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ああ、赤ずきんちゃん。  作者: 極大級マイソン
最終章【シンデレラ(仮)編】
37/52

第13話「白雪姫の寝起き大作戦!ツー」

 前回、数メートルの高さから放り出され、地面に激突して目覚めた赤ずきんは、何事も無かったかのように寝ぼけ眼で部屋へ戻ってきました。


 赤ずきん「む〜〜っ白雪姫ったら……、どうしてママの真似なんかしたの。起きて欲しいならそう言ってくれたら良かったのに……」

 白雪姫「たくさん起こしましたよ。でも、どうしても起きてくれなかったので仕方なく……」

 赤ずきん「そう? なら良いわ」

 少年「良いのですか!?」

 赤ずきん「あ? 何よ、ぶん殴られたいの?」

 少年「ごめんなさい」


 済し崩しで仕方なくとはいえ、赤ずきんを窓の外へ投げ飛ばした張本人『少年』は、赤ずきんからかなりのヘイトを溜めてしまいました。最早彼は半泣きです。


 白雪姫「駄目ですよ、寝起きの赤ずきんさんは凄く不機嫌になるんです。少年さんが今の赤ずきんさんに近づいたら、首を折られちゃいます」

 少年「今朝は僕、随分とたくさん命の危機に晒されますね」

 赤ずきん「マザー○ァァァァァァァック!!!!」


 赤ずきんは、眉間にしわを寄せてあからさまに不機嫌な顔で大声を上げます。まるで森に棲む野獣です。


 少年「か、顔を洗ってきた方がよろしいのでは?」

 白雪姫「そうですね。そういえば赤ずきんさん、昨夜はお風呂に入られたんですか?」

 赤ずきん「入ってない」

 白雪姫「もう、駄目ですよちゃんと入らなきゃ。客室にはバスルームも完備してますから、身体を洗ってサッパリしてきてください」

 赤ずきん「うん」


 赤ずきんは寝ぼけた様子でコクリと頷き、その場で衣類を脱ぎ始めます。


 白雪姫「って、赤ずきんさん!? ここで脱いじゃ駄目です!!」

 赤ずきん「むぅうううううなんでぇええええええええええ??」

 白雪姫「ここはいつものお家じゃないんです! お、男の人の目もあるんですから、脱衣所で脱がないと!」

 赤ずきん「…………少年は、ロリコンなの?」

 少年「僕にそんな『少女趣味』はありません」

 赤ずきん「だってさ」

 白雪姫「だ、駄目です駄目です!! あ、赤ずきんさんが他の人に……その、裸を見られると、私が困るんです!!」

 赤ずきん「何で?」

 白雪姫「なんか嫌なんです!! 赤ずきんの裸を、そんな、他の人が見たら赤ずきんさんが汚されちゃいます! 不潔です! 純潔が奪われちゃいます!!」

 赤ずきん「はぁ」

 白雪姫「とにかく!! 赤ずきんさんは、自分の肌を他人に見せたら駄目です!!」

 赤ずきん「でも白雪姫は、私の裸見てるじゃない。お風呂で」

 白雪姫「それは良いんです」

 少年(結構無茶苦茶だな、この姫様も)


 やはり『おとぎの森』は危険な場所だと、少年は心のメモに記します。

 そして、赤ずきんは唇を尖らせてブーイングを始めます。


 赤ずきん「ブーブー! 白雪姫、さっきから駄目駄目って言ってばっかりじゃない! そんなにたくさん否定されたら私のいんすぴれーしょんが無くなっちゃうわ!」

 少年(インスピレーション? 取り敢えず言ってみた感、半端ないな)

 白雪姫「だ、だって……」

 赤ずきん「要は少年に裸を見られなきゃ良いんでしょう? チョイチョイ少年、こっち来て」

 少年「……? 何でしょう?」


 赤ずきんが手招きし、少年は何事かと赤ずきんの方へ近づきます。

 すると赤ずきんは在ろう事か、近づいてきた少年の身体を高く持ち上げ出しました。


 少年「あ、赤ずきん様!? 何を……!」

 赤ずきん「これはさっきのお返しよ! えぇえええええええいっ!!」


 少年は停める暇もありません。赤ずきんは、少年を持って大きく振りかぶると、彼の身体を

 窓の外へ向かって投げ飛ばしてしまいました。


 少年「うわぁああああああああああああああああああ死にたくなぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」


 少年の悲鳴が轟き、後にグシャリと潰れた音が窓の外から聞こえました。

 赤ずきんは、少年を投げ飛ばし満足気な表情を浮かべて、


 赤ずきん「さっ、これで男の目は無くなったわ。これで自由に服を脱げるわね」

 白雪姫「……普通に脱衣所で脱いだら良かったのでは?」

 赤ずきん「『やられたらやり返す』、仕返しがしたかったのよ。これでチャラね」

 白雪姫「……やっぱり、寝起きの赤ずきんさんは機嫌が悪いですね」

 赤ずきん「お風呂に入ったら治るかも。あっ、折角だから白雪姫も一緒に入りましょう」

 白雪姫「えっ! い、いえ、私は……………………」

 赤ずきん「ね〜一緒に入ろう? 白雪姫がお風呂に入ってくれたら私、何でも言う事聞いてあげるから!」

 白雪姫「も、もう! しょうがないですねぇ……。はい。一緒にお風呂、入りましょう」

 赤ずきん「やった!」

 白雪姫「あ。それと前にも言いましたけど、『何でも言う事聞く』って軽々しく人に言ってはいけませんよ。世の中には怖い人達がたくさん居ますからね」

 赤ずきん「わかってる! こんな事言うの、白雪姫だけなんだから!」

 白雪姫「そ、そうですか? 私だけ特別…………、うふふっ♪」


 赤ずきんの言葉が余程嬉しかったのでしょう。喜びが込み上がって抑えきれなくなった白雪姫は、笑顔が止まらなくなってしまいます。


 白雪姫「うふふ、うふ、うふふふ、うふふふふふふふふふふふふふっ♪♪」

 赤ずきん「さあ、お風呂入ろう白雪姫」

 白雪姫「はい!」


 そうして2人の少女は、互いに手を取り合って客室のバスルームの中へと溶けていきました。

【少年、生死不明】


 次回、第14話「白雪姫の寝起き大作戦!スリー」。ご期待ください。

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