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異世界で魔王やってたら日本が転移してきた件

作者: ソイボーイ

ふと思いついたものをそのまま勢いで書きました。


駄文ですが、読んでいただけると幸いです。

「それでは、これより定例報告会を始める」


「「「「「「「はっ!」」」」」」」


俺は目の前で俺を見て頭を下げている7人の悪魔たちを見て言った。


ここは異世界『アースランド』。剣と魔法のファンタジー世界と言うのが分かりやすいと思う。なぜ俺がこんな世界に居るのかを説明しよう。


俺は今から2年前、勇者として人種ヒューマンが多く住むアイン王国に召喚された。そこで俺は自分たちを苦しめている魔族と魔王を倒してくれと懇願され、当時Noと言えない日本人であった俺はそれを了承してしまった。


だが、力をつけるために旅をしながら魔族大陸へ向かっていた俺は現地の人々や他種族の話などを見聞きして総合的に判断したところ、王国に騙されていることに気がついた。


魔族は人種を滅ぼそうとする邪悪な種族などではなく、基本は穏やかな友好的な種族だったのだ。だが、人種は見た目が少し違って尚且つ人種よりも強い力を持つというそれだけの理由で魔族を滅ぼそうとしていた。


しかも、人種は精人種エルフ土人種ドワーフ獣人種ビーストなど彼ら亜人種の集落を襲って捕らえて奴隷としてこき使っていたことも判明した。


その時点で俺は人種を見限り、とある儀式によって自分の身体を魔族のものへ変化させて魔族と亜人種の味方になった。


俺は召喚された時に強大な力を得ていた為、度重なる人種の襲撃で心身ともにボロボロだった魔王の後を継いで魔王となった。


そこからは人種の襲撃を防ぐ為に有り余る魔力で鋼の防壁を魔族大陸を囲む形で作った。それによって数日寝込むことになったが人種は簡単に攻めてこれなくなった。


次は魔族の代わりに襲撃が険しくなった亜人種の多くを魔族大陸の中へと招いて新しく街を作った。彼ら亜人種はそれを喜んで受け入れてくれ、今は襲撃に怯えることなく暮らせている。


