてしまう。


 そっと右頬を撫でると、未だにヒリヒリとした痛みが残留していた。

 ……そろそろ休憩を終了しよう。


 重たくなる腰を上げて、休憩室のドアを開いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