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セブンスソード―七つの聖剣―  作者: 音無 桐谷
第六章 魔王討伐編
32/32

エピローグ

最終話です。


誤字・脱字の指摘と、感想をお待ちしております。

 エピローグ


 ――――――魔王を倒してから一週間が経過した。


 甚大な被害を受けたデジエンスタウン、エレフラワータウンは着々と復興が進み、前の景観を取り戻しつつあった。


 そして、アリス、リーナ、ミネルバもリーナの家兼宿へと帰宅し早速、大掃除をしていた。


 それから、それぞれの担当していた部屋が終了した後、三人はある部屋の前に集まった。

 その部屋にはその身を削り、最後の最後まで戦い魔王を倒した「中条 焔」が寝泊りしていた。


 そして、リーナがマスターキーを使い、木製の扉を引っ張った。


 中は想像以上に殺風景だった。あるのは備え付けのベットとそのそばに目覚まし時計、そして木のテーブルと向かい合うように置かれた木製の椅子だけだった。

 まずはためしにクローゼットの中を開いてみる。

 すると中には、あの時も着ていた黒コートセットが二着、そしていくつかのパーカーやシャツ類があった。

 しかもどれもこれも黒色か白色と偏っている。

「なんていうか……相変わらずね」

「えぇ……そうですね」

「……うん」


 さらに、あの時、剣や服も消えてしまったため、墓を作るための遺品(といっても目覚まし時計だけだが)を外に出してから部屋の掃除を始めることにした。


 まずは地面のホコリをモップでとり、

 そこから雑巾がけをし、

 最後に喚起と窓拭き、ベットシーツの取替えを行った。


 すると、シーツの下、というよりベッドの下から小さな木箱が出てきた。

「なにかしらこれ」

「さぁ、なんでしょうか?」

「……?」

 三人がテーブルの上にその木箱を置いて開いてみるとそこには三つの銀でできたロザリオがあった。ロザリオの中心には綺麗な石が埋められている。チェーンもどうやら銀で出来ているらしい。

 そこには、一枚の便せんも入っている。

 この世界の銀とはダイヤモンドの次に高価な物であげられ、熱に弱いという点をのぞけばスプーンやフォーク、それこそ皿にもなる優れものだ。ただ安くても一皿〇〇〇万円とかするが。