「魔…様……王様……ケイスケ様‼︎」


「おわっ⁉︎な、なんだ?」


「なんだ?じゃありませんよ!きちんと報告は聞いてください!」


俺が昔の事を思い出しているうちに今の部下たちの話を聞いていなかったようだ。これは悪い事をしたな。


「すまんすまん。気をつける、だから続きをたのむ」


「全く、分かりました。それでは続けますね」


そう言って報告を続けるのは俺の直属の部下兼嫁のアスモデウスだ。俺には7人の直属の部下がいて、そいつらは全員それぞれ大罪の名を冠する大悪魔たちだ。


その中でも色欲のアスモデウスは長い間俺と過ごしていて、現在は自慢の嫁である。おっと、このままだとまた話を聞き逃しそうだから続きに集中するか。


「……以上の理由よりアイン王国、ツヴァイ帝国が合同で召喚魔法を行使した模様です。これにより東部の海域に国が出現し、各国は接触を図っている模様です」


「ふむ、報告ご苦労。それではみんな、何か意見とかはないかな?」


俺はアスモの報告を聞いて他の6人に語りかけた。6人は6人とも何か考え込んでいるようで回答はない。すると、傲慢のルシファーが急に立ち上がった。


「魔王ケイスケ様、我の領地に正体不明の集団が入り込んだと今、念話で報告がありました」


「なに?そうか、それじゃあそこまでお前と偵察能力に長けた悪魔で上空から偵察してきてくれ」


「仰せのままに」


ルシファーは背中から漆黒の翼を生やすと一度はばたいて部屋の窓から勢いよく飛んでいった。


「ルシファーが現地に着くまでは自由とする。楽にしていろ」


「「「「「「はっ!」」」」」」


「アスモは俺と一緒に来い」


「はい」


俺はアスモを連れて会議室を出て俺の自室に向かう。俺は自室に戻るとベットに倒れこみため息をついた。


「あ〜、疲れた〜」


「お疲れ様、ケイスケ」


「本当だよ〜。あ、ちょっとこっちきて」


「あっ、ちょっとって、きゃっ⁉︎」


「あ〜いい抱きごごちだな〜」


「ちょっと!どこ触って…⁉︎」


俺はアスモをベットに引き込んで抱き枕にした。背中から俺に抱きつかれた形になるアスモは俺に胸を掴まれて顔を赤くしている。


「別にいいだろ。減るもんじゃないし、お前は俺の嫁だし」


「でもそれは時と場合を選んでやってよ⁉︎」


「気にしない気にしないー」


「あ、ちょっと!だめーー⁉︎」


ルシファーが領地まで戻ってそこから偵察に行くまで大体1時間ちょっと。それだけの時間を俺は自室でアスモと楽しんだ。



1時間30分後


「それじゃあ、ルシファーと視線をリンクするぞ」


「「「「「あっ、はい」」」」」


「どうしたお前ら?」


「「「「「いえ、なんでも……」」」」」


「も…もう、無理……」


俺がツヤツヤした顔で会議室に戻ると残った5人の悪魔たちから微妙な視線を向けられた。そしてその5人は腰が抜けてまともに立てないアスモに同情の視線を向け、ついでに俺に非難の目を向けた。なぜだ、解せぬ。


「ま、まあいい。いくぞ【視界共有リンクアイ】」


一瞬目の前が真っ暗なったあとに視界がルシファーの物に切り替わる。どうやら今はまだ正体不明の集団を探しているようだ。


『ルシファー、近くの森は調べたのか?』


『いや、まだだ。森も調べたほうがいいか?』


『ああ、頼む』


『了解した』


俺は念話を終了して視界に集中する。森の中に何かおかしな人物がいないかを注意深く観察する。すると、視界の一か所におかしなところがある事に気がついた。


『ルシファー、森の北西側の入り口付近にもう少し近づいてくれ』


『わかった』


ルシファーが俺の指示通りに動いて近づいていく。そして俺たちはそのおかしなところにいる者たちを見つけた。


「なっ⁉︎」


そして俺はそれを見て心底驚いてしまった。緑、黒、茶色が入り混じった、まだら模様の戦闘服にこの付近の植物を貼り付け、手には黒光りする鉄の塊を持っていたそいつらを俺は知っている。


