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V・W・G ~† リアルへの生還 †~   作者: 聖那
第二章 ~† 北の玄武洞 †~
18/19

不思議な感覚

挿絵(By みてみん)

北の玄武洞げんぶどう。草木一つえていない寒々とした岩肌の原野が広がり、その原野を囲うように岩山がそびえ立つ。

玄武洞げんぶどうダンジョンの最深部に位置する最も高い岩山は[玄武山げんぶざん]と呼ばれ、その崇高すうこう威厳いげんのある姿は神々しさを感じる。


〈あそこになぎさん達が居るっていう確信はないけど、さっき見えたあかい光といい、ドラゴンがそれを見て飛び立った事といい・・あの山に何かある事は間違いない・・〉


いざなうかのような雰囲気ふんいきただよわす玄武山げんぶざんを遠目に、痛む身体に鞭打むちうって走り続ける刹那せつなの眼前に暗黒騎士の背中が見えた。

暗黒騎士の目の前には、怒りに満ちた相貌そうぼうで巨大な真っ黒いドラゴンが此方こちらにらむ。


『やっと来たか』


そんなドラゴンの様子など全く気にする素振りも見せず、此方こちらを振り返りもせずに暗黒騎士が刹那せつなに話しかける。


『すみません、遅くなりました』


刹那せつなは、暗黒騎士の横でドラゴンと正体し、剣を抜いて身構えた。

漆黒しっこくよろいに真っ黒な剣、それを肩掛かたがけにして余裕のある態度を見せる暗黒騎士を横目に見たとき、黒光りするよろいに傷一つついていない事に刹那せつなは驚きを隠せなかった。


〈ドラゴン相手に無傷だなんて・・〉


『本当にあなたは一体・・』

『まだそんな事にこだわってるのか?今、俺達がやらなければいけない事・・今はそれだけを考えろ』


困惑こんわくした表情を浮かべる刹那せつなに向かって、さとすすかのような口振くちぶりで暗黒騎士は答えた。


『はい!』

『ふっ。よし、良い子だ』


初対面のはずなのにそんな気がしない。この人の言葉は何故だか素直に聞ける。


〈何だろう、この感覚・・〉


刹那せつなは、何者かも分からず、ドラゴンと互角に戦える、底知れない実力のある暗黒騎士と心でつながっているような奇妙な感覚を覚えた。

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