転生ハードワーク
「いや、何コレ?」
どうしてこうなった?
どこで間違ったんだ?
小学校、中学、高校、、、、
皆と同じように過ごしてきた。
部活、テスト勉強、その他諸々ーー
親に、先生に、言われるがままに過ごしてきた。
皆がやってるから、周りに合わせなきゃーー
そんな風に生きてきた。
大学受験も何となくだった。
今時は大学に進学するのが普通みたいだし、俺もその流れに合わせて受験。志望校なんてなかった。
ただ、進学すればいいと思ってた。
結果、進学はできた。
ただ、やりたいことなんて何もなかった。
今まで通り、周りと同じように、ダラダラした大学生活を送っていた。
いや、そこらのリア充と違って、俺はぼっちだった。
友達なんて数えるほどしかいなかったし、楽しく遊びに行く、なんて関係じゃなかった。
まあでも、そこそこ緩く、楽しいキャンパスライフだった。アニメやゲームしながら自堕落な生活も良かった。(ていうかそれこそが人生の到達点だと思った)
で、そんな生活は続くわけなかった。
ーー就活である。
俺は就職なんてする気はサラサラなかった。
ずっとダラダラゆるーく過ごしたかった。
毎日毎日会社に通って、残業して、疲れて眠るだけの生活なんて、想像しただけで嫌になる。
中には、「ホワイト」なんていう楽園もあるみたいだったが、俺の実力ではそんなの無理だった。(何の資格もない、ほぼニート野郎だ、当然である)
公務員?
そんな考えもよぎった。
そこらの民間企業に就職するより、公務員として働いたほうが安心なんだろうか。
俺はそれも嫌だった。
働きたくない。それが全てだった。
そこで俺は周りに合わせる道から外れてしまったのである。
今まで通り、皆と同じように、周りに合わせて、流されて、就職すれば良かったのに。
俺はそんな道から外れてしまった。
やりたいことなんて、ゲームかアニメくらいだ。
それで稼ぐことなんて無理だし、そもそもそれでは働くことになってしまう。
絶対に働きたくない。
鋼鉄の意思が俺を就職から守っていた。
そして、俺は30になった。
よく生きてこれたな、と思う。
しかし、30で職歴なしのクソったれを雇う会社などない。(そもそもこの時点でも俺に働く気はなかった)
親にももう頼れない。
俺は久々に外へ出た。
ちょっとした外出はあったが、コンビニに行く程度。
だが、今回は違った。
あてもなく、フラフラと彷徨った。
もう自分でも何のために生きているか分からなくなっていた。
もう死んでもいいとさえ思えた。
今まで十分に生きた。
働かずに、やりたいように生きた。
周りは結婚し、家庭をもち、子供もいる。
もう何をやっても楽しめないなーー。
あーあ、二次元に行けたらなぁ。
最期にそう呟き、深い森の奥で、俺は目を閉じた。