何故ならそいつらは俺の生きていた世界の俺のいた国を守る強力な武力であり、その中の一つであったのだから。そう、そいつらは


「陸上…自衛隊……!」


日本国を防衛する陸上自衛隊。そのものだったのだから。



☆☆☆



「マジかよ……」


俺は自室で頭を抱えていた。陸自を見つけてから1週間後、陸自は森から出てきて現在進行形で人種と魔族の大陸の境界線付近に接近している。


今、奴らは放置させているがこのままではじきに魔族の村に辿り着くだろう。


「ケイスケ?大丈夫?」


「……ああ、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫」


「本当に?無理しちゃダメだよ?今のケイスケには私達【七魔将】も居るし、他に貴方を慕ってくれている国民たちもいるんだよ?無理しないで辛いなら言ってね」


「そう……だよな。ごめん、よし!シャキッとするぞ!」


「うふふふ」


俺はアスモに励まされてやる気を取り戻した。そうだ、俺は魔王。この国を預かる王として、皆を導く英雄として、一人の男として、様々な面があるけど俺は俺だ。


やるべき事をキッチリやって魔王らしくいつも通り振る舞おう。そうだ、なんて言ったって俺は魔王なんだから。


「俺は魔王、魔王ケイスケ=クロタだ!」


「うん!その意気だよケイスケ!」


俺は衣装を魔王スタイルに変え、部屋を出て玉座の間に急ぐ。後ろにアスモを従えて歩き玉座の間に着くとその扉を守る守護像(ガーディアン)たちは横へ退いた。


カッカッカッカッカッ


俺は革靴を鳴らしながら歩きバサッとマントを翻し玉座にドッシリと座る。これだ、これこそがいつも通りの俺だ。


「「「「「「失礼致します、魔王様」」」」」」


アスモ以外の6人の悪魔が玉座の間に入ってきて俺の前で跪く。アスモも俺の隣を離れ、他の七魔将と共に跪く。


俺は軽く手を振って七魔将を立たせると言った。


「ああ。では始めようか、俺の国と世界の戦いを」


「「「「「「「我らは王の仰せのままに」」」」」」」


「行くぞ。日本へ」



☆☆☆




「で?この損害は一体全体どうやって賠償してくれるんだ?」


「お前……!」


「おいおい、仮にも一国の王にお前はないだろう、総理大臣さん?」


「貴様!それでも日本人か!」


「いや?俺は魔族、魔王ケイスケ=クロタだ」


俺たちはあの後、海に出現したという日本へ向けて出発した。


メンバーは


魔王ケイスケ=クロタ

七魔将【傲慢】ルシファー

七魔将【憤怒】サタン

七魔将【嫉妬】レヴィアタン

七魔将【暴食】ベルゼブブ

七魔将【強欲】マモン

七魔将【色欲】アスモデウス

七魔将【怠惰】ベルフェゴール

魔王専用騎乗竜

【邪竜】アジ・ダハーカ

七魔将専用騎乗竜

【闇竜】ダークネス・ドラゴン 7個体

魔国第1〜第4騎士隊

第1隊 上級魔族 40名

第2隊 獣人族 40名

第3隊 精霊族 40名

第4隊 悪魔族 40名

騎士専用騎乗竜

【黒飛竜】ワイバーン・ノワール 200個体


という計168名足す208個体の竜たちだった。だが、日本は俺たちが近づいた途端に海上のイージス艦からこれでもかと大量のシースパローとCIWSの弾丸が飛んできて騎士に軽くない損害を負ってしまった。


俺が咄嗟に防護障壁を全体に張らなければもっと被害は大きくなっていただろう。そんなわけで俺は日本の仮の支配者と言っても過言ではない総理大臣の所へ急行した。


と言っても、国会議事堂に行ったらたまたま緊急国会の最中だったらしく、多くの議員がいた。というのが正解だ。


そして俺は風魔法で声を届かせ、総理大臣を引っ張り出し賠償と謝罪を求めたのだが、俺が元日本人だと知られて色々と言われてしまった。


日本人の癖に、日本人の誇りは、貴様それでも日本人か、日本のために、その義務が、などなどetc


俺は魔族、魔王ケイスケ=クロタ。既に日本人ではない。だから知ったこっちゃないが、総理大臣はうるさい。国会議員もうるさい。黙ってればいいのに。


「…………ら君には日本人として義務が有ると共に国民ひいては国の為に……」


「うるせえよ、おっさん」


「おっさ……!?」


俺はゴチャゴチャ煩いおっさんを黙らせた。


「いいか?俺は魔王として和平交渉に来てやったんだ。元日本人として情も有ったからな。だが、それも既になくなった。俺は今この瞬間を持ってこの国とこの世界の他の国に宣戦布告をする」


「っ⁉︎君はそれがどういう事か分かって…⁉︎」


「分かってるさ、仮にも王だからな。じゃあなおっさん、あんたらは考える限り最悪の選択をしたと思え。じゃあな」


「待て!」


転移テレポート


俺は俺と他にこの国に来た奴らを全員転移(テレポート)で魔国に飛ばす。俺は玉座に深く腰掛けて息を吐いた。


「アスモ」


「なんでしょう魔王様」


「今はケイスケでいい」


「なあにケイスケ?」


「俺は、間違ってないよな?」


「分からないわ。この結果がどうなるか分からないし、難しくて。でも、これだけは言える。国民や私たちはあなたの事を肯定するわ。だって、貴方は決断した立派な王ですもの」


「そう、か」


俺は玉座に深く腰掛けたまま天井を見上げた。天井には夜空の星を模した壁画が描かれている。俺はそのまま天井を5分ほど見つめると体勢を戻し、七魔将を呼んだ。


その翌日、俺はテラスから城の前に集まった多くの国民たちを見ていた。俺は言う。決意を持って。


「俺は、魔王としてこの魔国を繁栄させ外敵から守る為に日本という国と戦う。だからお前たちみんなの力を俺に預けてくれ!」


『おおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』








半年後、世界『アースランド』は魔国によって統一された。あれほどいがみ合っていた国々や種族も当時の魔王によってお互いに認めあう様に変化していった。


その統一された国には異世界から来た国もあり、その国は当時の魔王の故郷だったと言われている。


魔王の名前は魔王ケイスケ=クロタ。彼は史上最高の名君と言われている。彼は統一された『アースランド』を満足げに見たあと魔国に『エリカ』と名前をつけた。


エリカの花言葉は博愛と協力。


彼は何処までも皆の事を考えていたのだろう。彼が居なければこの平和な世界は無かったと断言して言える。


〜とある歴史書から抜粋〜

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いのですが、やはり長編として読みたいですね… (略:面白い!これだけ楽しめるんだから、長編になったら…くふふ) と、まぁ…面白かったです♪
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