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ああ、赤ずきんちゃん。  作者: 極大級マイソン
第4章【三匹の子ブタ(仮)編】
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閑話「ケルベロスと三匹の子ブタ」

ケルベロスの過去をダイジェストにお送りします。

 昔々のある森に、三匹の子ブタが住んでいました。

 三匹はとても仲良しで、お母さんブタから自分の家を建てるように言われるまで、その関係は続いていくと思われました。

 しかしある時、三匹の前に一匹の狼が現れてから、三匹の運命は大きく変わってしまいます。

 弟達が脆い家を建てたばっかりに、三兄弟のブタのうち、弟の二匹が狼に食べられてしまったのです。長男のプー太郎は、そのこと酷くにショックを受け、その恨みを晴らすため、プー太郎は弟達の仇を打とうと決意します。

 プー太郎は、森一番の強さを持つと言われる『餓狼拳法』の使い手に弟子入りし、修行という名のきのこ狩りをやらされました。そして、なんやかんやで餓狼拳法を会得したプー太郎は、狼に復讐しようと狼の里へ向かいました。

 しかし残念なことに、狼達は年に一度行われる『羊の踊り食いツアー』に里中が参加していたため、プー太郎がやってきた時には狼は誰一人里に残っていませんでした。

 やれやれ仕方ない帰るか、とプー太郎は家に帰ろうとします。……その時、プー太郎は里の奥から誰かが自分を呼んでいるような声を聞いたような気がしました。

 気になったプー太郎は里の奥へ進み、見たこともない大きな洞窟の中を入っていきます。そこには巨大な岩があって、そこから呼びかける声が流れていました。

 岩の主は、『この岩の封印を解いてくれれば自分に強大な力を授ける』、とプー太郎を唆します。

 プー太郎は何だか胡散臭かったので話を断り、岩に飾られていた綺麗な石を奪ってその場を後にしました。岩の主は何か叫んでいたような気がしますが、そんなもん知ったことではありません。

 ……月日は流れ、プー太郎は相変わらずきのこ狩りに勤しんでいましたが、ある日居候させてもらっている老年夫婦が、プー太郎に頼みをしにきました。

 何でも、この前自分たちの孫が生まれたそうなので、三人の家族が住める家を建ててほしい、と言うのです。毎日住まわせてもらっている身分もあり、プー太郎はその頼みを承ります。

 家は順調に建てられ、そしてもうすぐ完成というところまで行き着いた時、プー太郎は、自分の宝物である、狼の里の洞窟で手に入れた綺麗な石を、このレンガの家に埋め込もうと考えました。

 この石を手に入れてから、何故だか分かりませんが毎日が快調で、プー太郎は、きっとこの石に不思議な力が秘められている、と思っていたのです。なので、これからここに住む家族に幸せが訪れるように、プー太郎はこの不思議な石を、レンガの家にひっそりと埋め込むことにしました。

 …………月日は流れ、家族はプー太郎の望みように幸せに暮らし、子どもはすくすくと育ちました。

 ある日のこと、プー太郎は老年夫婦に秘術を授かります。それは、自身の潜在能力を最大にまで高める究極奥義。餓狼拳法に幾つもある究極奥義の1つを、プー太郎は自分の師でもある老年夫婦から教わり授かったのです。

 そしてプー太郎は、早速究極奥義を発動してみました。その瞬間、プー太郎はこれまで感じたことのないような、とてつもないエネルギーが宿ってくるのを感じました。


 プー太郎『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!! …………こ、これが、我に秘められた力ぁぁ!』

 ブヒモス『そうだよ兄さん! 遂に力を手に入れたんだね!』

 プー太郎『ブヒモス!?』

 ブイヨン『ふ、私達はいつも貴方の側で見守っていましたよ。兄上』

 プー太郎『ブイヨン? おお見えるぞ! 我はお前達の姿がはっきりと見える!!』

 ブヒモス『当然だよ兄さん。だって僕らは、いつでも三匹一緒だったんだから』

 ブイヨン『肉体を失くし、霊となっても、私達は兄上の体にいつでも居ます』

 プー太郎『お前達……! そうか、そうだな。我はもう一人では無い! いや、いつだって一人では無かったのだ! ……弟達よ、これからは三匹で共にあろう。これより、この体は三つの魂を宿す現し身だ!!』


 その瞬間、突如黒い霧が、三匹を包み込むように纏ったかと思うと、その中から三本の首を持つ、巨大な犬のような生き物が現れました。


 プー太郎&ブヒモス&ブイヨン『『『我らの名は"ケルベロス"!! 三つの首を持ち、魂を一つにした、狼どもを蹴散らす復讐の三匹よ!!』』』


 その遠吠えは、森全体に響き渡り、

 狼の里にある洞窟の奥、……例の"封印の岩"の元にまで届きました。

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