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V・W・G ~† リアルへの生還 †~   作者: 聖那
第二章 ~† 北の玄武洞 †~
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刹那の迷い

挿絵(By みてみん)


岩壁がんぺきの上でにらみをかせていたドラゴンがついに動き始めた。刹那達せつなたちに狙いを定めるように翼を振り上げる。


《小さき存在よ!吹き飛べ!》


岩壁がんぺきの上で頭を垂れていたドラゴンが、片翼かたよくを大きくを描くように打ち払うと、空に暗雲あんうんが立ち込め、巨大な蛇のような幾筋もの稲光がバリバリと大地を焼き、まるで生きているかのように螺旋らせんを描く旋風せんぷうが三人目掛けて突き進んでいく。全てをぎ倒すハリケーンのような風の刃が刹那達せつなたちおそった。


『キャッ!』

『くっ!』

『・・・!』


その爆風に必死で耐える三人だったが、ユナは数十メートル後ろに転がるように飛ばされ、刹那せつなも剣を地に突き刺し耐えていたが、数メートル後ろに飛ばされ、よろいから露出ろしゅつした腕の部分を切り裂かれ血がしたたり落ちていた。

暗黒騎士は両足を大地に踏ん張り、両手を体の前でクロスしなんとかその爆風をしのいだ。


『大丈夫!?ユナ!』

『はい・・なんとか』


吹き飛ばされたユナの方を振り返り、刹那せつなは叫んだ。

ロッドを杖がわりにしてかろうじて立ち上がりながらユナは答えた。

爆風のやいばによって切り裂かれたのか、真っ白なローブは所々引き裂かれ、血で赤く染まっている。


『ユナ!君は後ろに下がってるんだ!』

『でも・・』

『付け焼き刃のパーティーの上に、相手が悪すぎる!』


たった一度の攻撃でこの状況。力の差は歴然れきぜんとしていると刹那せつなは思わざるを得なかった。


〈・・最悪の状況だけは避けなければ・・〉


だが、いくら考えても辿たどり着く先は最悪のシナリオ。

このままでは全滅もあり得る。暗黒騎士が言うように復活のルールも怪しい状況で無理は絶対に出来ない。

簡単に逃がしてくれるとは思えないが、一旦ダンジョンから脱出するべきかどうか迷っていた。


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