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V・W・G ~† リアルへの生還 †~   作者: 聖那
第二章 ~† 北の玄武洞 †~
16/19

紅蓮の女戦士

挿絵(By みてみん)

~同時刻

凪達なぎたち数名が身を隠す洞穴内どうけつないにも轟音ごうおんが鳴り響き、激しい振動でパラパラと天井部分の岩肌が崩れ落ちた。


「チクショー!何で俺達がこんな目にわなきゃいけねぇんだよ!」

「もう終わりだ・・」

「ドラゴンになんて勝てっこないよ・・」


ほとんどのプレイヤー達は恐怖に混乱し、あきらめの言葉を口々に吐き出す。

強気ななぎでさえ少しずつ絶望という暗闇におおわれ始めていた。


そんな時である。軽装けいそうではあるがなぎと同色の紅蓮ぐれんよろいに、背中にはその細身さいしんの体には似つかわしくない両刃もろはの大きい戦斧せんぷを持った女戦士が、洞穴の奥から入り口に向かってきた。


『へぇ~、あのドラゴンとまともにやりあえる奴がおるんじゃねぇ』


なぎは驚いたように後ろから歩み寄る女性の声に振り返った。

その装備に驚いたのも事実だが、一番はこの状況を楽しんでいるかのように不敵な笑みを浮かべ、余裕すらうかがえる態度だった。


『君は・・?』

『ウチ?ウチが誰かなんて今はどうでもエエじゃろ。それよりも今はこの状況をどがーずするか考えんと』


可愛い顔してドギツイなまり。


『・・・ぷっ』


なぎは思わず吹き出してしまった。


『なんねぇ!?』


自分が何故なぜ笑われたのか疑問に感じた紅蓮ぐれんの女戦士は少しムッとした表情を浮かべた。


『ごめんごめん』


彼女の持つ穏やかな空気感のおかげで、深く心をおおっていた絶望という暗闇が、少しずつ晴れていくのを凪は感じた。


『君の言う通り、今はこの状況をどう打破だはするか考えないとな!』

『うん!』


なぎと女戦士はしばし見つめ合った。

たのもしくも思えるそんな二人の様子を、壁にもたれ掛かった黒装束くろしょうぞく老婆ろうばは、目を細め微笑ほほえみ見つめていた。


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