 要するに、金持ちじゃないと買えないということだ。


 便せんの中身は一枚の手紙だった。だが手紙の内容はとてもそっけなく


 アリスとリーナとミネルバの誰かがこれ見つけたら持ってていいから。大事にしろよ


 さらにその中には、なぜかレシートもあったので、買い物の帰りにその店を訪れた。その店はこの街の中で最も大きな貴金属を取り扱う店だ。

 店主に話しかけてみるとものの見事に知っていた。

「ん?傭兵?……あぁ!!来たよ来たよ、黒ずくめの若い男だろ。ただの銀製のロザリオを三つ買っていったよ」


「つまり、この石は焔さんの物ってことですかね?」

「それしかないんじゃない?」

 そしてしばらく街を歩いていると声を掛けられた。

「よ、穣ちゃん方、ひさしぶりだな」

「まったく、宿にもいないから探したんだぞ」

 どこかで聞いた事があると思い振り返って見ると、そこにはマグヌスとクラウスの姿があった。それぞれ、私服なのでこの街に滞在しているのが見て取れた。


「何かようですか?」

「おいおい、そんな怖い顔をするもんじゃないぞアリスの穣ちゃん」

 それから、クラウスが

「穣ちゃん達の宿に今日泊めてくれないか?」

 と申し出てきた。無論リーナには断る理由がないため、

「もちろん、いいですよ~」


 ◇◆◇◆◇


 そして、場所は一転、宿のロビーに変わる。

 ロザリオの石について聞いてみると、マグヌスは真剣な目つきでそれを調べて結論をだした。

「これは……通信石だな。しかもかなり高純度の」

「通信石って、軍が御用達ごようたしのあの通信石ですか?」

 そんな質問にマグヌスは律儀に、丁寧な答えを返した。

「あぁ、魔力を流し込み伝達・伝令に使われる石だ。一般には出回らない代物しろものだが……おそらく、自分で生成したか、くすねた物だろうな」


 そこで、一つの疑問が生じた


「どうして、自分で生成したという選択肢が出てくるの?」

「チッ……あいつまたか」

 そして、マグヌスは言った。


「アイツは七歳まで錬金術師を目指していてな、一度は王宮錬金術師になったんだよ。ま、そのときに俺とも知り合ったんだけどね」

 それを聞いて三人はため息をついた。もうあれが神様だったといわれても驚かないだろう。


「で?それがどうして、いま傭兵なんて職業になっているの?」

 アリスがもっともな質問をすると、マグヌスはそっぽを向いて

「つまらない。だとさ」

 三人は無言でうなずき、クラウスは苦笑いを浮かべていた。


「……で?何キロまで通信できるの?」

 アリスがさらに質問を重ねると、

「試してみないとわからないが、たぶんこの世界のどこにいてもつながるんじゃないか?……もちろん洞窟とか地下を除く場合の話だが」


 それを聞いた三人は心底驚き驚愕した。そんな事が可能なのであれば高額で取引されるのは当然だ。

「まったく、錬金術試験の主席様はやることのレベルが一つ違うよ……」

 マグヌスの小さな呟きは奇跡的に周りの人たちには聞こえていなかった。


 ◇◆◇◆◇


 それから時は流れ、夕方、リーナは夕食をミネルバと共にいそがしく作っていた。

「も~!!アリスはこんな時にどこへ言ったのですか~!!」

 リーナの泣き言も腹をすかせた人(主にマグヌスとクラウス)には聞こえていないらしくまるで子供のように「ご飯!ご飯!!ご飯!!!」と連呼している。


 ――――――――――――そのころ、アリスは屋根の上にいた。屋根の上に寝転がり、星を見上げる。


 思うのは彼のこと。てっきょく自分は手も足もでなかった。守ると決めていたのにもかかわらず。

 そして、再び目じりに、熱い液体が溢れてくる。

「もう泣いても……いいよね?」

 そして、月が昇り始めた中、彼女の中の金具が外された。

「うわぁぁぁぁぁぁん!!ああぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!うぅ、うぅあああぁぁぁぁぁぁぁ……………………」


 そして少女は後悔と共に小一時間泣き続けた。


 ◇◆◇◆◇


 それからさらに数日が経ったある日、散歩がてらに門の外を歩いていると一匹のウサギが道端に現れた。首輪がついていたので、他の人が買っていたものだとはすぐにわかった。

「あなた飼い主は?」

「…………?」

 アリスの問いかけにウサギは不思議そうにその赤い瞳をむける。そして、彼が剣になるウサギを買っているのも覚えていた。だから……


「あなた、私と来ない?」

「…………!」

 試しに誘ってみる。するとウサギはアリスの胸に飛び込んで来た。アリスはそれを危なげなくやさしく抱きとめた。

 そして、その場で名前をつけた

「アンタの名前はそうね……ツクヨミ!」


 彼のことを忘れないために、彼の愛剣の名前を


 ◇◆◇◆◇


「どうでしょうかみなさま、この物語楽しんでいただけたでしょうか?」

「………………」

 男の言葉に君は返事もせずただ、静かにしていた。

 男はなおも続ける。

「では、また、どこか別のお話でご会いしましょう……それまで、忘れないで下さいね」


 それから間もなくして、舞台上にあった唯一の明かりも落とされ、完全な闇がこの世界を支配した。


 ――――――――――――そして、新たな物語の準備は着々と進んでいる。


 ソードセブンスー七つの聖剣ー 完

めでたくこれでこのお話は完結とさせていただきます。

ここまで、読んでいただきありがとうございます!


……それではここで、さらに作者の音無から重大発表!!


新作のタイトルは「ソードセブンスⅡ―閃剣の巫女―」(仮)を近いうち始めたいと思います。


ま、いわゆる続編です。

え?あんまりPV伸びてないのに何故やるかって?

そりゃ、音無が楽しいからに決まっているからです!!


ではまたいつか……

  by音無


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