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どうやら世界は残酷らしい  作者: Anisakis
第一章 地獄に咲く一輪の花
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第一章 1 『呼んでる』

ーーー青年の意識を奪った膨大で無機質な白い光は少しずつ輝きを失い、最後の一筋の光を残すのみとなった。淡いオレンジに輝くその一筋の光は、青年を無意識の淵から引き上げ、その身を飛散させた。




 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




 瞼を開ければ目に飛び込んでくるのは雲ひとつない真っ青な空だ。その空を囲むように茂る木々の葉が円形のフレームを作っている。


 周囲に目を向ければ、「木」、「草」、「花」と自然の類いばかりだ。


 とりあえず、上体を起こして、ポケ〜と2度目の周囲探査を行うこと10秒。


 ようやく目覚め始めた脳が、組み立てた文章はこうだった。


「ここはどこだ⁉︎」


 単純明確、ただミナトの思いが詰まったこの叫びは、虚しく鬱蒼と茂る森の奥に消えた。


「俺が突然こんな森の中にいるなんて夢に違いない」


と、今日日流行りそうにない、小説のタイトルのような謎の独り言と共に、とりあえず頰をつねってみる。もちろん、めっちゃ痛い。


「うん、知ってた。俺がこんなリアルな夢を見るほど、発想力豊かでないことぐらい自覚してた」


と痛む頰をさする。


「ということは、やっぱりマジで俺は死んだのか。でも足はちゃんと生え….てるし、頭の上にわっかも….ないよな」


  手で足をトントン、手を頭上でヒラヒラさせ、マンガでありがちな変化が自らに起こって無いことを確認する。


「あー良かった。わっかは別に良いんだけど、足が無いのは困るよね。トイレってどうするんだろう」


と、くだらないことを思案しそうになるところを、どうにか食い止める。


「こんなときって動かない方が良いんだろうか。でも、救助隊は来ないだろうしな。なら、とりあえず動いてみるか」


  ミナトはおもむろに立ち上がろうとして、腰の痛みに顔をしかめた。


 うっすらと草が生えているとはいえ、固い地面の上で横になっていたのが原因のようだ。


「俺はどんだけここで寝てたんだよ、あー、いってーな」


と、つぶやきながら、腰をさする。


 そのときだった。


 不思議なほど静かだった森の中に、耳を塞ぎたくなるほど、大きく不快な鳥の羽音が響き渡たった。


 しばらくして、たくさんの鳥が先を急ぐように、ミナトの上を飛び去っていった。


ーーー呼んでる。


 そう思った。


 根拠がない、確信があった。

 不安があった。

 でも、彼女にもう一度会えるという、期待が彼の背を押した。


「行こう」


 ミナトは、鳥たちが逃げてきた方向に足を向けた。

遅くなってすみませんでした‼︎


用事もひと段落しましたので、今後は今まで遅くなっていた分、スピードアップして書き進めていきたいと思っています。


今後とも応援よろしくお願いいたします。

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