表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
V・W・G ~† リアルへの生還 †~   作者: 聖那
第二章 ~† 北の玄武洞 †~
10/19

傷付いた追撃者

挿絵(By みてみん)


攻撃を受けて傷付き、今にも意識を失いそうな刹那せつなを冷たく見下みくだすようにドラゴンは吐き捨てた。


小賢こざかしいガキだ!まぁいい。まずはあっちのクズ共を片付けることにするか》


両翼りょうよくを大きく振り下ろし、あかい光がした方へとドラゴンは飛び立った。そのスピードは風を切り裂き大気たいきが割れるような轟音ごうおんまとっていた。


『ちっ!』


飛び立ったドラゴンの後ろ姿を見つめていた暗黒騎士は軽く舌打ちをし、刹那達せつなたち尻目しりめに後を追い掛けた。


『あともう少し・・』


溢れ出ていた血はゆっくりと止まり、傷付いた体が少しずつ回復していく。刹那せつなの顔に生気せいきが戻ってきた。


『ありがとう、ユナ』


魔法での回復は一時的なもので、言わば人間が持つ自主回復能力じしゅかいふくのうりょくを強制的に高めて無理矢理回復させるものである。決して全快ぜんかいになるわけではない。刹那せつなは痛む体をゆっくりと起こしてユナに礼を言った。


刹那せつなさん、分かっているとは思うけどこの回復は一時的なものだから・・』

『うん、分かってる。でも、でも行かなきゃ・・』


刹那せつなはユナの言葉をさえぎるように答え、ドラゴンと暗黒騎士が向かったダンジョンの奥へフラフラと歩き始めた。

その瞳には疾風しっぷうの如くび去ったドラゴンと、そのドラゴンを影のように追い掛ける暗黒騎士が映っていた。


二人の背中を追い掛けようと、懸命に立ち上がろうとするユナだったが、その力はもうユナには残されていなかった。


〈・・私に出来ることはもうないの?・・〉


ユナは自分自身の無力さに打ちひしがれていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